クラウドとオンプレミスのハイブリッドとは、オンプレミスとクラウドの両方を組み合わせたシステム構成です。ハイブリッドクラウドでは、オンプレミスとクラウドのそれぞれのメリットを活かすことができ、セキュリティやコストの両立が可能です。
ハイブリッドクラウドの利用例としては、次のようなものがあります。
個人情報などの機密性の高い情報はオンプレミスで管理し、社内で共有したい情報はクラウド上で管理する
自社内でデータを保有・管理する社内システムはオンプレミス、不特定多数の人が利用するシステムをクラウドで利用する
基幹系システムをオンプレミスで実現し、情報系システムをクラウドで実現する
繁忙期でアクセスが集中する期間のみクラウドを活用して、ネットワークの負荷を分散させる
オンプレミスとクラウドの利用を調整することで、それぞれのメリットを享受することができます。
オンプレミスとは、企業が社内で利用する情報システムを自社内の施設に設置して運用する形態のことです。設置する機器はサーバー以外にルーター、スイッチなどのネットワーク機器などが挙げられます。
規模が大きなシステムでは、自社内のサーバールーム以外にデータセンターを活用して機器を設置し運用する場合もありますが、これもオンプレミスです。データセンターでは耐震性、耐火性に優れ、電源設備も充実しているため、安全にシステムを運用できます。
オンプレミスのメリットは、以下の3点が挙げられます。
セキュリティを確保できる
カスタマイズ性が高い
コストが管理しやすい
・セキュリティを確保できる
まず、自社内に機器が設置されており接続可能なネットワークも限られているため、外部から直接接続されることがありません。情報漏えいや外部からの攻撃といったリスクを最小限に抑えられるためセキュリティが確保できます。
・カスタマイズ性が高い
稼働しているシステムも自社所有のものであるため、自由にカスタマイズが可能です。サーバーのスペックやネットワークの構成、既存システムとの連携なども自由に決められます。
・コストが管理しやすい
メリットの3点目として、コストを管理しやすい点が挙げられます。クラウドとは異なり、システムの利用によるコスト変動がありません。ある程度初期費用はかかるものの、比較的コストを抑えられるためコスト管理がしやすいというメリットがあります。
デメリット
オンプレミスのデメリットは、以下の3点が挙げられます。
初期導入コストが高い
運用コストがかかる
災害に弱い
・初期導入コストが高い
オンプレミスのデメリットとして大きいのは、初期導入コストが高いことです。サーバーやネットワーク機器の費用が高く、数千万〜数億円となってしまうことも少なくありません。また、機器の設置やインフラの構築、システムの稼働まで多くの人件費と期間が必要とされています。
・運用コストがかかる
設置した機器に故障や障害が発生すると、その分のメンテナンスや復旧対応も自社で行う必要があります。オンプレミスでは、それらの運用コストもかかります。
・災害に弱い
オンプレミスは、災害など外的要因からの影響が受けやすいことも特徴です。一般的な建物では、地震や落雷による停電などを受けてサーバーが停止する可能性もあります。データセンターなど強固な施設に機器を設置することで、外的要因の影響を抑えることが可能です。
クラウド(クラウドコンピューティング)とは、クラウドサービスを提供する事業者と契約し、自社内に機器を設置することなくクラウドサービス上にシステムを構築して利用する形態です。クラウドサービスは、アマゾン社が提供するAWS(Amazon Web Service)、マイクロソフト社が提供するMicrosoft Azureなどがあります。
クラウドは、大きく「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2種類があります。パブリッククラウドは、利用者を限定せず誰でも必要な時に必要なリソースを利用できる形態です。一方プライベートクラウドは、自社内にクラウド環境を構築し、自社内のグループや社員が利用できる形態のことを指します。
クラウドの主なメリットは、以下の3点があります。
初期導入コストが安く、素早く導入できる
機器の物理的な管理をする必要がないため運用が楽
自由にリソースを変更できる
・初期導入コストが安く、素早く導入できる
クラウドの利用にあたってはインターネットへの接続環境さえあれば、クラウドサービス契約後すぐに利用できます。自社内に専用の機器を設置したり環境を構築したりする必要はありません。そのため、初期コストを抑えられるだけでなく、素早く導入できます。
