2007年3月10日 乙妻山
5時55分。
戸隠大橋の駐車場を出発。
林道の雪は少ないものの出発からずっとシールで歩行が可能。
昨日のものと思われるトレースが1本ついているのでレールに乗っかる。
放射冷却で気温が下がったようだ。手元の温度計で-14℃。
鼻の先がつーんと痛い。
西の空に寒々しい月
東の空からは赤い太陽が顔を出した
6時30分。
黒姫山方面との分岐で左手に進路を取り、コンクリートの橋を渡った先でトレースが尾根に取り付いていた。前方に赤テープも確認できたのでそのままトレースを辿ったが、これが間違い。実はこのトレースは佐渡山へのルートなのだが、間違いに気付かずそのまま尾根を登ってしまった。
7時25分。
間違いに気付いた後、標高1,640m付近で氷沢川方面へトラバース開始。そのまま右岸を下れば北東斜面との出合地点で徒渉できるだろうと思いトラバースを続けたがこれも失敗。崖に阻まれるなど合計4回の徒渉を要し、うち2回は川床をバシャバシャとブーツで渡る羽目になった。
初めての山に先達はあらまほしきものなり…
トラバースの途中。青空に映える高妻山。
こんな川幅を2回渡渉。ブーツの中まで浸水…
8時30分。
北東斜面の入り口である1,400m地点に到達。
ルート誤りと徒渉地点探しで時間と体力を消耗してしまった。
ここから900mも登らなければならないのに。
今日は山頂に立てずに引き返すことになるかもと弱音を吐く自分。
9時15分。籔を抜けて乙妻山北東斜面を見渡す。
意外と斜面には籔が多い。
出発してから初めてゆっくり腰を下ろして休憩。
北東斜面はのっぺりした1枚バーンというよりは、小さな起伏が組み合わさった印象。
初めての僕はどこにトレースをつければよいのかよく分からない。
雪は新たな積雪が5~10cm程度。数日前の降雨?で粗く氷化した上に空気を含んだフワフワの雪が乗っている状態。斜度が緩ければ何の問題もないが、傾斜が強くなると板がズルズル横滑りして非常に歩きにくい。何度もズリ落ちてはバランスを崩す。
標高1,900mの壁を乗り越えるとダケカンバの優しげな斜面。
肩で息をしながら写真を撮る。じっくり構図を考える余裕は…無い。
10時30分頃、先程まで青かった空の色に陰りが。
気圧の谷がもう近づいているのか、薄い青が次第に灰色に変わってゆく。
振り返れば妙高山。上空はあっという間にミルキーな雲に覆われた。
標高2,000mを越えるといよいよ稜線が近く見えるが、どこから乗り越えればよいのか分からない。高妻山とのコルが遠く思えたので、そのまま乙妻山寄りに稜線を窺う。最後は板を脱いでキックステップ。雪庇の無い場所を探して稜線に立った。
(雪が少なく雪庇が発達していなかったので良かったですが、やはりコルに廻った方が賢明だった気がします。)
11時15分。やっとの思いで稜線に出た。
高妻山のピラミッドがかっこいい。
稜線上は西から強い風が吹いていた。
とにかく山頂を目指して最後の喘ぎ。
11時23分。乙妻山山頂。
山頂は一段と風が強く、じっとしていられない。
吹き曝しの中では昼食も滑降の準備も出来ないので山頂に居たのは10分弱。
景色を眺めて写真を撮っただけですぐに引き返した。
今日一番の展望は焼山・火打の山なみ!
