既に昨日になってしまったけれど、4月12日は第二水曜日、「The Longest Day」でした。 以前にも言ったことがありますが、第二水曜日は「エコーの達人」北村いずみ先生が来てくれて、午前中エコー検査を担当してくれます。
北村先生は、ご夫婦ともに放射線科の専門医で、いずみ先生はエコー検査の達人です。これまでに肝臓癌、膵臓癌、腎癌、膀胱癌などは勿論、胃癌、大腸癌、甲状腺癌などを何人も見つけ出してくださいました。うちのエコー機器は時代遅れのポンコツ機材なのですが、いずみ先生に掛かると、色々なものがくっきりはっきり見えるのです。本当に脅威です。あまりに達人過ぎるので、紹介状を書く時に逆に苦労したりもします・だって、普通では見えないものが見えるのですから。
「何月何日に超音波検査を施行し、大腸がんを強く疑い紹介させていただきました。」などと書くのですが・・・紹介先からエコー検査で大腸癌・・・ですか??などと、問い合わせが来ることもあるほどです。そして、そのあと、「ありました。おっしゃる通りおっしゃる場所に大腸癌ありました。」と、返事が来たこともあります。
甲状腺エコーも、乳房エコー、表在病変のエコー検査もしていただけるので、第二水曜日は朝から大忙しなのです。
そして、水曜日は薬の勉強会が入ることも多いです。(薬剤会社のMRさん達が、「わが社のこの新製品は、こんなに凄いのです、是非使ってくださいね」と熱弁を振るわれる会で、当院の職員たちにとっては、タダで美味しいお弁当が食べられるので勉強会ではなく弁当会と不謹慎にも呼んでおります。)
勉強会が終わったら、慌ただしく往診・訪問診療に行って、帰ってきたら夜診、19時半までみっちり診察を今日もしました。普通は大急ぎで家に帰るのですが、今日はおひとり夜に往診が入っていました。その方の往診を終えて帰宅したのが20時40分、ご飯を食べながら、大急ぎでZOOM会議に接続、懐かしい顔が次々に現れます。
在宅医療が患者さんにとって不可欠な医療だと思い、自分の生活の一部を犠牲にしながらも在宅医療を愛おしく思っている6人(私を入れると7人)の仲間の会です。
月に一度のZOOM会議、患者さんの役に立つことに幸せを感じるというベクトルで選別されたメンバーだと思っています。方向性は同じなのですが、皆さま、なかなかにキャラクターが濃いのであります。メンバーの誰もが自分の興味を惹かれた対象にはのめり込むタイプです・・・ちょっと変な奴らですが、本当に面白くてためになります。
今日のテーマの一つは私が提案した「自分が休んでいる時に、お願いして行ってもらった往診に対して、いくら支払えばいいか」というものでした。
今日感激したのは、我が会のメンバーの人が好さが異常だと言う事でした。
海外の方が日本に来て、日本の治安の良さ、日本人のヒトの良さに感動する事暫しと言う話は聞きますよね。例えば、落とした財布が丸ごと帰って来ることに驚嘆するとか・・・
その手の話の増補版?みたいな話です。
今日の会議では・・・・
払う側は「申し訳ないから、出来るだけ多く払いたい」と言い
受け取る側は「お互いさまで、困っている穴を埋めただけだから、無収でも良いのだけれど、それも申し訳ないから、少しだけ貰ったら十分です。」
何だか、日本人の美徳を結晶化させたようなな話し合いだと思いませんか?
それが、「好感度を上げたい」とかの意図があれば「ほーらね」と、理解しやすいのですが・・・我が仲間は、心の底から、「出来るだけ善意にお答えしたい」と言い、一方は「お互い様なので、お土産だけでも良い位なのに・・・」
生活に窮していないのは、ありがたい事ですねぇ。国家資格は有難いです。
私、医師免許を得るまでは、タダの変な兄ちゃんでしたからねえ。
他のメンバーも、生活に余裕があるから、こんな人の好い振る舞いが出来るのだと思います。私は、この会議のメンバーが大好きです。
人類皆が、このメンバーになってくれたらいいのにとは思うのですが・・・
それは無理なのでしょうねぇ。