・機器の物理的な管理をする必要がないため運用が楽
クラウドを利用する場合は機器を物理的に購入・設置する必要がないため、物理的な故障や障害を意識する必要がありません。そのため、オンプレミスと比べて運用が楽という特長が挙げられます。
・自由にリソースを変更できる
クラウドは、必要なリソースを必要な量だけ柔軟に変更できる点が魅力です。例えば、ECサイトの運用においてイベントやキャンペーンなどで一時的にアクセスが多くなった場合、その期間だけサーバーをスケールアップする、といった運用が可能になります。
このように、クラウドは「インターネット経由でリソースを自由に利用できる」という点から様々なメリットが得られます。
デメリット
クラウドのデメリットは、以下が挙げられます。
カスタマイズ性が比較的低い
セキュリティリスクがある
障害発生時は復旧を待つしかない
・カスタマイズ性が比較的低い
クラウドはあくまで事業者ごとの提供サービスであるため、提供されるサービスの範囲でしかカスタマイズができません。自社で利用するシステムに独自の機能が実装されていると、クラウドサービスによってはその機能が使えない可能性があるため注意が必要です。
・セキュリティリスクがある
特にパブリッククラウドは誰でも利用できるという形態であることから、セキュリティリスクが考えられます。実際に、誤った設定により誰でも情報が参照できる状態となってしまい、情報漏えいが発生したケースもあるようです。
・障害発生時は復旧を待つしかない
クラウドは、障害が絶対起きないわけではありません。障害が発生し、サービスを利用できなくなるケースも存在します。サービスが利用できずシステムが動かない状況になってしまっても、サービスが復旧するまで待つしかありません。そのためクラウドサービスが利用できない状況でも、業務を継続できる仕組みを整える必要があります。
「ハイブリッドクラウド」とは、オンプレミスとクラウド両方を組み合わせて利用する形態です。
例えば、自社内でデータを保有・管理する社内システムはオンプレミス、不特定多数の人が利用するシステムをクラウド、と分けて利用するケースです。または、自社内の機器障害に備えて、バックアップをオンプレミスだけでなくクラウドにも保存しておくケースもあります。
利用するすべてのシステムをオンプレミス、またはクラウドのどちらかで運用するのではなく、両方を併用する形態がハイブリッドクラウドです。
ハイブリッドクラウドのメリットは、以下の点が挙げられます。
要件に応じてオンプレミスとクラウド両方を利用できる
リスクを分散できる
コストダウンが期待できる
・要件に応じてオンプレミスとクラウド両方を利用できる
ハイブリッドクラウドのメリットは、オンプレミスとクラウド両方のメリットが得られることです。例えば、機密データを管理するデータベースはオンプレミス、柔軟にリソース変更が必要なWebサーバーやアプリケーションサーバーはクラウド、というケースです。この場合、セキュリティを高めつつ柔軟にリソースを変更できるシステムが構築できます。
・リスクを分散できる
オンプレミス、クラウドそれぞれを利用すればリスクの分散が可能です。データを分散して物理的に異なる場所で保存することで、障害や災害が発生した際にスピーディーな復旧が見込めます。また、アクセス過多によるサーバーの負荷も分散できます。
・コストダウンが期待できる
ハイブリッドクラウドを上手に利用すれば、コストダウンが望めます。例えば、クラウドのストレージは格納するデータ量によってコストがかかりますが、機密情報やデータ量が多いものについてはオンプレミスに配置することでコストを抑えられます。
デメリット
ハイブリッドクラウドのデメリットは、以下の点が挙げられます。
クラウドで運用する部分はカスタマイズ性が比較的低い
コスト計算が難しい
・クラウドで運用する部分はカスタマイズ性が比較的低い
クラウドを利用して運用するシステムでは、カスタマイズ性が低くなります。そのため、独自システムはオンプレミスで運用するなど仕様に応じて構築することが大切です。
・コスト計算が難しい
次に、コスト計算が難しい点が挙げられます。運用方法を間違ってしまうと利用状況によって日々の運用コストが大きく変わり、計算が難しくなってしまうため注意が必要です。
例えば、頻繁に利用しリソースも多く消費するシステムはオンプレミス、逆に利用頻度が少ない、もしくは一定のリソースを必要とするものはクラウドに配置すると、コスト計算が楽になります。
