長電話

~自費出版のススメ~

サッカーは難しいスポーツ

2010-06-21 | スポーツ
ヨーロッパの強豪は決勝トーナメントにコンディションを合わせるのが体に染み付いているのか、軒並みちぐはぐな試合を演じ、日本がグループリーグ突破を伺うなど番狂わせの多い大会となっている今回のワールドカップ。

18回を重ねるこの大会で優勝しているのはアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、イタリア、フランス、西ドイツ、そしてイングランドと6ヵ国1地方しかない常任理事国状態でした。

しかし、流出により核保有国が増えNPT体制が揺れている世界の力関係同様、戦術・フォーメーションという知的な武器が小国にもほぼ浸透したことにより、(ブラジルを除く)サッカー大国の優位が崩れはじめていると捉えれば、今大会の1次リーグの波乱にも納得がいきます。

思えば8年前のWCでの韓国のベスト4、6年前のユーロでのギリシャが優勝が、天才のいない国の戦い方の見本となったのかもしれません。どちらもその国にフィットした戦術を採用し、人もボールも動くハードワークによって結果を残しました。

かつてのイタリアやスペイン、ポルトガルなら多少の誤審があったところで弱小国など個々の突破により殲滅する力を持っていましたが、そうはならない戦術の力を見せ付けられたのです。

ギリシャや韓国というスターのいない見慣れないチームが勝っていくと、なんとなく人は不快になるし、敗因を誤審や買収疑惑に求めたりしていた大国の陰で小国は戦術に勝機を見出すことを学んでいったのかもしれません。

大会前にNHKで昔のワールドカップ名勝負なるものを放送していたのですが、今の複雑なサッカーを見慣れた私達の目には当時のスタープレイヤーのテクニックに頼った展開にも(多少オーバーに言えば)「中学生のなかにとても上手な子がいる」程度にしか映らなくなっていました。

野球のピッチングの組み立ても相当な駆け引きですが、それ以上に難しい頭を使うスポーツになってしまったサッカーを1試合、これがあーなってこーなって、そーなるからすごいんだ、などと追いかけているとかなり頭がもたれるようになりました。