O'kashira

うだうだ

そんなこと聞くか?

2011-01-20 21:26:37 | 横浜の空の下
 用事をすませ駅からバスに乗った。僕は一人掛けの椅子に座った。後ろの席は二人掛け、その通路側におばさんが座った。おばさんよりおばあ、いや、ばあさんと言った方がいいような人だった。出発を待つ間に立ち席もいっぱいになった。
 するとそのばあさん、すぐそばにいたおじさんに、「どうぞここに座ってください」と肩を叩いた。そのおじさんは振り向いていかにも機嫌が悪そうに「いいです、座りたければ次のバスを待てばいいのだから」とけんもほろろに断った。ばあさんはさらに「向こうの方、あなたの前の方はどうですか」。そのおじいさんも「結構です」と断った。
 そりゃあそうだろう、座っているばあさんより立っているおじさんの方が見るからに若々しく、颯爽としている。
 バスは走りはじめた。僕は昨日買った新書判の本を読みはじめた。5分ほどすると後ろからやや大きな声がした。あのばあさんの声だ。それも僕に言っているようだ。なにを言っているのか瞬時には判断できなかった。「はぁ?」と聞き直すと「誰の書いた本を読んでいるのですか?」と聞いているようだった。まわりに本を読んでいる人はいない。この質問はまさしく僕への質問だった。
 長いこと生きているが、電車やバスの中でその本は何だと聞かれたのは初めてだ。なぜそんなことを聞くのだろう、後ろの席からのぞき込み、盗み読んでいたのだろうか。そんなに目がいいはずはない。
 さて答えに困った。なぜならこの本の書名をこの場で言うのはちょっとはばかれる本だったからである。おまけにまわりに立っているのは学校帰りの女子高生ばかり。
 どうせばあさんにはわかりゃしないのだから「ニーチェとかボーボワール」とでも言っておけばよかったのだが、とっさにニーチェもボーボワールもリルケもハイネも出ては来なかった。
 仕方なく「そんなことどうでもいいじゃないですか」と間の抜けた返事をした。、今考えれば振り向いてアカンベェでもすればよかったと後悔している。
 停留所で「ヨッコラショ」と言いながら降りて行った。
 僕はうちへ帰り持っていた本のカバーに「ニーチェとかボーボワール」と書いた。

でもこの本の本当の書名は・・・。

 これじゃあ大きな声で言えないわなぁ。
 

雪の田んぼ

2011-01-18 17:54:02 | TKO Gazett
あいにく、田んぼに行くと決めた日の前々日、大雪が降ってしまった。

棚田は真っ白、なかなかいい眺めだ。

1日かけ用事をすませ田んぼへ戻ると日向の雪は消えかけていた。

田んぼのまわりの木々は今や遅しと春の準備をしていた。


また質問です

2011-01-13 13:25:28 | 横浜の空の下
質問です。え~っ、またかよ。

これは何でしょう、簡単です。
三択ではありません。







スクロールして次の写真を見ようとしてはダメです。





ギブアップですか?では次の写真に進んでください。


はい、わかりましたね。そうです、箸です。僕の麺類専用の箸です。
でも途中で色が変わっています。箸を接いだのです。


 箸を接ぐなんて聞いたことがないでしょうね。
 そもそもこの箸、20年以上前(むかしブログに書いたかな?)西表島の無人のビーチでキャンプをしたとき、浜にうち上がっていた舟のマストのような木から削りだして作ったもの。先端を四角く削り、そば専用にした。ところが先日我が愛犬がガブリとやり片方が1センチも短くなってしまった。
 もうこの箸はこれまでかと思ったが、削り直せばいい、短くなったら接げばいいと思い、アメリカひのきを接ぎ、竹串をダボにして接着した。できた。
 そういえば、西表で隣りで仏さまを掘っていた奴がいたけど、あいつはいったいどうしただろう。あのとき子供が死んだとかいっていたなあ。

