まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

冲方 丁「天地明察」

2016-06-14 18:28:46 | 読書のすすめ
今日はなんだか蒸し暑かったですね。
気温はそうでもないんでしょうが・・・

さて 冲方 丁の「天地明察」を読みました。映画にもなったのでご存知の方多いかと思いますが・・・

天地明察
冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)


江戸時代 安井算哲(渋川晴海)は、江戸碁方として活動していた。
碁を打つのは嫌いではないとはいえ
晴海が熱中していたのは算術であった。

とある神社の絵馬に難問を次々正答する「関孝和」という人物がいることを知る。
関の縞本に触れ 関がまぎれもなく天才であることを感じる晴海。
思い切って関に出題をするも 無術の誤問(解答がでない問題)であることが判明。

そのことに激しく恥じすべての自信を失った晴海。
幕府の命で北極星の各地観測に赴くことになる。

その後晴海は 新しい暦をつくりだす事業を任され
偶然ではない明察を次々と紡ぎだしていく。

しかし 新しい暦が完璧に出来上がったと思われたその時・・・



晴海は 決してスマートな天才ではない。
天才か秀才かと言われたら おそらく秀才。

だが そんな晴海が紆余曲折を繰り返しながら 
正しいものを作り出そうともがく姿は 読んでいる者の胸を打つ。

ついつい身を乗り出して 一緒に応援してしまう。

間違っても間違っても正解を導こうと試行錯誤を繰り返す。

関へ変な問題を出してしまったと落ち込んだまま 赴いた北極星の観測。
同行した建部昌明と伊藤重孝の二人はどもに晴海より年長で
北極星を観測できる場所を算出しろといってくる。

関への誤問で落ち込みすぎの晴海が
「し、しかし、私では、術式でも答えでも誤りをおかすだけで・・・」
と言うと二人は
「それはよい。全霊を尽くして誤答を出すがいい。」
「そうです。そうです。遠慮なく外してください。」
と言う。

やがて晴海は全くの偶然で 極値を当て 「明察!」と言われる。

ここは物語の中盤。でも紛れもない物語の一つの山場。
間違うことは決して恥ではない!と人生の先輩たちが教えてくれる。
そのことがきっかけで 晴海は不屈の試行錯誤を繰り返すことができるようになった気もする。

是非 若い人たちにもお疲れの大人な皆様にも読んでいただきたい。
きっと元気を貰えること請け合いです。

いがぐりおも 間違ってもいいんだよ。間違っていることに気付かないのが恥ずかしいんだけどね。^^;
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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コメント (2)
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