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日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

「伝統」を守ること

2016-12-13 13:03:08 | 活動方針

私は「伝統」を大切にしています。

日大豊山水泳部には永きにわたる栄光の歴史がありますが、その伝統をこれからも守っていきたいと考えています。

伝統を守っていくことの大切さは、先人の知恵から学びました。

それを教えてくれた書物を紹介したいと思います。

まずは、『知性の構造』(西部邁 ハルキ文庫)です。

この本は物事に対する考え方を構造としてとらえ、85点の図で説明したものです。

例えば私が物事を考えるときによく思い浮かべるのが下記の図です。

この図は、真理を探索する際の思考の構造を示したものです。

信仰・感情・論理・懐疑という四種類の徳とその過剰の状態を示しています。

信仰が過剰になると狂信となり、感情が過剰になると衝動となり、論理が過剰になると打算となり、懐疑が過剰になると虚無に陥るというわけです。

また、衝動は感情を薄めることで抑えられるのではなく、論理の力を強化することで抑制することができるということがこの図によって一目瞭然というわけです。

著者のキーワードである「平衡」(バランス)は、信仰・感情・論理・懐疑という四種類の徳に立脚しつつ、それらの間に含まれる矛盾を解決していこうとする無限の過程のなかから真理は見出されるというわけです。

これが「伝統」とどういう関係があるかというと、虚偽である過剰な状態を防ぎ、物事の「平衡」を保とうとする働きをもたらすために必要なのが「伝統の知恵」に秘められているということです。

私たちの人生は常に矛盾と葛藤に満ちており、不安定な状態にあります。

長い人類の歴史を考えても安定していた時代などはほとんどなく、一人ひとりの人生はその大きな時代のうねりの中に翻弄されているといってもよいです。

嵐の大海原にただよう小船をイメージしていただければよいかと思います。

その不安定な状態にある私たちの人生を安定させるのは個人の知性にあるのではなく、先人の知恵が蓄積した伝統にありというわけです。

「伝統」は長い持続によって相続されてきた「精神の形式」といえます。

形式は「ルール」や「あり方」、「形」、「型」などというようにしかいえないものですが、それは具体的なものに込められています。

その具体的なものは長く続けられてきた「慣習」といえるものです。

日大豊山水泳部が慣習だとしたら、そこに受け継がれてきた「55の教え」(水泳部HP参照)が伝統だということになります。

何だか難しい話になってしまいましたが、日大豊山水泳部があってはじめて教えが受け継がれ、生徒への教育に生かされるというわけです。

日大豊山水泳部はオリンピック選手の育成だけでなく、泳力に関係なく上下関係や礼儀、水泳を通した体力増進、友人とのつながりなど「日大豊山水泳部のあり方」を受け継いでいます。

現在は私が日大豊山水泳部の監督として現場を担当していますが、今後も「日大豊山水泳部のあり方」を後進に引き継がなければならないと考えています。

「伝統」は先人から伝えられた知恵であり、それを守っていくことで現在から将来にわたって安定した教育を受け継いでいくことができるわけです。

次回からはもう少し具体的に伝統を守ることの意味や大切さを掘り下げて紹介したいと思います。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私の練習メニュー作成「七つ道具」

