第666話 香りなき香り

2013年11月26日 07時12分37秒 | Weblog
第653話 父の足の裏、第654話 足を見直す にて
父が倒れましたこと、その際、足を複雑骨折いたしましたことに触れておりますが、
幸いにして父の足は切断に至らず、退院いたしました。
当分はリハビリを行いながら、松葉杖生活を送ることとなります。
1年後再び、足に埋めたボルトを抜く手術とのことでありますが、
家に帰ることができて・・・父も私もほっとしております。

週末、持って帰ってくる息子の園の帽子やお昼寝布団には「園の香り」がいたします。
その家ごとに香りがあると申しますが、
自分の家、実家の匂いはもう鼻がきかなくなって当の本人にはわかりません。
初めて主人の実家を訪ねた時は「これがこの家の香りかぁ」と新鮮に感じましたが、
最近は玄関で感じた香りも奥にいくまでに分からなくなります。
これも嫁としてこの家に慣れてきた証だと思っています(笑)

偶然手にした「香・大賞」(エッセイコンテスト)作品募集のチラシ、
金賞・30万円に目がくらみ、香りにまつわる思い出を探しておりましたが、
エピソードを書けるほどの劇的な香りなく、
確かにあるにもかかわらず、自分ではわからぬ「家の香り」に行きあたりました。
残念ながら無臭ではエッセイは書けませんが、
退院した父も、旅行先から帰って来た時も同様、我が家がなぜほっとするのか・・・
きっと無意識に感じるこの香りなき香りに安堵しているのだと思います。





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