ハイブリッドクラウドがオンプレミスとクラウド両方を利用するのに対し、マルチクラウドとは、事業者が異なる複数のクラウドサービスを利用することをいいます。例えば、AWSとMicrosoft Azureの両方を併用して利用する構成です。
マルチクラウド構成のメリットは、特定のクラウドサービスに依存することがなく、リスク分散が行える点です。ひとつのクラウドサービスだけを利用していた場合、障害が発生すると復旧するまでシステムが利用できなくなります。マルチクラウドでシステムを分散しておくと、障害の影響を抑えることができます。
ただし、クラウドサービスによって運用方法が異なるため、運用が複雑になるという点には注意が必要です。それぞれのクラウドサービスに精通した担当者を配備しておく、などの対応を行うとよいでしょう。
モニタリング機能をどうするか。
クラウド環境とオンプレミス環境をまとめて監視。
複雑化したハイブリッドクラウド環境を簡単に一元管理できます。
クラウド環境とオンプレミス環境をまとめて監視するには、次のような方法があります。
JP1のオブザーバビリティ:オンプレミス、マルチクラウドなどのハイブリッド環境をまとめて監視できます。仮想化や冗長化などを含め、環境の全体構成を一元管理し、稼働状況やパフォーマンスを可視化できます。
Azure Monitor:クラウド環境とオンプレミス環境からの監視データを収集・分析し、アプリケーションやサービスの可用性とパフォーマンスを最大化できます。複数のAzureやAzure以外のサブスクリプションとテナントにわたってデータを収集・集計し、一般的なデータプラットフォームに格納します。
統合監視とは、複数の異なる環境やシステムを一つの管理画面やフレームワークで制御することを指します
統合監視の目的は、ITリソースやITインフラの一元管理・運用です。
統合監視サービスの特性上、主要な機器・ソフトウェアにはおおむね対応していることが想定されます。しかし、業界や顧客の要望によっては、IoTやネットワーク機器で特殊なハードウェアに加えて、M365などのクラウドサービスも監視しなければならない可能性も考えられます。
自社の監視対象について統合監視ツールが十分にカバーできるかどうかは、最優先に確認するべき項目です。
ドキュメント上で監視対象に含まれていなくても、何かしら監視する方法のワークアラウンドの用意や、今後対象に追加される予定の可能性も考えられます。
比較を行う際には、統合監視サービスの提供元に問い合わせるなどして、監視ツールの対象範囲を確認しましょう。
監視を行う仕組みは、大きくエージェント型とエージェントレス型に分けられます。
エージェント型のツールでは、データ収集のためのアプリケーション(エ―ジェント)を各監視対象にインストールして、監視ツールの管理側にデータを送信します。そのため、監視対象の数に比例して初期導入・運用管理コストが増加する点に注意が必要です。
一方、エージェントレス型では、アプリケーション(エ―ジェント)のインストールが不要です。さまざまな通信プロトコルを用いて、監視対象のデータを監視ツールの管理側に送信します。エージェント型に比べて、初期導入・運用管理コストが少なく、監視対象範囲や領域の拡大・拡張にも柔軟な対応を行える点がメリットです。
エージェント型またはエージェントレス型のいずれにせよ、監視対象からのデータ収集には初期導入・運用管理の作業が必要になります。監視ツールがエージェント型とエージェントレス型のどちらに対応しているかは、必ず確認しましょう。
ITリソースやITインフラの監視業務は、部署・部門単位で行うなど、必ずしも一つの組織が行うとは限りません。加えて、監視業務を外注している場合、外注先の企業と発注元のユーザー企業で、運用ツールを共有するケースも考えられます。
このような課題を解決する仕組みがマルチテナント(マルチアカウント)です。
マルチテナントは、複数のユーザーが、同一のシステムやサービスを、ユーザーの権限役割に応じて、閲覧のみなど限定したアクセス権を付与しながら、共有して利用できる仕組みです。
例えば、運用側の管理者とユーザーに大別できますが、ユーザーは、部門責任者から一般社員や派遣社員などさまざまです。部門責任者には、部門で利用しているITリソースをすべて編集・閲覧できる権限を与え、外部の派遣社員には、特定業務に関連する必要最小限のリソース閲覧に限定して権限を付与するなどが挙げられます。
一方、マルチテナントの機能がなく、顧客や組織内の部門単位で都度契約していると、その分の運用管理工数や費用も膨れ上がるだけでなく、横断組織の運用担当者が契約毎に異なる管理画面を行き来しなければなりません。