2016-12-07 12:33:55 | 活動方針

今回は、私(竹村)が練習メニューを作成する際に使用している「七つ道具」を紹介いたします。

1、鉛筆

2、消しゴム

3、定規

4、小刀

5、白紙

6、鉛筆ホルダー

7、週間練習計画用紙

現在、ほとんどの水泳コーチはパソコンで練習メニューを作成し、管理していることと思います。

しかし私は長年、手書きにこだわっています。

その理由はいくつかあります。

①精神を注入するため。

手書きにこだわる一番の理由は、精神を注入するためです。

選手に強くなってもらいたいという気持ちを込めて練習メニューを作成しますが、手で書いてその思いをメニューに入れるわけです。

練習はきついかもしれませんが、作成する方も気軽な気持ちできついメニューを出しているわけではありません。

その思いを選手に伝えるには手書きがよいと私は考えています。

②いつでもどこでも練習メニューの作成ができるため。

水泳の指導者となって以来、ほとんど毎日、常に練習メニューのことを考えています。

練習の計画は、春と夏の大きな大会に向けて月間や週間でおおまかに考えますが、具体的な一日のメニューは前日の練習を見てから考えます。

一週間分を事前に考えても、当日になるとやはり変えたほうが良いという部分が出てきます。

そうすると、どこにいても紙と鉛筆さえあれば練習メニューが作成できるようにしておく方が都合がよいです。

③白紙であれば、枠にとらわれずどのような書き方もできるため。

パソコンのエクセルであると、どうしても練習メニューの作成の仕方に制約が出てしまうように思います。

それが白紙であればどのような書き方も可能であり、ストレスもありません。

④手を動かしながら考えたほうがよりよい考えが生まれるため。

私の場合は頭に思い浮かべるだけでなく、手を動かしながら考えたほうが、よりよい考えが浮かぶような気がしています。

そこでなぜ鉛筆なのかというと、鉛筆はシャーペンに比べて軽く、芯の不足や故障の心配などもないからです。

愛用しているのはUNIの鉛筆です。

UNIは他社に比べて木の部分が固く、デザインも重みがあるため気に入っています。

また、私はかなり短くなっても使用し続けるため、鉛筆ホルダーもかかせません。

写真は私の精神を注入する闘いを終えた鉛筆の姿です。

 

鉛筆ホルダーはUNI特製のもので、とても大切にしています。

さらに鉛筆を削るための道具は、「肥後守」(ひごのかみ)という小刀です。

これは三木特産の刃物で、明治27年より現在までナイフ製造一筋に努めてきた四代目の職人による切れ味豊かなナイフです。

昔の少年たちは皆が持っていたそうです。

この刃物で鉛筆を削りながら心を落ち着かせて、練習メニューを作成するというのが私の日課になっています。

難点は「保存」でしょうか。

写真は私の精神が注入された膨大な量の練習メニューです。

私の「七つ道具」は、練習メニューに精神を注入し、作成をストレスなくスムーズにしてくれます。

「七つ道具」を使ってこれからも毎日、強い選手になってもらいたいという気持ちを込めて練習メニューを作成し続けるのです。

今日も、明日も、明後日も…。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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陸上トレーニング 補強トレーニング編

2016-11-19 07:54:01 | 活動方針

陸上トレーニング編の最後に、練習前に日常的に行っている補強トレーニングを紹介します。

現在、水泳練習の前は体操後に腹筋や腕立て、スクワット、スタビライゼーション、チューブなどの補強練習を行っています。

一番手前でジャンプしているのは、中学1年生で最近急成長中の北川君です。

なかなか跳んでますね。

これは筋力や体力強化という面もありますが、主な目的は水中練習に入る前に身体を温めるために行うための準備運動です。

十数年前、水泳練習の前に行っていたのはストレッチでした。

しかし、近年は練習前に関節を緩めて筋肉を伸ばすよりも、身体を温めたほうがより効果的であるという考えから補強トレーニングを行っています。

体操は体育の授業でも行っている豊山体操で、腹筋や腕立て、スクワットはごく基本的な動作で行います。

スタビライゼーションは身体を安定させるために行うもので、一つの姿勢を一定時間保持するものです。

チューブは故障しやすい肩のインナーマッスルを鍛えるために行っているトレーニングです。

いつも選手に伝えることですが、水泳練習前の準備をしっかりと行うことは大変重要なことです。

補強は大変地味な練習ですが、故障の予防や水泳の練習に集中するための準備にどれだけ意識して取り組めるか、ということは長く選手生活を続けていくためにとても大切なことです。

強くなる選手は水泳練習前の準備を汗をかくほどにしっかりと行っています。

そして、練習後はストレッチや栄養補給など身体のケアも欠かしません。

その結果として大会では良い成果を出すことができ、レベルの高い競泳選手として長く続けていくことができるのです。

選手生活を続けていく中で、疲労や故障は常につきものです。

まずはそれをいかに予防するかということが重要であり、かりに故障をしたとしてもすぐに直して練習に復帰することが大切です。

そのために補強による準備や練習後のコンディショニングは、水泳の練習と同じくらい大切なことなのです。

このことはどのような競技にもあてはまることであり、準備をしっかり行うことは強い選手に共通していることであると考えています。

準備を入念に行うことの大切さはスポーツだけではなく、学習や仕事にも通じることです。

長い期間にわたり高い実績を残している選手は、学習の面でもたいてい良い成績を収めているものです。

あらゆる点において「自己管理」がしっかりできている選手が一流選手、一流の人物だということです。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

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