白馬連峰もよく見えるのだが。強風に顔が歪む。じっくり眺める余裕ナシ…
コルに向かっていると、高妻山方面からパーティが登ってきていた。
尾根ルートで登って来られたとのこと。
12時00分。
コルから滑降開始。
雪はフカフカパウダーだが、その下にガリガリのザラメが隠れているので時々板が氷に引っ掛かって滑りにくい。
コルからの滑り。表面の雪はフカフカパウダー。
緩急繰り返す斜面はいろいろコースを選べて楽しい…のかもしれない。
今日は滑りを楽しむゆとりがなかった。
時々歓声を上げるも、納得のいかないターンで高度を下げてゆく。
滑り終えてブナの大木に寄り添う。やっと気持ちに余裕が出てきた。
12時40分。標高1,400m地点。
シールを装着して佐渡山のコルまで登り返し。
氷沢川左岸にしっかりとしたトレースがついているのでこれを辿る。
1箇所崖の上を上手く高巻けば、何の問題もなく進むことが出来る!
高妻山東側の谷も雪で埋まっており、徒渉はその先の佐渡山のコル寄りに1箇所のみ。ここもかろうじて雪が繋がっていてスキーを履いたまま渡れた。
13時55分。佐渡山のコル。
ここでスキーを履いて「正規」の尾根を滑る。雪は少なく籔がうるさいが林道まで滑ってこられた。板はまた傷を負ったかも…
あとは林道を直滑降で一直線。
14時20分。戸隠大橋駐車場に無事到着した。
下山した頃には雲は取れて再び青空が…
何かにつけてうまくいかない1日だ。
まぁ、無事に下山できることが一番です。
山にはまた登りに来なさいということか。
窓の向こうに戸隠を眺め、蕎麦をすすりながら思った。
5時55分。
戸隠大橋の駐車場を出発。
林道の雪は少ないものの出発からずっとシールで歩行が可能。
昨日のものと思われるトレースが1本ついているのでレールに乗っかる。
放射冷却で気温が下がったようだ。手元の温度計で-14℃。
鼻の先がつーんと痛い。
西の空に寒々しい月
東の空からは赤い太陽が顔を出した
6時30分。
黒姫山方面との分岐で左手に進路を取り、コンクリートの橋を渡った先でトレースが尾根に取り付いていた。前方に赤テープも確認できたのでそのままトレースを辿ったが、これが間違い。実はこのトレースは佐渡山へのルートなのだが、間違いに気付かずそのまま尾根を登ってしまった。
7時25分。
間違いに気付いた後、標高1,640m付近で氷沢川方面へトラバース開始。そのまま右岸を下れば北東斜面との出合地点で徒渉できるだろうと思いトラバースを続けたがこれも失敗。崖に阻まれるなど合計4回の徒渉を要し、うち2回は川床をバシャバシャとブーツで渡る羽目になった。
初めての山に先達はあらまほしきものなり…
トラバースの途中。青空に映える高妻山。
こんな川幅を2回渡渉。ブーツの中まで浸水…
8時30分。
北東斜面の入り口である1,400m地点に到達。
ルート誤りと徒渉地点探しで時間と体力を消耗してしまった。
ここから900mも登らなければならないのに。
今日は山頂に立てずに引き返すことになるかもと弱音を吐く自分。
9時15分。籔を抜けて乙妻山北東斜面を見渡す。
意外と斜面には籔が多い。
出発してから初めてゆっくり腰を下ろして休憩。
北東斜面はのっぺりした1枚バーンというよりは、小さな起伏が組み合わさった印象。
初めての僕はどこにトレースをつければよいのかよく分からない。
雪は新たな積雪が5~10cm程度。数日前の降雨?で粗く氷化した上に空気を含んだフワフワの雪が乗っている状態。斜度が緩ければ何の問題もないが、傾斜が強くなると板がズルズル横滑りして非常に歩きにくい。何度もズリ落ちてはバランスを崩す。
標高1,900mの壁を乗り越えるとダケカンバの優しげな斜面。
肩で息をしながら写真を撮る。じっくり構図を考える余裕は…無い。
10時30分頃、先程まで青かった空の色に陰りが。
気圧の谷がもう近づいているのか、薄い青が次第に灰色に変わってゆく。
振り返れば妙高山。上空はあっという間にミルキーな雲に覆われた。
標高2,000mを越えるといよいよ稜線が近く見えるが、どこから乗り越えればよいのか分からない。高妻山とのコルが遠く思えたので、そのまま乙妻山寄りに稜線を窺う。最後は板を脱いでキックステップ。雪庇の無い場所を探して稜線に立った。
(雪が少なく雪庇が発達していなかったので良かったですが、やはりコルに廻った方が賢明だった気がします。)
11時15分。やっとの思いで稜線に出た。
高妻山のピラミッドがかっこいい。
稜線上は西から強い風が吹いていた。
とにかく山頂を目指して最後の喘ぎ。
11時23分。乙妻山山頂。
山頂は一段と風が強く、じっとしていられない。
吹き曝しの中では昼食も滑降の準備も出来ないので山頂に居たのは10分弱。
景色を眺めて写真を撮っただけですぐに引き返した。
今日一番の展望は焼山・火打の山なみ!