1つの管理画面内で組織の形に合わせて柔軟な導入ができるかどうかは、組織規模が大きい企業では重要な観点です。
監視業務には定型化されたプロセスが少なくありません。監視対象の新規追加によるエージェントのインストール作業や、定期的な監視運用レポートの生成など、決まった手順に沿って業務が行われます。
このような業務では、システム手順をプログラムコードとして記述するか、監視ツールの機能を活用することで、一連の作業を自動化できる可能性があります。監視業務の自動化は、運用管理担当者の業務負荷軽減だけでなく、人的な判断ミスの軽減にもつながります。
統合監視ツールでは、ツール毎に自動化できるプロセスが異なるため、社内で頻繁に発生するプロセスを自動化できるかは大事な検討ポイントと言えます。
統合監視ツールは、その特性上、従来のサーバー・ネットワーク監視ツールよりも監視対象や管理領域も幅広いため、多くの専門知識が求められます。
基本的な機能は画面上で直感的に理解し、不明な点はWeb上のサポート情報から把握することもできますが、それだけでは企業毎の細かなユースケースまで網羅できません。
そのため、サービス提供業者のテクニカルサポートは重要です。
電話・メール・チャットでサポートをしているサービスもあれば、定期的なミーティングで手厚いサポートを行うサービスもあります。テクニカルサポートを受けられる時間帯や言語、返信までの時間などのサポート体制やSLAについても、サービス毎に方針が異なります。サポートが有償サービスとして提供されることもあるので、導入時にサポート体制やSLAについて確認を行いましょう。
統合監視は、複雑化・肥大化が進む監視業務を俯瞰的にワンストップで管理できるツールです。現在では、複数の統合監視ツールが提供されていますので、自社の要件に合致した統合監視ツールを選択しましょう。
LogicMonitorは、エージェントレス型のIT運用統合監視ツールとして、2,000社以上の導入実績を持ちます。
統合されたオブザーバビリティをコンセプトに、正常監視から異常検知・問題発見まで一貫して監視業務を支援し、一元的に管理・運用できます。効率的かつ自動化を前提とした監視業務を実現する上でも、ぜひ比較検討いただければと思います。
Azure Monitor は、クラウド環境とオンプレミス環境からの監視データを収集し、分析し、それに対応するための包括的な監視ソリューションです。
ハイブリッドクラウドの利用例としては、次のようなものがあります。
個人情報などの機密性の高い情報はオンプレミスで管理し、社内で共有したい情報はクラウド上で管理する
自社内でデータを保有・管理する社内システムはオンプレミス、不特定多数の人が利用するシステムをクラウドで利用する
基幹系システムをオンプレミスで実現し、情報系システムをクラウドで実現する
繁忙期でアクセスが集中する期間のみクラウドを活用して、ネットワークの負荷を分散させる
オンプレミスとクラウドの利用を調整することで、それぞれのメリットを享受することができます。
オンプレミスとは、企業が社内で利用する情報システムを自社内の施設に設置して運用する形態のことです。設置する機器はサーバー以外にルーター、スイッチなどのネットワーク機器などが挙げられます。
規模が大きなシステムでは、自社内のサーバールーム以外にデータセンターを活用して機器を設置し運用する場合もありますが、これもオンプレミスです。データセンターでは耐震性、耐火性に優れ、電源設備も充実しているため、安全にシステムを運用できます。
オンプレミスのメリットは、以下の3点が挙げられます。
セキュリティを確保できる
カスタマイズ性が高い
コストが管理しやすい
・セキュリティを確保できる
まず、自社内に機器が設置されており接続可能なネットワークも限られているため、外部から直接接続されることがありません。情報漏えいや外部からの攻撃といったリスクを最小限に抑えられるためセキュリティが確保できます。
・カスタマイズ性が高い
稼働しているシステムも自社所有のものであるため、自由にカスタマイズが可能です。サーバーのスペックやネットワークの構成、既存システムとの連携なども自由に決められます。
・コストが管理しやすい
メリットの3点目として、コストを管理しやすい点が挙げられます。クラウドとは異なり、システムの利用によるコスト変動がありません。ある程度初期費用はかかるものの、比較的コストを抑えられるためコスト管理がしやすいというメリットがあります。
デメリット
オンプレミスのデメリットは、以下の3点が挙げられます。
初期導入コストが高い
