東京大阪ラプソディー

私が生まれ育った故郷「東京」の友人たちへ、また私の「大阪」での生活を知る心優しき人たちに、徒然なるままに綴っています。

懐かしのキャバレーへ呼ばれる

2010-02-03 21:22:56 | 日記
 まだ私が30代の頃は大阪・京橋界隈にはキャバレー、アルバイトサロン(通称アルサロ)がたくさんあった。国道一号線沿いにあった「女神」や「ショーボート」が懐かしいetc・・・
一号線をちょっと入ったラブホテル街には今でもグランドキャバレー「天守閣」や、駅に近いグランシャトービルの「香蘭」あたりは今でも営業を続けている。

グランシャトービルと言えば、、、
私が大阪に来た当時から同じCMソングで今も深夜TVで宣伝している有名なレジャービル(サウナや飲食店、カラオケ・ゲームなど)…「♪京橋は~ええとこだっせ、グランシャトーがおまっせ~、サウナでさっぱりええ男~恋の花も咲きまっせ~、グランシャトーはレジャービル~グランシャトーへいらっしゃ~い♪」・・・東京もんにはカルチャーショック的なCMソングで非常にインパクトがあった。近畿圏在住でこれを知らない大人はまずいない。何十年も同じCMを流し続けて、すっかり時代遅れな映像も関西人には好意的に受け入れられた。是非、東京の友人たちにも見せたい。作曲家はキダタローという噂もある。

たしか相撲では若貴ブームのハシリだったから、今から20年ほど前、近所の商店主のK兄弟や遊び人のIさん、亡くなってしまってOさんなどによく連れて行ってもらった。「アルサロ??気乗りしないな~」…とも思ったが、折角のお誘いでもあるし、社会勉強も兼ねて…結局、何度も行ってしまうことに。。。

こうしたお店は基本的にお色気サービスは無しなので、男同士だけでなく、たまに女のお客さんも見かけるし、大人の社交場というほどではないが、箱の大きな飲み屋さんと思えばいい。「天守閣」のように生バンドで歌える店もある。
ただし初めて行った時は驚いた。。。接客してくれるお姉さんは、みな熱帯魚のような派手な色のロングドレスを着た自分のお母さんの年頃の…戦後間もなくからずっとこの店で勤めているという人もいた。。。
当時、我々の席に着くギャルの平均年齢は優に60歳は超えていたが、古いだけあって幅広く馴染みのお客を掴んでいて、容貌に反比例して指名が多いのも不思議な世界だと思った。とりあえずその人の顔を立てて~みたいな雰囲気があったと思う。
よく行ったその一号線沿いの店は無くなってしまったが、我々のグループがよく一番に指名していたK嬢は、風の噂では引退して京橋周辺のマンションに一人でひっそり暮らしているらしい。。。やはりこの街を離れられないのだろうな~存命ならもう90歳くらいか??

 若い娘も在籍していたが、彼女らはダンサーやシンガーの名目でやって来た出稼ぎ組で、「女神」ではみんな台湾人だった。時給500円くらいで働いていたようだ。
アフターで寿司屋に行ったりカラオケに行ったりもしたが、どの子もここぞとばかりによく食べるし、日本語の勉強をしながらよく歌っていた。。。
日本人のお客と結婚してこっちに住んでいる者も数名いるが、、、

 知り合いから、その昔懐かしいアルサロの一つへお呼び出しの電話があった。。。
懐かしさも手伝って雨の中、ちょこっとだけ覗いてみた。。。

入るとすぐにエスカレーターが迎えてくれる。まるで魔界に続く道のように怪しい(妖しい)ネオンに照らされている。子どもならきっと泣き出すかもしれない不気味な空間だ。
店内は歴史を感じさせる豪華な雰囲気だが所々壁が剥がれていたりする。
従業員もそれに合わせてみな歴史を感じさせ、顔の塗装が剥げかかっているという落ちが付く。
 一時間ほど世間話をして賑やかしく飲んで店を出ると悪寒がした。冷たい雨が降っていたが原因はそれだけでないことは明白だ。近所で飲み直したのは言うまでもない。