白馬連峰もよく見えるのだが。強風に顔が歪む。じっくり眺める余裕ナシ…
コルに向かっていると、高妻山方面からパーティが登ってきていた。
尾根ルートで登って来られたとのこと。
12時00分。
コルから滑降開始。
雪はフカフカパウダーだが、その下にガリガリのザラメが隠れているので時々板が氷に引っ掛かって滑りにくい。
コルからの滑り。表面の雪はフカフカパウダー。
緩急繰り返す斜面はいろいろコースを選べて楽しい…のかもしれない。
今日は滑りを楽しむゆとりがなかった。
時々歓声を上げるも、納得のいかないターンで高度を下げてゆく。
滑り終えてブナの大木に寄り添う。やっと気持ちに余裕が出てきた。
12時40分。標高1,400m地点。
シールを装着して佐渡山のコルまで登り返し。
氷沢川左岸にしっかりとしたトレースがついているのでこれを辿る。
1箇所崖の上を上手く高巻けば、何の問題もなく進むことが出来る!
高妻山東側の谷も雪で埋まっており、徒渉はその先の佐渡山のコル寄りに1箇所のみ。ここもかろうじて雪が繋がっていてスキーを履いたまま渡れた。
13時55分。佐渡山のコル。
ここでスキーを履いて「正規」の尾根を滑る。雪は少なく籔がうるさいが林道まで滑ってこられた。板はまた傷を負ったかも…
あとは林道を直滑降で一直線。
14時20分。戸隠大橋駐車場に無事到着した。
下山した頃には雲は取れて再び青空が…
何かにつけてうまくいかない1日だ。
まぁ、無事に下山できることが一番です。
山にはまた登りに来なさいということか。
窓の向こうに戸隠を眺め、蕎麦をすすりながら思った。
高校でラッセルしてたんだ。さすが伝統の?山岳部。僕のラッセルデビューは3年前くらいかなぁ。ドカ雪の御在所で楽しかったぁ~。
>ヒデさん
ビックリしました。お怪我なかったようで何よりです。
僕のスタッドレスも4年目なので気をつけたいと思います。
今回の雪でスキーを楽しめる時期が少し長くなったようですね。次のスキーレポ楽しみにしてますね。
いいなあ~。一度行ってみたい山の候補です。
天気も良かったみたいだし。最高でしたね。
僕は月曜日に激パウを味わうために出かけたのですが事故ってしまいスゴスゴ引き帰してきました。
最近リフト利用山行が続いていたので今回はハードでした。乙妻山はロングなので天候や積雪によって条件が大きく変わるんでしょうね。比較的好条件に恵まれて無事登ることができて良かったです。
山はなめると痛い目に遭いますが、日常生活では体験出来ないことも多く、魅力は尽きないですね。飽きません飽きません。
登頂やりましたね。コルからのシュプール、かっこいい~です。
また、厳冬期に戻りましたね。ちょっぴり、シーズンが伸びるかもしれません。それにしても、山はいつも、新たな試練を与えますね。でもこれが、山の奥深いところで、飽きない所以なのでしょうか(←まじめすぎ? でもたまには・・・)。
地図で見たのですが、ルートはちょっと複雑そうですね。上級者向け?でも、佐渡山や三田原などこの山域とても魅力的ですね。