運用コストがかかる
災害に弱い
・初期導入コストが高い
オンプレミスのデメリットとして大きいのは、初期導入コストが高いことです。サーバーやネットワーク機器の費用が高く、数千万〜数億円となってしまうことも少なくありません。また、機器の設置やインフラの構築、システムの稼働まで多くの人件費と期間が必要とされています。
・運用コストがかかる
設置した機器に故障や障害が発生すると、その分のメンテナンスや復旧対応も自社で行う必要があります。オンプレミスでは、それらの運用コストもかかります。
・災害に弱い
オンプレミスは、災害など外的要因からの影響が受けやすいことも特徴です。一般的な建物では、地震や落雷による停電などを受けてサーバーが停止する可能性もあります。データセンターなど強固な施設に機器を設置することで、外的要因の影響を抑えることが可能です。
クラウド(クラウドコンピューティング)とは、クラウドサービスを提供する事業者と契約し、自社内に機器を設置することなくクラウドサービス上にシステムを構築して利用する形態です。クラウドサービスは、アマゾン社が提供するAWS(Amazon Web Service)、マイクロソフト社が提供するMicrosoft Azureなどがあります。
クラウドは、大きく「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2種類があります。パブリッククラウドは、利用者を限定せず誰でも必要な時に必要なリソースを利用できる形態です。一方プライベートクラウドは、自社内にクラウド環境を構築し、自社内のグループや社員が利用できる形態のことを指します。
クラウドの主なメリットは、以下の3点があります。
初期導入コストが安く、素早く導入できる
機器の物理的な管理をする必要がないため運用が楽
自由にリソースを変更できる
・初期導入コストが安く、素早く導入できる
クラウドの利用にあたってはインターネットへの接続環境さえあれば、クラウドサービス契約後すぐに利用できます。自社内に専用の機器を設置したり環境を構築したりする必要はありません。そのため、初期コストを抑えられるだけでなく、素早く導入できます。
・機器の物理的な管理をする必要がないため運用が楽
クラウドを利用する場合は機器を物理的に購入・設置する必要がないため、物理的な故障や障害を意識する必要がありません。そのため、オンプレミスと比べて運用が楽という特長が挙げられます。
・自由にリソースを変更できる
クラウドは、必要なリソースを必要な量だけ柔軟に変更できる点が魅力です。例えば、ECサイトの運用においてイベントやキャンペーンなどで一時的にアクセスが多くなった場合、その期間だけサーバーをスケールアップする、といった運用が可能になります。
このように、クラウドは「インターネット経由でリソースを自由に利用できる」という点から様々なメリットが得られます。
デメリット
クラウドのデメリットは、以下が挙げられます。
カスタマイズ性が比較的低い
セキュリティリスクがある
障害発生時は復旧を待つしかない
・カスタマイズ性が比較的低い
クラウドはあくまで事業者ごとの提供サービスであるため、提供されるサービスの範囲でしかカスタマイズができません。自社で利用するシステムに独自の機能が実装されていると、クラウドサービスによってはその機能が使えない可能性があるため注意が必要です。
・セキュリティリスクがある
特にパブリッククラウドは誰でも利用できるという形態であることから、セキュリティリスクが考えられます。実際に、誤った設定により誰でも情報が参照できる状態となってしまい、情報漏えいが発生したケースもあるようです。
・障害発生時は復旧を待つしかない
クラウドは、障害が絶対起きないわけではありません。障害が発生し、サービスを利用できなくなるケースも存在します。サービスが利用できずシステムが動かない状況になってしまっても、サービスが復旧するまで待つしかありません。そのためクラウドサービスが利用できない状況でも、業務を継続できる仕組みを整える必要があります。
「ハイブリッドクラウド」とは、オンプレミスとクラウド両方を組み合わせて利用する形態です。
例えば、自社内でデータを保有・管理する社内システムはオンプレミス、不特定多数の人が利用するシステムをクラウド、と分けて利用するケースです。または、自社内の機器障害に備えて、バックアップをオンプレミスだけでなくクラウドにも保存しておくケースもあります。
利用するすべてのシステムをオンプレミス、またはクラウドのどちらかで運用するのではなく、両方を併用する形態がハイブリッドクラウドです。
