じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

じいたんばあたん、たまを看病する。

2005-06-03 07:00:58 | じいたんばあたん
一昨日…水曜の夜、ばあたんの寝支度などを調えて、
ツムラ漢方薬の、83番をお湯で溶いていたときのこと。

背中とみぞおちがぎゅうっと痛くなった。
話していたじいたんに
「ちょっと待って」と言って、トイレへ。

何かが胸骨から喉へ、ひっきりなしにせりあがってくる。
頑張って吐こうとするのだけれど、
すっぱい唾液ばかりが口からこぼれていくだけで、
ほとんど吐くことが出来ない。

じいたんが後から飛んできて、背中をさすってくれる。
コップに水を汲んできて、うがいを促してくれる。
それでも痛みと吐き気がおさまらない。
廊下でおろおろしている、ばあたんの気配。

「ちょっと待っておりなさい。」


じいたんが何か書斎でごそごそしている。
どうしたんだろうと思ったら、布団を一枚、延べてくれた。

「ここへ横になりなさい」

ゴミ箱の中のごみを出して、いつでも吐けるように
用意してくれる。
そして、じいたんばあたん二人で、わたしの背中をさすってくれた。

彼氏に電話して迎えに来てもらうまで、1時間半あまり。
その間二人で、ずっと背中やら肩やらを、
さすっていてくれたのだ。

親にもこんなことしてもらったことなかったなぁ、とふと思う。

そういえば、小学生の頃、
当時長野にあった祖父母宅へ車で連れて行かれて、
同じような胃けいれんを起こしたときのこと。
一晩中
「なんまんだー、なんまんだー」と
おまじないを唱えながら背中をさすりつづけてくれたのは、
おじいちゃんだった。

吐き気がどれだけひどくても
感無量だった、
三人、川の字の時間。

インパクト。

2005-06-03 03:10:13 | Weblog
電車にはねられ怪我をした。

…確かこんな書き出しでしたよ。うん。
志賀直哉の「城の崎にて」。

高校生のとき、この文章の書き出しを読んで
すっごい衝撃を受けたんですよね。

普通、電車にはねられたら、生きてないから。

なんでだよ志賀直哉!あんたなんで生きてるの!
そう思ったんです。確か(笑)
さすが小説の神様ということでしょうか。
書き出しで読ませる技術。

・・・皆様、申し訳ありませんでした(泣)
ちょっと書いてみたかっただけなんです・・・

出来心なんで、どうぞお許しくださいませ・・・