2月に発売された、高倉健さんの追悼本「高倉健1956-2014」です。
親しかった人たちが、高倉健さんとの思い出を語ります。(文芸春秋 1,300円)
国谷裕子「NHKクローズアップ現代」キャスター
高倉さんが一人でタクシーに乗って現れた光景は今でも鮮明に覚えている。
タクシーを降りると直立不動の体勢から深々と頭を下げ「高倉健です」と丁寧に挨拶された。
大スターのあまりの腰の低さに、番組スタッフは圧倒された。
…それでも黙っていると話を続け始めた 答え しばらく黙りそしてまた語る。
テレビの収録で沈黙の時間はキャスターとしてとても怖い
間が空くということは上手くいっていないこと
なんとか埋めなくてはという強迫観念がある
だからこの17秒という長い沈黙は、私にとって初めての経験だった「2001年5月17日放送」
「国谷様くれぐれもご自愛くださり、悔いない仕事をお続け下さい」
高倉さんからいただた最後の手紙は、こう締めくくられていた。
亡くなられた今、「悔いない仕事」という言葉が深く胸に響く。
写真は資料