茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

稽古

2010年11月16日 | Weblog
韓国の蓋碗です。
まあるくてきのこみたいです
日常的にも使っている道具だそうです。
韓国ではご飯茶碗もお湯のみ茶碗も
こうして蓋付きが多いですが、
それはオンドルの床の上に置いて
その上から座布団を被せておくと
いつでも暖かくいただけるからだそうです。

といっても、
今ではオンドルのある家も減り、
レンジを利用するのが普通で、
こうした蓋碗にお茶を淹れて
暖まりながらお茶を飲んだのは
懐かしい昔の記憶になっていると
先生はおっしゃってました。

今日はこのお茶碗で
ききょう茶を淹れてくださいました。
ききょうの根は
肺と胃に良く作用して
鎮咳・去痰効果があります。
咳が長引いている私にはバッチリでした。

お茶をいただきながら
大変興味深いお話をうかがいました。
先生は、
日本の茶道で井戸茶碗が尊ばれていることに
とても違和感があるのだそうです。
あれは男の人達が
ご飯をわしわしと食べる時のお茶碗だから
その飯盛り茶碗が
茶室の中で
大切に扱われているのが
とても奇妙なのだそうです。

なるほど、
自分が日常的に使っているお茶碗が
他の国で恭しくセレモニーで使われていたら
それはおかしな感じがするかもです。
「日常を尊ぶ」ためとか
ご飯を食べた後そこにお茶を注いで
家族と共に過ごす暖かい団欒のひとときこそ
人の求めるべき道であり
井戸茶碗はその象徴として道具に用いらたのかなとか
そんなことを考えていましたが
○かも?
井戸茶碗が飯茶碗だったことはわかっていたのですから、
あえての井戸茶碗だったわけです。

などと、
遠い昔の誰かの思いをあれこれ考えたりする
そんな時間が楽しいです。
稽古とは「古(いにしえ)を深く考えること」
「昔のことを調べ、今為すべき事を正しく知ること」
なり。