毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「上柴とおるのポップス出前寄席」 2013年1月15日(火)No.548

2013-01-14 16:32:52 | イベント情報
1月5日からインターネット流民になった私は、ここ大阪でもあちこちを彷徨い、
ついに到達したのがここ、淀川区新高のマクドナルドだ。
YahooBBで全国2万件のスポットで使えるプロバイダー契約無しの380円/月を
契約し、さて一番便利なスポットは?と探して見つけたのが、
家から3分のスーパー内マクドナルドだった。
9日に帰国した私は、家で臨時のネットワークCG-GUESTを使っていたが、
一日のうち数時間繋がるだけの実に頼りないもので、
いくら中国で忍耐力がついたと言ってもインターネットだけは安定したものを使いたい。
1階100円のコーヒーでようやくほっとするスペースを見つけ、
2月中旬にまた中国に行くまでは毎日マクドにノートパソコンを持ち込み、
数時間を過ごすことにした。
マクドなんて何十年ぶりに入るだろう。
私のライフスタイルには全く合わない店だが、まあ、仕方がない。


さて、広州滞在記をちょっと休んで、
今日は大阪のホットな話題をご紹介することにした。
題して「上柴とおるのポップス出前寄席」

昼間からリラックスしたおっちゃんが犬を連れ、首にマフラーを巻き、ジャージーの体操ズボンのポケットに片手を突っ込んでのんびり歩く風情も懐かしい街。
ここは大阪、地下鉄堺筋線「動物前」下車の今池商店街の一角である。
毎月第3土曜日の夕方から商店街の喫茶店「喫茶日本一」(店主バルタン亀吉さん)で、
ある会が開かれている。
知る人ぞ知る上柴とおる師匠の「ポップス出前寄席」だ。
今回は特別に第2土曜日開催で何とか間に合い、フミちゃんと一緒に参加することができた。
もう34回を数えるこの会は、始まったきっかけがちょっとスゴイ。

3年前、FMCOCOLOで「南港ミュージックエンターテイメント」という人気音楽番組があった。
タイトルを聞いたらすぐに分かるような曲はあまりかからず、
知っている曲でも、一味違うアレンジや別のミュージシャンのものを紹介し、
「(たかが)アイドル歌手」とレッテルを貼られているシンガーにも丁寧に照明を当てて、
知られざる曲や意外な側面を教えてくれたりもした。
端的に言えばその番組は、
まさに海外ポップスの授業を受けているような気になる番組だった。
私は音楽は何でも聞く。
しかし、成り行き任せで狭い範囲の曲を何度も聴くだけの、
スポットライト知識と嗜好しか持たなかった。
この音楽番組はそんな私にさらに深い知識と楽しみ方を教えてくれた。
折しもこの番組開始時期は、私が40代の最後の一年間、
仕事を休んでアメリカのコミュニティ・カレッジに留学し、
「American Popular Music History/アメリカン・ポピュラーミュージック・ヒストリー」などをかじって(ああ、面白かった。もっと勉強したかったな)と後ろ髪引かれながら、日本の職場に戻った頃と重なる。
「上柴とおる」という名前は(なんか聞いたことあるなあ)という程度だったが、
たちまち、選曲の面白さと聴いている者を脱力させる話芸に引き寄せられ、
一週間に一度のその番組を心待ちするようになった。
人との約束はできるだけその時間帯をはずし、
致し方ない場合はトランジスタラジオで道を歩きながら聞いた。
この番組を聞くことでラジオ文化が私の傍に戻ってきた。
このように、かなりののめり込み方だったが、
その番組の他のリスナーたちも私に負けていないのが、
番組を聞いていて感じられた。

そんな超人気音楽番組が3年前、FMCOCOLOから姿を消した。
簡単に言うとFMラジオ業界の強者FM802が、
弱小FMCOCOLOを乗っ取ってしまったのである。
その際、FMCOCOLOの看板番組の一つである「南港ミュージックエンターテイメント」がどうしてカットされたのか、今でも納得できず腹立たしい。
たくさんの聴取者(私もその一人)が請願のメールを送ったりしたが、
「かく在るべし」を描く上の方には取り上げられなかった。
その後私はFMCOCOLOを聞くのを止めた。

