今日、第10回「中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社主催)の
応募作文59編を東京の日本僑報社作文事務局に送った。
1年のうちで最も過酷な日々がついに終わった。
この4年間応募を続けてこられたのは、
学生たちが書く作文の内容の面白さと、
書けば書くほど作文力を身につける学生の成長が見たいからである。
今年のテーマは、
①ACGと私 ②公共マナーと中国人
の2つ。
①をテーマに書いた子では
1年、2年がアニメとともに育ってきた自分をのびのびと書くのに比べ、
3年では、中国のアニメブームを分析的に書いていたり、
好きなアニメの紹介の仕方が類型的だったり、
日本語学科なのでアニメは勉強の手段だったんですよ、と述べる子が目立ち、
あ、世代がチェンジしているな、と感じる。
しかし、日本語学科の学生は聴解授業などでアニメに接する機会は
他学部の学生に比べて多く、
アニメ好きもそれに並行して増えるのは当然である。
ところが、最近、日本のアニメが日本語学科以外の若者にも
確実に浸透しているのを実感した出来事があった。
ひとつは先日24日(土)、八一公園の日本語コーナーからの帰り、
蛟橋キャンパス南部キャンパスを歩いていて遭遇した、
日本アニメのコスプレ大会である。
黄色い鬘にセーラー服の女の子がとことこ歩いているので、
一瞬(ここは日本か?!)と思ったが、
広場にはそんな姿があっちにもこっちにも。
明らかに日本語の歌を歌っているのだが、
私にはさっぱりわかりませんでした。
会場が日本語学科のある麦蘆園ではなく、この蛟橋園だったので
驚きもひとしおだった。
(日本語学科の子は誰もいなかった)
もうひとつは、昨日、また蛟橋園での出来事だ。
夕方スクールバスから降り立ったところに、
熱心なボランティア活動家風な女子学生が声をかけてきた。
葉書を指してしきりに何か言っている。
「中国語わかりません」と英語で言うと、
英語でさらにがんばって話し続ける。
寄付を募っているのかと思ったら、ただサインしてくれと言うので、
大きい看板に本名を漢字で書いた。
すると葉書をくれて、記念撮影までした。
下がもらった葉書。
貧しくて御飯が食べられない子に無料で食事を提供する慈善事業で、
2011年度中国慈善領域最高政府賞を得たとのこと。
しかし、その基金はどこから出ているのか不思議だ。
で、話はその後のことで、そのボランティアクループを離れ
銀行に立ち寄り、宿舎に向かって歩いていたら、
「こんにちは。あの、おまえ、日本人ですか?」
「おれ、日本語言う。」
と、超アヤシイ日本語で話しかけてくる若者がいる。
「おまえじゃない、あなたです。お前は失礼です」
と3回くらい言うと、
「あなた、おまえ、おれ、わし、わたし・・・、むずかしい」
と頭をかいた。
後は英語で、本物の日本人に会えてうれしいこと、
自分は日本のアニメが大好きで、ずっと見ていること、
などをペチャクチャ話しかけてきた。
まだ一年生だそうだ。
改めて、アニメの力は本当に侮れないなと感じた。
中国政府が自国文化を育てるという名目で、
外国アニメ(80%は日本のアニメ)をテレビから放逐したそうだが、
なるほど、それほどの脅威であるのが分かった。
中国のアニメ好きの若者たちはなんともはや、
実に手放しで日本のアニメを褒めちぎるのである。
政府が愛国心を鼓舞したとしても、
アニメには国境がないんですね~。
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