B.LET'S 

「滝本Bログ」滝本祥生のブログです。B.LET'SのHP→http://blets.jimdo.com/

相対的浮世絵

2019-10-28 00:01:00 | 日記
久しぶりにお芝居を見に行きました。
「相対的浮世絵」の初日観劇。
会場の本多劇場は下北沢。



実は何度も見たことがあるお芝居。
作家の土田さんの劇団「MONO」に私は以前所属していて、劇作のことを教えてもらった先輩で、尊敬する劇作家。
劇団のオリジナルもみたし、数年前にシアターコクーンで上演された再演も見た。
何度見ても新しい発見がある。

繊細な心情を丁寧に表現してあった。
見やすく演出されていた分、本の複雑さが伝わってきて、とても面白かった。

たった5人だけで、セットの転換もなく、派手な音照演出もなく、たった5人だけであれだけ表現できる。演劇ってやっぱりかっこいい。

複雑な設定を説明ぽくなく、いつのまにか理解していて、事実の出し方、なんでこんなことができるのだろう。


登場人物はいい人たちではないのに、なんでこんなに愛おしくなるのだろうと思う。
久しぶりにお芝居っていいなって思える作品だった。

まだまだ上演中。
もう一回見たい。













さいごのお休み

2019-10-23 03:52:00 | 日記
もうすぐ本番の如月皐ちゃんとご飯を食べた。

皐ちゃんの次回出演作はギリシャ悲劇。
ギリシャ悲劇は「オイディプス王」を大学の時に先輩がやっていたのを見たことがある。見たのか、演じたのか、記憶が定かではないけれど。コロスの存在とか、それまで知らなかった。
それとは違うギリシャ悲劇。

この日は稽古の最後のお休みだったそうだ。

...............,
PRAY▶ 
グリークス 第1部『戦争』
翻訳・演出:桂 佑輔

●日程:2019年11月6日(水)~11日(月)
6日(水)13:00/18:00
7日(木)13:00/18:00
8日(金)18:00
9日(土)13:00※キャンセル待ち/18:00
10日(日)13:00/18:00
11日(月)11:30/16:00
受付開始は開演の40分前、開場は30分前

●会場:浅草九劇 〒111-0032 東京都台東区浅草2-16-2
●料金:4,500円(税込・全席自由)

ご予約フォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/pray1?m=0lfeidg

HP
https://article.yahoo.co.jp/detail/c364ce479622895fb1f9909bb3a919c40099f225

............

皐ちゃんと会って、話してからいろいろ次回作のことを考えていて。
そうするとここに何か書くことが、すっかりできなくなった。

割といつもそうで、プロットなどを考えだすと、頭ぼんやりして、気分が落ちる。落ちるというが、ぼーっとしてしまう。

せっかくなので続けてブログを更新しようと思っていたのにこれでは書けないので、もう、書けないまま書くことにします。
ご了承ください。

皐ちゃんは、この日は私が誘ったにもかかわらず、お店を探して、待ち合わせ場所を決め、私を連れて行ってくれた。

彼女は美味しいものを食べるのが好きで、走るのが好きで、明るいくて、頼もしい。
いままでに何度も私のお芝居に出演してくれた。

私の方か年上だし、リーダーシップを発揮したい。
でも一緒にいると自然と頼りそうになってしまう。
頼らないようにしなければと必死だ。
でも頼りたい。   

彼女は弱音を吐かないし、本番前に緊張もされない。

旅公演では、打ち上げで私が悪酔をした時も、ずっとひざまくらをしてくれた。

受付でパニクっている時、すぐに受付を手伝ってくれた。

会計でパニクっている時は、いつの間にかお金を合わせてくれた。

人間関係で困った時は最後まで味方でいてくれた。

…もうすでに、べったりと頼っている。

明るく、あっけらかんとしていて、憧れてしまう。

本番間近の最後のお休みも、私にくれた。



ステキな皐ちゃんの本番がもうすぐなので、応援しています!





