ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

ヨセフ〜何一つ人生に無駄はなかった

2016年08月22日 | 聖書
のっけから聖書の話で恐縮だが、旧約聖書にヨセフという人物がいる。ご存知の方も多いと思うので、ごく手短に紹介する。

ヨセフは母ラケルからヤコブの11男として生まれた。何しろ母のラケルという女性は、父ヤコブが14年もかけて娶ることができた女性で、そのラケルの胎の初子がヨセフであった。こうなるとヤコブがヨセフを寵愛するのは当然で、長服という一張羅の服を着せたりするから、先に生まれた十人兄弟たちから妬まれる要素十分である。
17歳の時、ヤコブは兄たちや父までも自分に頭を垂れ、伏し拝むようになる夢を見たと語った。これでは最下の弟なのに、長兄以上の、家族の王ではないか。兄たちは何とかしてこの弟を除こうと思うようになった。そんな折のある日、ヨセフは父に命じられ、兄たちへの使いにかなりの距離を行った際、兄たちによって奴隷として売り飛ばされることになる。

エジプトの侍従長家の奴隷として買われたヨセフは、主人の信頼を得て瞬く間に全財産を管理する家令になる。ところが若く凛々しいヨセフは、夫人に目をつけられ、言い寄られ、断ると強姦未遂で王の監獄へ、明日をも知れぬ命となる。

その後エジプト王の廷臣である献酌官と調理官が、罪を犯して同じ監獄に入り、ヨセフは彼らの世話をし、彼らはヨセフの夢解きの力を知るようになる。 献酌官は許されて王の下に戻るものの、ヨセフが夢解きの際に頼んだ冤罪を晴らす件は2年も忘れられてしまう。
しかしついに時が来て、王が不思議な夢を見る出来事がおこった。しかしエジプト国内には、誰も王の不思議な夢を解く者がいなかった。その時献酌官はヨセフを思い出し、ヨセフはついに王の夢を解いて、古代世界の超大国エジプトの宰相に一躍上り詰める。

ヨセフの解いた夢は、これから世界に来る7年の大豊作と、その後に来る7年の大飢饉のことであった。ヨセフは王の印を委ねられ、エジプトの全権限を握った時、30歳であった。
こうして7年の豊作が過ぎ、世界的な大飢饉が来て、カナンの地でも兄たちまでが飢えて、エジプトに食料を得に来なければならなくなる。今や神のごとくエジプトの宰相になったヨセフの前に、夢の通り兄たちが跪くお膳立てが整う。ヨセフが夢を見てから、この時二十年が経っていた。

これがいわゆるヨセフ物語だが、兄たちに殺されかけ、特に宰相になるまでの17歳からの13年間は、

彼のことばがそのとおりになる時まで、
主のことばは彼をためした。(詩篇105)

とあるように、ヨセフは兄弟に売られ、主人の妻の冤罪と、最後は足かせの中、献酌官の忘恩に試され続けた。まことに悲惨な青春時代だったように、普通は考えてしまう。しかし私はどうもそうとばかりとは思えないのである。神は人を決していたぶったり、面白がって試したりはなさらない。神は愛の神で、全く無駄のない、完全な方なのだ。で、私は以下のように考察する。


【古代史の解明という側面】どうもこのヨセフ物語は歴史的にも真実らしいと思われる。なぜなら、エジプトの全国民が、極めて短期間に王の農奴化する大きな社会変化が、なぜなのかかつて理解できなかった歴史の不思議が、この創世記47章のヨセフの記事で解明されるからだ。なるほど、こういうことがあったからだ、と。聖書は極めて合理的な説明をしている。

【すべてが益にされた】ヨセフの奴隷時代は、実に素晴らしい備えの時代であった。後にエジプトの宰相になり、国を治める練習として、エジプトの宰相の家令という実践の時代を神は導かれた。次に監獄の時代は、エジプトの宰相となるためのステップだっただけでない、死の危険と常に隣り合わせながら、徹底して神に聞き従う訓練の場でもあった。だからヨセフは宰相という絶大な権力者になっても、決して高慢にはならず、かえってその地位は万全なものとなった。その土台の上に神は、アブラハムに約束されたことを成就されたのだった。数十人のわずかなイスラエルの民を、数百万人にのぼる膨大な民とし養うのにまたとない肥沃な地、ゴセンの地をゲットすることができたのだから。

【ヨセフは辛かった?】この試練の間、ヨセフはどんな理不尽な仕打ちに対しも神に祈るしかなかった。まさにこの試練を通してヨセフは神に聞き、祈り、従う人であり続け。聖霊に満たされ続け、神がずっと共にいてくださり守っておられた。これって、養われた平安で幸せな時代であった。

【結論】神にとって不可能なく、神の言葉は、必ず成就される。その上、いっさい無駄もなく、全てが益とされる。神は偉大な方である。

ケパ

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