毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「話がいきなり終わる『人生いろいろ』『人さまざま』」No.2923

2019-05-22 22:47:34 | 

夜となく昼となく、

作文添削を続けているのですが、

くたびれたときは、以前のこの部屋の住人が置いていった下の品物を使い、

背中を伸ばして身体をほぐします。

なかなかの優れものです。

しかし、くたびれ過ぎたらベッドで大の字になり休憩します。

そのとき、枕もとにあって、

疲れた私を脱力させてしまうのが井上ひさしさんの本です。

今日の脱力:エッセイ『日本語観察ノート』中の「人さまざまである」      

 「人生いろいろである」「人さまざまである」を使えば、

そこで文章はいきなり締めくくられて終わると言及し、

例文を挙げているのが、こんなのであります。


「親譲りの無鉄砲で、子供のときから損ばかりしている。

  人さまざまである。」(『坊ちゃん』夏目漱石)

「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母様が、

 『あ』と微かな叫び声をお挙げになった人さまざまである。」(『斜陽』太宰治)

「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君、人はさまざま」(与謝野晶子)

「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。

  沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす。

  おごれるものも久しからず。ただ春の夜の夢の如し。

  たけきものも終には滅びぬ。ただ風の前の塵に同じ。

  人生いろいろ、人さまざまなりき」(『平家物語』)

「結局、松井に本塁打は出なかった。

  三振、二ゴロ、右前打の後に回ってきた九回の第4打席。

  今季最後の打席は、カウント2-2から、横山の速球に詰まり、

  右飛に終わった。人生いろいろ、人さまざまである。」(読売新聞見出し「松井本塁打王ならず」)

・・・・・・あははははあ~。

そう言えば、日本の友人との会話でも、

私が一生懸命、情熱に任せて誰かの何かを批判していても、

「ま、人さまざま、それぞれ違うからね。」

と、一瞬にして話が打ち切られることがよくあります(笑)。


   

 亡き井上ひさしさんの遺志を継いだ劇団こまつ座は健在なご様子。

一度は東京へ観に行きたいんですが、人生いろいろですから……。

 

 

 

 

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