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MRJ 用エンジン PW1200G の開発・量産への取組

2018-02-23 07:10:29 | 飛行機
現在,三菱航空機(株)が開発を進めている国産初の民間ジェット旅客機 MRJ(Mitsubishi Regional Jet)は,燃料消費を従来機より
20%以上低減するとともに,整備コストの低減と先進的な 環境適合性を確保し,競合機種との差別化を図っているでつ。

その中で,搭載エンジンとしては, Pratt & Whitney 社の GTF(Geared Turbo Fan)が民間ジェット旅客機向けに初めて採用されて開発が進められ,
PW1200G という型式名称で 2017 年5月に型式証明が取得。

量産段階にお いては,当社は燃焼器・高圧タービンディスクの製造・最終組立及び領収試験を担当することとなってて,
民間機向け新製エンジンとして最終組み立てを行うことは我が国初(世界では6番目)となるでつ。

PW1200G エンジンの技術的な特徴や開発・量産準備などの取り組みについて紹介するでつ。




PW1200G は 70 席クラスの MRJ70 向け PW1215G と 90 席クラスの MRJ90 向け PW1217G の2 つの形態があり,ともにバイパス比 9:1,ファン直径 1422mm で,
MRJ 全体として従来機に対して 20%以上の燃焼消費の低減を図っている中で本エンジンが大きく寄与しているでつ(表1)。



また,最 新の排出ガス基準 ICAO CAEP/8(注)を十分に満たしており,騒音についても,従来機と比較して 騒音面積が 40%減,ICAO CAEP Chapter 14 の
騒音基準を大幅に下回っているでつ。
(注) ICAO: International Civil Aviation Organization CAEP: Committee on Aviation Environmental Protection)

PW1200G の最大の特徴は,ファンと低圧圧縮機・低圧タービンの間にスターギア方式のファン ドライブギアシステム(図1)を組み込んでいることでつ。




これにより,ファンと低圧圧縮機をそれ ぞれ最適な回転数で作動させることができ(図2),効率向上と騒音低減に寄与しているでつ(図3)。






一方,低圧タービンについても最適な回転数で高速回転することができるため,段数削減と効率 向上が実現し,軽量化と燃費低減に寄与しているでつ。
従来型のターボファンエンジンに比べて熱効 率と推進効率の改善が実現し,総合効率を飛躍的に向上させることができるでつ(図4)。





燃焼器は P&W 社独自の RQL(Rich burn quick Quench Lean burn)コンセプトである TALON (Technology for Advanced Low NOx)型燃焼器の第3世代となる
TALON-X 形態を採用してお り、エミッション特性は ICAO の規制 CAEP/6 に対して 50%以上のマージンを有しているでつ(図5)。




2012 年8月に,PW1200G の燃焼器部品,高圧タービンディスクの開発・製造と,同エンジンの 最終組立・領収運転試験を名古屋誘導推進システム製作所で行うことで P&W 社と合意し,
開発作業を開始するとともに,量産に向けた準 備を開始。

担当部位は燃焼器部品と高圧タービンディスクで,当社工場で製造を行う他,産業クラ スタを活用して量産体制の構築を進めているでつ。

燃焼器は高温化と低 NOx 化への対応のために, 燃焼器パネルには従来機種に比べて飛躍的に多数の冷却空気孔が設けられているでつ。

これを低コスト,高品質に加工するため,高速レーザ加工技術を開発し,量産への適用を進めているでつ(図6)。



高圧タービンディスクにつ いては粉末冶金材を用いているため,機械加工の難易度が高くなっており,安定した製造ができ るよう生産技術の向上も図っているでつ(図7)。

エンジンの最終組立と領収運転試験も担当することとなっており,そのための組立用 治工具や試験設備の整備を進めているでつ(図8)。




最終組立を行うに当たっては,工場内に部品をキット化するエリアやパルスフロー方式の組立 ラインを整備しており,組立作業の進捗の見える化にも取り組んでいるでつ。

また,IOT を駆使した組 立手順書や検査記録の他、生産管理システムや形態管理システムについてもP&W社と連携させ るべく,調整しながら導入を進めているでつ。

組立能力としては,量産本格化に備えて能力向上に向 けた整備を計画中。

エンジン試験の準備としては、これまでに既存のエンジンテストセルの 改修やコリレーションも併せて実施済み。

本年度より最終組み立てを開始する予定であり, P&W からの機材調達や作業者のトレーニングを行うなどの準備を進めるとともに,米国連邦航空 局(FAA)や
欧州航空安全局(EASA)等の認定取得や必要な品質保証体系の構築にも取組んでいるでつ。

MRJ の商用運航開始に合わせて,エンジンの部品製造,組立,試験の体制を万全とすべく, 全社を挙げて取り組んでいるでつ。

さらには,本プロジェクトを機会として,修理事業も含めたトータル での航空エンジン事業の飛躍的拡大を図る所存。

今後も引き続き,MRJ 事業の成功に向 けて,全力を挙げて取り組んでいかないといけないでつ。

そして一刻も早くも日本の空を飛ばないといけないでつ!
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