ハイブリッドクラウドのメリットは、以下の点が挙げられます。
要件に応じてオンプレミスとクラウド両方を利用できる
リスクを分散できる
コストダウンが期待できる
・要件に応じてオンプレミスとクラウド両方を利用できる
ハイブリッドクラウドのメリットは、オンプレミスとクラウド両方のメリットが得られることです。例えば、機密データを管理するデータベースはオンプレミス、柔軟にリソース変更が必要なWebサーバーやアプリケーションサーバーはクラウド、というケースです。この場合、セキュリティを高めつつ柔軟にリソースを変更できるシステムが構築できます。
・リスクを分散できる
オンプレミス、クラウドそれぞれを利用すればリスクの分散が可能です。データを分散して物理的に異なる場所で保存することで、障害や災害が発生した際にスピーディーな復旧が見込めます。また、アクセス過多によるサーバーの負荷も分散できます。
・コストダウンが期待できる
ハイブリッドクラウドを上手に利用すれば、コストダウンが望めます。例えば、クラウドのストレージは格納するデータ量によってコストがかかりますが、機密情報やデータ量が多いものについてはオンプレミスに配置することでコストを抑えられます。
デメリット
ハイブリッドクラウドのデメリットは、以下の点が挙げられます。
クラウドで運用する部分はカスタマイズ性が比較的低い
コスト計算が難しい
・クラウドで運用する部分はカスタマイズ性が比較的低い
クラウドを利用して運用するシステムでは、カスタマイズ性が低くなります。そのため、独自システムはオンプレミスで運用するなど仕様に応じて構築することが大切です。
・コスト計算が難しい
次に、コスト計算が難しい点が挙げられます。運用方法を間違ってしまうと利用状況によって日々の運用コストが大きく変わり、計算が難しくなってしまうため注意が必要です。
例えば、頻繁に利用しリソースも多く消費するシステムはオンプレミス、逆に利用頻度が少ない、もしくは一定のリソースを必要とするものはクラウドに配置すると、コスト計算が楽になります。
ハイブリッドクラウドがオンプレミスとクラウド両方を利用するのに対し、マルチクラウドとは、事業者が異なる複数のクラウドサービスを利用することをいいます。例えば、AWSとMicrosoft Azureの両方を併用して利用する構成です。
マルチクラウド構成のメリットは、特定のクラウドサービスに依存することがなく、リスク分散が行える点です。ひとつのクラウドサービスだけを利用していた場合、障害が発生すると復旧するまでシステムが利用できなくなります。マルチクラウドでシステムを分散しておくと、障害の影響を抑えることができます。
ただし、クラウドサービスによって運用方法が異なるため、運用が複雑になるという点には注意が必要です。それぞれのクラウドサービスに精通した担当者を配備しておく、などの対応を行うとよいでしょう。
モニタリング機能をどうするか。
クラウド環境とオンプレミス環境をまとめて監視。
複雑化したハイブリッドクラウド環境を簡単に一元管理できます。
クラウド環境とオンプレミス環境をまとめて監視するには、次のような方法があります。
JP1のオブザーバビリティ:オンプレミス、マルチクラウドなどのハイブリッド環境をまとめて監視できます。仮想化や冗長化などを含め、環境の全体構成を一元管理し、稼働状況やパフォーマンスを可視化できます。
Azure Monitor:クラウド環境とオンプレミス環境からの監視データを収集・分析し、アプリケーションやサービスの可用性とパフォーマンスを最大化できます。複数のAzureやAzure以外のサブスクリプションとテナントにわたってデータを収集・集計し、一般的なデータプラットフォームに格納します。
統合監視とは、複数の異なる環境やシステムを一つの管理画面やフレームワークで制御することを指します
統合監視の目的は、ITリソースやITインフラの一元管理・運用です。
統合監視サービスの特性上、主要な機器・ソフトウェアにはおおむね対応していることが想定されます。しかし、業界や顧客の要望によっては、IoTやネットワーク機器で特殊なハードウェアに加えて、M365などのクラウドサービスも監視しなければならない可能性も考えられます。
自社の監視対象について統合監視ツールが十分にカバーできるかどうかは、最優先に確認するべき項目です。
ドキュメント上で監視対象に含まれていなくても、何かしら監視する方法のワークアラウンドの用意や、今後対象に追加される予定の可能性も考えられます。
比較を行う際には、統合監視サービスの提供元に問い合わせるなどして、監視ツールの対象範囲を確認しましょう。
