matta

街の散歩…ひとりあるき

植物のポーズ

2012年12月15日 | 自然
LeicaM8.2/ summicron 35mm 1st

 《植物はポーズによってしか自己表現ができない》
 身振りでなく、彼らはただ腕、手、指だけ…仏陀のやりかたで、増やしてい
く。無為のごとく、瞑想の限りを尽くす。表現への意思のみ。自分自身に隠す
ものとてなく、どんな秘密の考えも抱けず、すっかり、正直に、制限なしに自
らを展開する。
 無為で、自分自身のフォルムを複雑にし、分析するに最も複雑な方向にしあ
げることに時を過ごしているのだ。どこで生まれようと、どんなにかくされて
いようとも、自分たちの表現を完成させることだけに専心している。準備をし、
飾りつけ、自分たちが読み取られるのを待っているのだ。
 自分たちに注意をひきつけるためには、もともとポーズとスタイルしかもた
ず、ときに例外的なサイン、輝きや香りある電球、爆弾のフォルムで目と臭覚
にとくべつに訴える、ひとは花とよぶのだが、それはまちがいなく苦痛でもあ
るのだ。・・・・ 

フランシス・ポンジュ『ものの味方』
(Francis Ponge“Le Parti pris des choses”)より


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コメント
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