第133話 内視鏡検査体験を語る

2006年08月18日 10時18分34秒 | Weblog

がんの場合、あなたは告知を希望されますか?  する ・ しない
初診受付の問診票最後の項目、これって突然にして究極の選択ですよね?と紙に語りかけて、
瞳孔開いたまま周りを見渡しましたが、受け止めてくれる視線もなく、周りに習って私も静かに心を決めました。
ここ1ヶ月、この先が定まらず見えない不安でイライラしていました。
胃は問題なし、腸は検査結果待ちの状態です。
検査結果はもちろん、目前の検査方法・苦痛レベルがわからないと緊張もとけません。
内視鏡検査当日に説明用ビデオを見せていただけますが、できれば前日以前に予備知識があると心強いと思いますので…

胃の内視鏡検査から。
寝ころんで待っていると、先端が虹色にチカチカ光る(のがまた気持ち悪い)黒色のホースがせまってきます。
太っ、が率直な感想です。
説明ビデオで平面にとらえられていた胃カメラは実物より細く見えますから、要注意です。
検査が始まれば、首と肩の力を抜き、ゆっくりと腹式呼吸をして下さい。
ビデオの説明をきいてすぐ腹式呼吸の練習をしましたが残念ながら解説通りには…
できる方のほうが少ないと思います。できなくても容赦なく検査は可能なようです。
口の中に唾液がたまれば飲み込まずに口の横から出してください。
これまた、できません。いざという時、たらせないのです。反射的に飲み込んでしまうたび苦しく…それでも胃カメラはつきすすみますから、勝手に涙が流れます。
げっぷ
フォント48のゴシック体レベルで出ます。空気を送り込まれる為か、恐ろしく大きく…自制はききません。
目を閉じているとのどに意識が集中するので、画面を見て下さい。力を抜いて下さい。
先生の指示に目を開けると、画面には私の胃の内部…気持ち悪くて直視できません。
検査が始まったら話ができません。
流れる涙に苦しみをアピールしても途中でひきかえしてくれない胃カメラ、とにかく終了を祈りましょう。
終わりは必ず訪れます。信じて待ちましょう。

次に腸の内視鏡検査です。
前日から腸内がきれいになるよう検査食を食べ、下剤を飲んで備えます。
当日、さらに腸内がきれいになるように下剤を飲む方法と浣腸がありました。私は前者でした。
1.8リットルの水で溶かした下剤を約1時間かけて飲みます。
歩行や軽い運動をして腸の運動を促進させながら、待ちます。
この間、検査準備室内では検査衣と紙パンツ(検査しやすいよう後ろに穴があけてある)に着替えた者同志のささやかな交流が生まれます。
検査対象者はご年配の方が多く、私一人だけ年代が異なっていたので、準備室内で久しぶりに若者扱いをうけます。
やがて、訪れます。ここで、ようやく検査を受ける資格を得ることができます。
その時が訪れるまで、個人差がありますので見送る者は羨望の眼差しと焦燥感を、
見送られる者は待つ者へエールと安堵感を漂わせます。訪れる早さは年齢に関係ないようです。
検査室に入ると、ついにきたこの憂鬱な瞬間に気持ちが萎えます。喉はカラカラです。
空気を入れながら検査をするので、おなかが張ります…出しましょう。
これ以上お見せ?いやお聞かせ?するわけには参りません。ここはなんとしてもくい止めたい…
今回、私の焦点は苦痛ではありません。ビデオのその助言回避のみに集中していました。
看護婦さん、そんなに強くおなかを押さえるのはやめて下さいと思いながら、
とにかく一刻も早い終了を念じました。もう少し、もう少しだからと自分をだまします。
今回は運良く難を逃れ無事終了できましたが、人工的に誘発するものなので…。
女性にとっては受けること自体ストレスとなる大腸内視鏡検査…終わったというだけで、ブログに披露できるほどに気持ち晴れます。

私は告知を希望するを選択しました。この話が何かを思うきっかけになれば幸いです。
あなたが検査をする時、私の体験談が少しでもあなたの不安を和らげるものであればいいなと願います。
のどの麻酔液も水溶性の下剤もまずくなく、検査食美味しく、検査機器は進化しています。
耐えることのできない程度すれすれに、耐えることができてしまう検査なので、
機会があれば、安心を買って下さい。私は今後経過を見る為、定期的に買う予定です。

コメント (4)
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