監視を行う仕組みは、大きくエージェント型とエージェントレス型に分けられます。
エージェント型のツールでは、データ収集のためのアプリケーション(エ―ジェント)を各監視対象にインストールして、監視ツールの管理側にデータを送信します。そのため、監視対象の数に比例して初期導入・運用管理コストが増加する点に注意が必要です。
一方、エージェントレス型では、アプリケーション(エ―ジェント)のインストールが不要です。さまざまな通信プロトコルを用いて、監視対象のデータを監視ツールの管理側に送信します。エージェント型に比べて、初期導入・運用管理コストが少なく、監視対象範囲や領域の拡大・拡張にも柔軟な対応を行える点がメリットです。
エージェント型またはエージェントレス型のいずれにせよ、監視対象からのデータ収集には初期導入・運用管理の作業が必要になります。監視ツールがエージェント型とエージェントレス型のどちらに対応しているかは、必ず確認しましょう。
ITリソースやITインフラの監視業務は、部署・部門単位で行うなど、必ずしも一つの組織が行うとは限りません。加えて、監視業務を外注している場合、外注先の企業と発注元のユーザー企業で、運用ツールを共有するケースも考えられます。
このような課題を解決する仕組みがマルチテナント(マルチアカウント)です。
マルチテナントは、複数のユーザーが、同一のシステムやサービスを、ユーザーの権限役割に応じて、閲覧のみなど限定したアクセス権を付与しながら、共有して利用できる仕組みです。
例えば、運用側の管理者とユーザーに大別できますが、ユーザーは、部門責任者から一般社員や派遣社員などさまざまです。部門責任者には、部門で利用しているITリソースをすべて編集・閲覧できる権限を与え、外部の派遣社員には、特定業務に関連する必要最小限のリソース閲覧に限定して権限を付与するなどが挙げられます。
一方、マルチテナントの機能がなく、顧客や組織内の部門単位で都度契約していると、その分の運用管理工数や費用も膨れ上がるだけでなく、横断組織の運用担当者が契約毎に異なる管理画面を行き来しなければなりません。
1つの管理画面内で組織の形に合わせて柔軟な導入ができるかどうかは、組織規模が大きい企業では重要な観点です。
監視業務には定型化されたプロセスが少なくありません。監視対象の新規追加によるエージェントのインストール作業や、定期的な監視運用レポートの生成など、決まった手順に沿って業務が行われます。
このような業務では、システム手順をプログラムコードとして記述するか、監視ツールの機能を活用することで、一連の作業を自動化できる可能性があります。監視業務の自動化は、運用管理担当者の業務負荷軽減だけでなく、人的な判断ミスの軽減にもつながります。
統合監視ツールでは、ツール毎に自動化できるプロセスが異なるため、社内で頻繁に発生するプロセスを自動化できるかは大事な検討ポイントと言えます。
統合監視ツールは、その特性上、従来のサーバー・ネットワーク監視ツールよりも監視対象や管理領域も幅広いため、多くの専門知識が求められます。
基本的な機能は画面上で直感的に理解し、不明な点はWeb上のサポート情報から把握することもできますが、それだけでは企業毎の細かなユースケースまで網羅できません。
そのため、サービス提供業者のテクニカルサポートは重要です。
電話・メール・チャットでサポートをしているサービスもあれば、定期的なミーティングで手厚いサポートを行うサービスもあります。テクニカルサポートを受けられる時間帯や言語、返信までの時間などのサポート体制やSLAについても、サービス毎に方針が異なります。サポートが有償サービスとして提供されることもあるので、導入時にサポート体制やSLAについて確認を行いましょう。
統合監視は、複雑化・肥大化が進む監視業務を俯瞰的にワンストップで管理できるツールです。現在では、複数の統合監視ツールが提供されていますので、自社の要件に合致した統合監視ツールを選択しましょう。
LogicMonitorは、エージェントレス型のIT運用統合監視ツールとして、2,000社以上の導入実績を持ちます。
統合されたオブザーバビリティをコンセプトに、正常監視から異常検知・問題発見まで一貫して監視業務を支援し、一元的に管理・運用できます。効率的かつ自動化を前提とした監視業務を実現する上でも、ぜひ比較検討いただければと思います。
Azure Monitor は、クラウド環境とオンプレミス環境からの監視データを収集し、分析し、それに対応するための包括的な監視ソリューションです。