毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「中国の学生たちの『津軽海峡冬景色』の感じ方」No.2291

2018-06-15 23:40:01 | 亜細亜

 

もう2週間前になります、3年生の「視聴説」(見て・聞いて・喋って)授業で

石川さゆりさんの『津軽海峡冬景色』を鑑賞・聞き取りしたのは。

学生たちはすぐに感想を書いてくれたのですが、

私のほうが忙(せわ)しなくて、後回しになっていました

全ての試験問題を作成し、

圧迫感のない伸びやかな気持ちで夜を迎えた今、ついに機は熟しましたよ

 

徐傑: 

歌を聞くと、色々なことが思い浮かびました。私の心はとても悲しくなりました

 閻小玲: 

声が面白いです。特に「ああ 津軽海峡 冬景色」のところです。 

面白いけれど、この歌は少し悲しくて寂しいです。

劉樹慧:

この歌は聞き取りにくいです。発音がはっきり聞こえません。

しかし、雰囲気がいいです。仕草も優美です。

歌手(石川さゆりさん)の美しさとエレガンスが現れています。

陸恵敏:

今日の授業で『津軽海峡冬景色』を聞いたとき、

なんだか聞いたような気がしました。

午後、自分で調べてみたら、テレサ・テンさんがカバーしていたのが見つかりました。

父はテレサさんの歌が大好きなので、私も聞いたかもしれません。

正式に演歌を聞いたのは初めてのことですが、うまいと思います。

若い頃の石川さんは本当にきれいです。美人ですね。

遅芮: 

初めて演歌を聴いて(ああ、昔の歌、ベルカント唱法と似ている)と感じました。 

実は私は、歌については全然知りません。 

歌を聞くだけでは、歌手が聴衆に伝えたい情感は分かりません。 

歌詞を見て初めて歌の気持ちが少し分かるようになります。 

(私が一番言いたいのは、この歌は聞き取りにくい!)

王妍:

この歌を聞いて、ちょっと悲しいと思いました。

メロディーは20年代、30年代の上海の歌とほぼ同じです。

メロディーに関してだけですけど。

この歌は歌手の愛着がこもっていると思います。

歌の中で「私もひとり 連絡船に乗り」を聞いて、

歌手の孤独感だと思いました。

韋 彤:

ちょっと古い歌ですが、初めて聞いたので新鮮だなあと思いました。

Jポップスと演歌の雰囲気は全然違います。

石川さゆりさんが歌った『津軽海峡冬景色』は悲しい歌です。

特に「ああ 津軽海峡 冬景色」を歌うときは、

切なさが胸に強く刺さり込んできます。

衝撃をしみじみと感じます。

それに比べ、Jポップスは切ない歌詞を軽快な調べで

楽しく歌うことが多いと思います。

陳稘頴:

哀愁を帯びた曲なので、私はあまり好きではありません。

でも、舞台は派手で雰囲気も素敵です。

歌手(石川さゆりさん)は歌うときに特に感情が入っていて、

顔の表情がとてもいいです。

私はこれまで、このタイプの歌を聞いたことがありませんでした。

趙寧:

今日、曲の一番を聞いたとき第一の感じは

(これは何?何を歌っているの??ちょっとおかしい)

と思いました。

しかし、ずっと聴いてみると、

(これは日本の人々が自分の感情を表現する特殊な方法かもしれない)

と思うようになりました。

中国の民謡のように、演歌も日本の特別な文化です。

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激変する中国では年代による感じ方のギャップは

ひょっとすると日本のそれ以上のものがあるかもしれません。

中国の70代の人々は、

日本の演歌を聞くと心が落ち着くと言い、

50代、60代の人は

谷村新司の『昴』、千昌夫『北国の春』が大好きで、

テレサ・テンがそれに続きました。

ボーンと飛ばして、

今の若者はどうかと言うと、

多くは日々刻々とネットで伝わる新曲にしか興味を示しません。

その「若者」層も、3歳年が違うと、もう世代の断絶を感じると言います。

新しいことをとっかえひっかえして大忙しの感が否めない若者達。

それでも、日本語学部の学生たちのほとんどの感想からは、

日本の「伝統文化」演歌を何とか理解しようと努力する姿勢が感じられ、

けなげでした。


コメント (2)
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