元サラリーマンの植物ウォッチング第5弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part5
センダン・3~開花
私は落語が好きで、それも聞くだけではなく読むことも多い。高校生の頃、興津要編の『古典落語(全6巻)』(講談社文庫)や、落語協会編の『古典落語(全11巻)』(角川文庫)が受験参考書と共に本棚に並んでいた。今年1月に発刊された山本一力著の『落語小説集 芝浜』(小学館文庫)の中に“百年目”があるが、その話に栴檀と南縁草のくだりがあるので紹介しておこう。
芸者遊びを見つかった大店の番頭にその店の旦那(主人)が優しく話す。
『五天竺のひとつの南天竺には栴檀という立派な木が植わっている。その周りには南縁草(なんえんそう)という名の汚い草が生えている。高貴な香りを放つ栴檀とはまるで釣り合わない。そう思った者が南縁草をすべて刈り取ってしまった。南縁草が無くなると栴檀も枯れた。汚く見えていた南縁草は実は栴檀にとってかけがえのない相手だった。栴檀は葉に溜まった雨水を垂らし南縁草を潤し、南縁草はそのお返しに養分を栴檀の根に送り込んでいたのだ。
無駄に見えるものでも実は大切な役割がある。持ちつ持たれつの間柄が上手くいってこそ初めて繁栄という果実が稔る。うちで言えば私が栴檀でお前が南縁草だ。店で言えば今度はお前が栴檀で、手代、小僧が南縁草ということだ。栴檀と南縁草はどちらが欠けても繁栄は無くなる。その間柄の大切さを常に忘れないために、栴檀の檀と南縁草の南を合わせて、檀南(だんなん)と呼んでいた。それがいつしか短く詰められて“旦那”と呼ばれるようになった(諸説あります)。云々』
となってサゲに続く。
写真は長池公園の尾根幹線口付近で見られる「センダン(栴檀)」。センダン科センダン属の落葉高木だが、話に出てくる香りの良い“栴檀”は“白檀”のことでこの樹ではない。また上記の“南縁草”が何の草かは調べたがわからなかった。
落語ついでに、以前、私が創作した落語『ナガバノスミレサイシン』をリンクしておこう。お好きな方でお時間があればお付き合いのほどを。
芸者遊びを見つかった大店の番頭にその店の旦那(主人)が優しく話す。
『五天竺のひとつの南天竺には栴檀という立派な木が植わっている。その周りには南縁草(なんえんそう)という名の汚い草が生えている。高貴な香りを放つ栴檀とはまるで釣り合わない。そう思った者が南縁草をすべて刈り取ってしまった。南縁草が無くなると栴檀も枯れた。汚く見えていた南縁草は実は栴檀にとってかけがえのない相手だった。栴檀は葉に溜まった雨水を垂らし南縁草を潤し、南縁草はそのお返しに養分を栴檀の根に送り込んでいたのだ。
無駄に見えるものでも実は大切な役割がある。持ちつ持たれつの間柄が上手くいってこそ初めて繁栄という果実が稔る。うちで言えば私が栴檀でお前が南縁草だ。店で言えば今度はお前が栴檀で、手代、小僧が南縁草ということだ。栴檀と南縁草はどちらが欠けても繁栄は無くなる。その間柄の大切さを常に忘れないために、栴檀の檀と南縁草の南を合わせて、檀南(だんなん)と呼んでいた。それがいつしか短く詰められて“旦那”と呼ばれるようになった(諸説あります)。云々』
となってサゲに続く。
写真は長池公園の尾根幹線口付近で見られる「センダン(栴檀)」。センダン科センダン属の落葉高木だが、話に出てくる香りの良い“栴檀”は“白檀”のことでこの樹ではない。また上記の“南縁草”が何の草かは調べたがわからなかった。
落語ついでに、以前、私が創作した落語『ナガバノスミレサイシン』をリンクしておこう。お好きな方でお時間があればお付き合いのほどを。
コメント ( 18 ) | Trackback ( 0 )
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私も落語は好きで、若い頃はカセットテープにとったりしてよく聞いたものです。
今もテープは残っていますが、今は聞く事も無いですね。
栴檀は我が町の至る所に植えられています。
時期的には、もう葉が茂って花は見当たりませんが、実は小鳥たちの餌になったりしています。
むしろ現代人の方が直接必要なもの以外邪魔だと根こそぎ排除して却って収穫を減少させているんでしょうか。
センダンはこの時期あちこちで見られますが高木で花に手が届かず
複雑な仕組みの花なので間近で見てみたいです。
創作落語も拝読しました、私はその内視鏡制作販売会社のOBで、光る壁画の終わりのころに入社したという次第です。
栴檀から旦那へと通ずる話が興味深い。
落語からかぁと..
栴檀は見たことはあると思うのですが、
こちらにしましてこれだよと言うのが
できません。
さて、創作落語ちょいと..
おはようございます
”旦那”の語源は、こういうことでしたか
大変勉強になりました
今年は、この花を見るのに4~5回通いました
こちらでは、毎年GWの頃に開花するので
今年は暑かったこともあり、4月末から出掛けましたが
5月中旬にやっと出会えることができました
旦那の語源が分かりました。面白かったですぅ~
持ちつもたれつ・・・
名前の由来まで入っているとは!
ナガバノスミレサイシンにつながり更には体験からの鼻から管を入れての検査までに!
そのお話は覚えています~
鼻からだと楽なんだ!ってそのとき知りました。
おじいちゃんが好きでラジオからよく流れて
いました。
まだ、テレビがない時代でした。
今回も「檀南⇒ 旦那」の下りも興味深いですね。
近くにセンダンが5本はあるんですが、高木なので
美しい花なのに…中々接写が難しいです。
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