カースティングの練習で多摩川の土手、タイイングの講習をへて、ついに実践をすべく管理釣り場へと出かけた。管理釣り場へ行くのは何十年ぶりのことだ。
梅雨の合間、釣りをするには天気が良すぎる日だった。到着したときにはすでに何人かの人がロッドを振っていた。その中の数人は、大きな岩の上に座り込みじっと流れを凝視していた。その視線の先にはゆっくりと水面を流れる赤いフロートがあった。まるでヘラブナ釣りだ。その向こうには何人かの若者が、半ズボンに草履履きというスタイルでルアーを振っていた。
ここは管理釣り場、通常の入漁料よりかなり高い料金を支払い、放流された魚を釣る施設。まあ、放流された魚を釣ることに関しては多くの一般河川とさほど違いはないのだが、ここでは魚の量が違う。その料金を払ってそれぞれが楽しんでいるのだから、どんな釣り方をしようが、どんな格好で釣ろうが、ルアーかフライで釣るというミニマムのルールさえ守っていれば自由なのだが、おじさんはどうも気に入らない。川に来るならそれなりの服装があるだろう。
フライフィッシングはどんと腰掛けてする釣りではなく、もっとアグレッシブな釣りじゃなかったのか?
そこでおじさんは、しっかりとフル装備したフィッシングベストを着て、オーセンティックなドライフライフィッシングに徹した。
午後激しい夕立があり、そのあとの濁りが入った流れには魚影がまったく見えず、ドライフライに飛び出す魚がいっそうエキサンティングに感じた。
やっぱり自然の川や、英国の川がいいなあ。