まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「魂手形」宮部みゆき

2021-06-24 19:15:16 | 読書のすすめ
今日も群馬は晴れよりの曇り。
気温は昼前から上がりだしました。

さて 宮部みゆきの「魂手形」を読みました。



三島屋変調百物語シリーズ 第七作です。

江戸の神田三島町にある袋物屋の三島屋では
語り手一人に 聞き手も一人。
「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」の原則に従い
世にも恐ろしく 奇妙な変わり百物語が語られる。

おちか(もとの主人公)より 変わり百物語を引き継いだ富次郎。
穏やかで奢ることのない優しい人柄の富次郎。

今回語られたのは
「火炎太鼓」
「一途の念」
そしてタイトルになっている「魂手形」。

借りた時 あれ?今回は割と本が薄い?と思いましたが
(分厚い奴もあるのです)
最後の「魂手形」が長めです。

お盆に絡めて 「魂手形」とは・・・
この本が出たのは 春頃ですが 
怪談が ちょうどいい塩梅の季節になってまいりました。

あまりに暑いので 「バチカン奇跡調査官」読もうかな?
(もう毎年の行事)
とか 思っていた時期でした。

変わり百物語に訪れたのは 
浴衣を見事に着こなす鯔背な老人。
吉富と名乗る。

吉富は お化けを見た。
と さらりと百物語を始める。
吉富が十五の時だ。
変わり者の父親と「お化けがいるか否か」で叱られたある日のことだった。

木賃宿を営んでいる吉富の家に
変わった風体の人物が現れた。
髑髏のように痩せていて 髪もない。
そして 信じられないほど日焼けをした肌。

父親は 警戒して 泊まるのを渋ろうとして
手形を改めようとした。
すると男が差し出したのは 
見たこともない古い紙が使われている赤い蝋で封印された手形。
ますます しぶる父親に 吉富は
3畳の風通しの悪い部屋に通したらどうかと提案する。

そんな提案をされたのに 日焼け男 七之助は 
低姿勢に ありがたいと告げ
普通に 泊まり始めた。

目がよく見えなくなっているらしい七之助を
吉富と母 お竹は よく面倒を見ていたが・・・・

毎回思うけれども 人間の業を描く宮部みゆき。
生き生きしています。
そして 面白くて 引き込まれますね。

おすすめです。

細い鉄塔もなかなか良きかな。

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