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matta

街の散歩…ひとりあるき

16海塩官舎早春 劉長卿(709?〜785?) ……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月16日 | 詩・小説
Leica SL/Valio-Elmarit 24-90mm f2.8

6海塩官舎早春 劉長卿(709?〜785?)
小邑滄洲吏  小邑滄洲の吏
新年白首翁  新年白首の翁
一官如遠客  一官遠客の如く
萬事極飄蓬  万事飄蓬を極む
柳色孤城裏  柳色孤城の裏
鶯聲細雨中  鴬声(おうせい)細雨の中。
羈心早已亂  羈(き)心早(つと)に已(すで)に乱れ
何事更春風  何事か更に春風あらん。

小邑:小さな町、滄洲:水の青い州浜、白首:白髪頭、一官遠客の如く:部下の官吏も顔見知りが少ない、
飄蓬:雑ぱくなこと、羈心:旅の心
劉長卿■地方官のとき監察使に欺かれて入獄、無実が判明しながら随州の刺吏で終わった。

自分は海辺の小さな町の官吏で
新年を迎えた白髪の翁だ
部下の官吏も顔見知りが少なく
万事に雑ぱくを極める
栁は孤城のうらに緑の芽をふき
鶯が霧雨のなか鳴いている
前々から故郷に帰りたいと心乱れ
さらに春風が吹いて望郷をそそるばかり
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15寄金椒山中道士 韋応物(いおうぶつ730?〜804?) ……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月15日 | 詩・小説
Leica MP/Apo-Macro-Elmarit_R 100mm f2.8

15寄金椒山中道士 韋応物(いおうぶつ730?〜804?)
今朝郡斎冷  今朝 郡斎冷かなり
忽念山中客  忽ち山中の客(かく)を念(おも)う
㵎底束荊薪  㵎底(かんてい)に荊薪(けいしん)を束(つか)ね
帰来煮白石  帰り来たって白石を煮る
欲持一瓢酒  一瓢の酒を持して
遠慰風雨夕  遠く風雨の夕を慰めんと欲す
落葉満空山  落葉 空山に満つ
何処尋行跡  何処(いずく)にか行跡を尋ねん

郡斎:郡役所の斎舍、㵎底:谷底、荊:いばら
韋応物■高潔、食は質素、香を焚き室を浄めて坐ったといわれる。

今朝、郡役所の官舎は冷ややかで
ふと、山中の道士のことを思う
谷底で薪を束ね
帰り来たって白石を煮て糧をつくる
自分は、一瓢の酒をもって
風雨の夕をともに談じたいが
人気のない山には落ち葉がいっぱいで
彼の足跡をどのように見いだしたらよいやら
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14長信宮 王昌齢(700?〜755?)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月14日 | 詩・小説
Leica M8.2/ Summilux50mm f1.4 雪

4長信宮 王昌齢(700?〜755?)
金井梧桐秋葉黄  金井の梧桐 秋 葉黄なり
珠簾不倦夜来霜  珠簾倦かず 夜来(きたる)の霜
薫篭玉枕無顔色  薫篭玉枕 顔色無し
臥聴南宮清漏長  臥して聴く 南宮清漏長きを

金井:黄金の井戸、梧桐:アオギリ、珠簾:玉の簾、薫篭玉枕:香炉かごと黄金の枕
清漏::水時計
王昌齢■宮中に入り皇帝の妾となるも、後に捨てられる。

黄金の井戸わきの青桐が黄葉し
玉すだれを巻かず、夜、霜がおりている
香炉かごも黄金の枕も班婕妤(はんしょうじょ)の容色には顔色なし
彼女は南宮の水時計の音をわびしく寝て聞いただろう
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13山中流泉 儲光義(707〜760?) ……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月13日 | 詩・小説
Leica M8.2/ Summicron35mm f2.0 first 奥日光湯川

13山中流泉 儲光義(707〜760?)
山中有流水  山中 流水有り
借問不知名  借問す 名を知ら不や
映地爲天色  地に映じて天色と爲り
飛空作雨聲  空に飛びて雨聲を作る
轉來深澗滿  轉び來って深澗(しんかん)に滿ち
分出小池平  分れ出て小池平かなり
恬澹無人見  恬澹 人を見る無し
年年長自清  年年 長(つね)に自ら清し

借問す:ちょっと尋ねる、深澗:深い谷川、恬澹:あっさりと欲なく
儲光義■異色の詩が多い、と。

山中に流水がある
名を尋ねるも誰も知らない
地に映えて青空にそまり
しぶきが空に飛び雨の音をたてる
転々と流れて谷川に満ち
さらに分かれて平かな池となる
ひっそりとして人も訪れず
流れ続けて清さをましてゆく
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12題虢州西楼 岑参(しんじん715〜770) ……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月12日 | 詩・小説
Leica SL/ Apo-Elmarit-R 180mm ƒ/2.8 ジョウビタキ

12題虢州西楼 岑参(しんじん715〜770)
錯斜一生事  錯斜す 一生の事
蹉跎今日頭  蹉跎 今 白頭なり
縱横皆失計  縱横皆 計を失い
妻子也堪羞  妻子 也(ま)た 羞(はじ)るに堪たり
明主雖然棄  明主 然(しか)く棄つと雖(いえど)も
丹心亦未休  丹心 亦た 未だ休まず
愁来無去処  愁来って去処無し
祇上部西楼  祇(ただ)郡西楼に上るのみ

虢州:かくしゅう-かつての州の名、錯斜:くいちがう、蹉跎(さた):つまずく、
白頭:白髪頭、羞:はじ、丹心:忠誠心愁:心配事、郡西楼:郡役所の西楼
岑参■辺境詩人の第一人者

一生のことがいろいろ食い違い
つまずきばかりで今や頭も白くなった
いろいろ皆失敗ばかりで
妻子にもまた恥じるに堪えない
明主に捨てられたといえども
自分はまだ忠誠心がある
愁いたところで往くあてもない
郡役所の西楼に登るばかりだ
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