臭い、汚い、傷んだ本

2011-01-11 16:00:14 | 横浜の空の下

 臭い、汚い、傷んだ本が9冊僕の部屋にやってきた。本当ならこのシリーズは12冊あるはずなのだがなぜか3冊はない。これらの本はいちばん若くて1946年生まれ。僕の生まれる数年前に発行されたもので、中には初版のものもある。
 表紙の裏(表二)の地図には買った人のサインが確認できる。60数年間英国、W.D.氏の本棚で眠っていたもの(たぶん)をロンドンの叔父が古書店から購入し、今回訪日したとき持ってきてくれた。
 これだけ時間がたつと本というものは軽くなるのか、見た目ほど重くないのにちょっとびっくりした。本来この本は、カバーがかかっているのだが、そんな形跡はまったくない。ぱらぱらとページを繰ると古い本の匂いというか、英国の古い家の匂いというか、臭い!その臭いのがいい。この匂いをかぎながら目をつむるとあの石造りの英国のシッティングルームが眼に浮かぶ。と言っても、僕の場合は田舎のB&Bのだが。
 そしてどうしてこの持ち主はこの本を売りに出したのだろう。あと3冊はどこへいったのだろう。持ち主が亡くなって息子があまりに汚いので売りに出したのか。この本たちの過去で大いに楽しんだ。
 本文中の挿絵に色鉛筆で彩色されているものもあった。
 この本たち、こんな遠くまで来るとは思ってもいなかっただろうな。



質問です

2011-01-08 22:04:01 | 食らうや食うや
突然ですが質問です。

いったいこれは何でしょう。
1、軽石
2、スポンジ
3、火山岩





スクロールして次の写真を見ようとしてはダメです。


ギブアップですか?では次の写真に進んでください。


これが全体の写真です。
直径は10センチほど、厚さ1センチ。もうおわかりですね。
食べ物です。食ではとかく話題になる英国で朝食、スナッ
クとして人気のあるクラシックな食品です。
Crumpet=クランペット、マフィンに似た食感だが、もっと
弾力があり塩味も強い。

片面だけを焼いて作られたこのパンケーキ(?)は、焼か
れていない片面に気泡がたくさんあり、これをトースター
で焼きバターをたっぷり塗りさらにマーマレード、蜂蜜な
どをかけいただく。
クランペットの塩味とマーマレードの甘さが口の中で混ざ
りあい、えも言われぬおいしさ。

もちろんジャージー種のミルクをたっぷり入れた濃いミル
クティがあう。今回はアイリッシュバターでいただいた。

最近、東京でもクランペットを食べさせる店があるとTVで
やっていたが、その値段を聞いてびっくりした。千円を超
えていたのだ。僕が英国で食べていたのは6個入って1ポ
ンドくらいだったと思う。つまり今なら1個20円くらい、
高い頃でも50円ほど。どうやると千円も取れるのだろうか。
そもそもこの食品、あまりアッパーの方の食べ物ではなく、
ごくごく庶民のもの。したがって僕はこれに千円はとても
出す気にならない。

レコードプレーヤーを掘り出す

2011-01-02 00:49:25 | 横浜の空の下
 何度か僕の部屋に来ている友人がいる。その友人が、
「O'Kashiraの部屋にレコードプレーヤーがあったよね」
と電話があった。よくもあのゴミばかりの部屋の中に埋もれていた
プレーヤーを見つけていたものだ。
 あるけどこの十年動かしたことがないし、その機械の前までどう
やって行くかが問題だった。でもいいチャンスだから大掃除をしよ
うとオーディオ付近をきれいにした。
 友人は4、5枚のレコードを抱えてやってきた。ターンテーブル
は回り、音は出た。なにやら新しいシステムの機械につなぎ録音し
て帰っていった。

 レコードのことなどまったく忘れていたが、まだ僕はレコードを
かなり持っている。100枚は下らないだろう。ざっと見てみたが、
なんでこんなものを持っているのかまったく記憶にないものがたく
さんあった。
 その中でも僕が生まれて初めて自分の小使いで買ったレコードが
まだあった。中学2年生のときに新宿のコタニのバーゲンで買った
ペリー・コモだ。スクラッチノイズは多いもののコモの甘いボイス
は変わらない。
 しかし中学2年でペリー・コモとは、こまっちゃくれたガキだ。
ちなみに2枚目はベ二ー・グッドマンだった。