番組はストップしたが、番組ファンの気持ちはストップしない。
聴取者の中に「喫茶日本一」経営のバルタン亀吉さんがいた。
彼が上柴とおる師匠に「うちの喫茶店で番組の続きをやっとくなはれ。」と持ちかけ、
師匠がボランティア精神で引き受けてくださった。
それが「ポップス出前寄席」の始まりである。
それから足かけ4年、34回続いていること自体、
大阪(と言うか関西)にもポップスを愛する人々がたくさんいることを証明しているが、
上柴師匠のキャラクター抜きにはここまで存続できなかっただろう。
利益を度外視しても自分の愛するポップス文化を紹介しようという真っ直ぐな姿勢、
時勢を鋭く批評する一言、
そしてお笑い界でもバッチリ通用する話芸。

また、ラジオで上柴とおるディスクジョッキーの声を聞きたいものだが、
この「ポップス出前寄席」もますます発展することを切に願う。
私は帰国の際に参加するだけにすぎないが、
中国にいながらMIXIで情報を知るのも楽しい。
出前寄席の号外として、聴取者の中のミュージシャン(シーザリアンヒロさん、デューンさんなど)のライブや、ピーター・バラカンさんの生音楽談義などもある。
もはや「南港エンターテインメント」の聴取者は単に番組を聞くだけではなく、
双方向で大阪ポップス文化を作る積極的存在である。
出前寄席の帰り道、フミちゃんと
「もし戦争になったら、こんな文化活動は世の中の役にならないとか言って、
あっという間に禁止されるやろね。」
とボソボソ言いながら地下鉄の駅に向かった。
ただただ音楽が好きという庶民の楽しみが、
どこか上の都合によってまた辛い目に合わない様に、
自前で作り根を張っていくことは確かな力になる、と思う。


下にMIXIの喫茶日本一コミュニティ情報(バルタン亀吉さん)を転載する。
もしあなたが参加希望なら、まずMIXIの「喫茶日本一」に!
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大阪名物?「喫茶日本一」のコミュニティです。

「上柴とおるの『ポップス出前寄席』」は喫茶日本一で開催!
ご参加はこちらのコミュニティにて受付けます!

●喫茶日本一へは…
大阪市西成区天下茶屋・今池本通商店街内
地下鉄堺筋線「動物園前」駅8号出口を上がって左へ
(8号出口へは堺筋線ホームをご利用ください)

定休日は水曜日です。

●第34回「ポップス出前寄席」
日程: 1月12日(土)(★次回は第二土曜日です!)
会場: 喫茶「日本一」

開場: 午後4時(貸切り)
開演: 午後5時(休憩はさんで午後9時終了予定)
木戸銭: 1000円(税込)
定員: 限定30人様

動画撮影、音声収録等はご遠慮下さい。

Ustreamはこちら
http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E5%87%BA%E5%89%8D%E5%AF%84%E5%B8%AD
いつものとおりこちら↓もあわせてお楽しみください。

☆上柴とおるさんのブログ「ポップス・ア・ゴー・ゴー」
http://popsagogo.blog29.fc2.com/
似顔絵は当コミュでお馴染はせちゃん画伯の作です。

☆上柴とおるさんの「ポップス再前線」(芽瑠璃堂マガジン)
http://www.clinck.co.jp/merurido/_friends/00012/
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2 コメント

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楽しかった! (お絵かきアコサン)
2013-01-16 04:47:19
ロミイ様
喫茶日本一での楽しい時間を共有できてよかったです。音楽にはほんまに国境がないのでしょうね。

中国のネット状況やまじめな学生さんたちの姿。
ブツッ切れる中国のネット。いろいろお話を聞けてよかった。

北京での大気汚染、致死性があるひどいスモッグのニュース。まだまだ大変な中国ですね。

またチャンスがあれば日本一でお目にかかりたいです。
返信する
お絵かきアコさん (ブルーはーと  )
2013-01-16 18:32:32
コメントありがとうございます。
初めてゆっくりお話しできて嬉しかった~。
これからも「ポップス出前寄席」が末永く続くように
私もホソボソながらずっと参加させていただきます。
お名前の通り、お絵かきが素敵なアコさん。
また必ずお会いしましょう!
喫茶日本一で。

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