まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「i」西加奈子

2017-02-17 07:35:23 | 読書のすすめ
今日は4月中旬並みの気温とか。
体が慣れませんね。

さて 西加奈子の「i」を読んだ。
本屋大賞にノミネートされている作品である。

大切に読み進めている作家西加奈子さんの新作だったので
私にしては 珍しく出遅れずに こんなに早く借りられました。

結果 本屋さんにて 購入することを決意しました。

順番が間違っていると自分でも思うのですが
図書館で借りられるものは 

まず借りて 良かったら買う

という作家さん泣かせの購入方法を取っております。
作家さんは 初版がどれだけ売れたか 場合によっては 最初の1カ月で売れたかどうだか
とか 要求されているらしい。

なんなんや。それ。

私みたいに 本レーダーさえも腐りつつある鶏頭に優しくないシステム。

まあ そんなことはいいです。


「この世界にアイは存在しません。」
高校最初の授業で 数学教師が言い放った。
それを聞いたワイルド曽田アイは 思わず「え」と声に出してしまった。

この「アイ」とは 虚数のiのことであったが
自分の存在を否定されたように感じてしまったのだ。

アイは アメリカ人の父ダニエルと日本人の母綾子のもとに育った。
ワイルド家は裕福な家庭であり 思春期前までをニューヨークで過ごしたアイは
よく外国人に間違えられ 「日本語がお上手ね」などと言われる少女だ。

でもそれは アイが父の血を受け継いだからではない。
アイは二人が迎えた養子だった。
実際の父母は シリア人である。

アイはごく幼い時期に そのことを両親から告げられた。
以来 アイはずっと孤独だった。
両親はアイを限りなく愛してくれたが その愛を受けながらもアイは孤独だった。

そんなアイが 高校に入って 一人の少女ミナに声をかけられる。
初めてと言うほど 打ち解けて 仲良くなっていく二人。
だが・・・


図書館員検索泣かせの書名「i」。西加奈子で検索する方が早い。^^;
この「i」は 主人公のアイであり 虚数の「i」であり 
私の「i」であり アイデンティティの「i」でもある。

いつも得体の知れない孤独に 大勢の人の不幸に悲しみ苦しみ
自分の存在を肯定できない主人公アイが もがきながら苦しみながら
自分の存在を肯定するまでの物語。

正直 前半は結構つらい。
西加奈子さんだなあと思う。
最後はじわじわと涙が止まらない。
(注:私は涙腺が壊れております)

西加奈子さんは 好き嫌いが分かれる作家さんなのかもなあと思いますが
私は好きです。

「ふくわらい」で衝撃的な出会いをして 以来大切に少しずつ著作を読んでいる状態。

お勧めです。

いがぐりおは 自分って存在していいの?とか考えたことある?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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コメント (2)
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