ソファー

2019-10-21 15:55:00 | 日記

ソファーを買った。

約一年前に引っ越してきてからずっとソファーが欲しくて、なにかきっかけがあったら買おうと思っていた。

最近、臨時収入があったので、満を持して欲しいソファーをネットで見返す。

買うものもずっと前から決めてあった。それほど高価なものではない。形に残るものが欲しかったし、それにはずっと欲しかったソファーはちょうどよかった。

だけど。いざ買うとなると買えない。とても緊張して、嫌な気持ちになる。そのまま数日過ごした。

そりゃ普段より大きな買い物かもしれないけど、値段は少し高い洋服を買うのと変わらないくらいだし、大きさだって知れている。

そういえば。子供の頃から欲しいものを欲しいと思いきれないところが私にはあった。ただのケチとか、決断力がないとか、そういうこともあると思うけど、あんなに欲しかったのに、なぜ買えないんだろうと悩んだ。

迷うことは苦しい。そのたびに自己嫌悪になり、ほんとに面倒くさい。

考えてみると、たぶん子供の頃に、姉と一緒に買い物に行ってたからだろう。姉のご機嫌を伺ってばかりいた私は、姉が賛成する物しか欲しいと思えなかった。今も無意識で姉に許可を得ているのか…。

と大げさに考えて、いやいや、やっぱりケチで決断力がないからだろうと思い直す。いい大人なのだ。


最後の決定ボタンを押すと、何だこれだけのことだったのかとスッキリした。ネットで買ったからあっという間だ。

たったこれだけのことに、いったい何時間、何日かけてるんだろうといやになるけど、時間がかかった分とても嬉しいとも言える。

私の考えだと、この部屋にソファーがあると、生活がとてもしやすくなるはず、一年近く前からそう思ってきたんだから。


ソファーはもうすぐ届く予定。







新作カレー

2019-10-20 16:34:33 | 日記

先日、下北沢でやっているカレーフェスへ行ってきた。

正確には、下北沢へご飯を食べに行ったら、カレーフェスをやっていたのだけれど。

行ったお店は、四月に朗読劇を上演させてもらった「ARENA下北沢」さんで、その時もお料理はカレーがメインだったけど、このカレーフェスの為に新作カレーが用意されてあった。

新作カレーはとっても美味しかった。





お忙しそうだったので、さっと食べて出て行こうと思ったら、私のことを覚えていてくださり、私がうっかり名前を忘れていた店員さんまで、「あの時、劇良かったです、真夏の雪」と言ってくださり、嬉しかった。

作品を覚えていてくださったことが何より嬉しかった。

こういうことはほんの時々あって、全然知らない人が、作品を見てくださっていて、それだけで十分なのに、「良かった」とか、「面白かった」とか言ってくださることがある。

最近は上演から遠のいているけれど、続けてきたご褒美だと思って密かに喜ぶ。

イヤ、密かにではなくとっても喜ぶときもある。本当はめちゃくちゃ嬉しい。自分が褒められることより作品が褒められることが何よりうれしい。

だけど。

と、考えてみるとそれさえもほんのつかの間で。

それはやはりささいなことで、じゃあいったい私が一番嬉しい時はいつだろうって考えてみると、やはり、新しい作品が書けたとき。

私も、フェスのために新作を作ろう。

「下北沢ARENA」へ一緒に行った友人は本番を見に来れなかったので、あそこにピアノを置いて、ここまでお客さんを入れたんだよと、説明をした。

お店は相変わらずファンタジックな雰囲気で、また、ここで上演させてもらいたいと思った。「真夏の雪」も、また上演したい。


新しい作品を書こう。

 



 

 


安否が気になる

2019-10-19 10:26:00 | 日記
先週末の台風のニュースを見ていて、上田の知り合いの安否が気になっていた。

SNSで情報を集めて、どうやらその方の住居周辺は大丈夫なようだった。
おそらく、その人も無事だと思えた。

それでも状況は不明で、大変な時にお見舞いメールなどしたらご迷惑かもと逡巡していた。


すると、知り合いの老紳士から電話が入った。このブログにも、何度か書いたおじいちゃん。


「少し前から入院していてね」 

「え⁉︎」


検査の結果が悪ければもっと長引く。
この2日は検査でご飯が食べられなくて、お腹がすいたそうだ。
声は元気そうだけど。
96歳の体を心配しないわけにはいかない。

いろんな人の安否が気になっていると、ふと、お友達のご婦人のことを思い出した。


その方は現在、70代前半で、長くお付き合いする彼氏がおられる。
その彼氏から最近連絡がないと、安否を心配されていた。
彼の年齢が80代前半だと知っていた私も、話を聞いて心配になった。


彼のおうちには奥さんがいらっしゃるので、連絡したいけどできない。もしも彼が病気などで動けない状況にいたりしたら。メールを送っても奥さんが見るだろう。それは不本意だった。彼のおうちを一緒に守ってきたとも言えるのに。
世間でいう「不倫」という関係を長年続けてこられていた。



「最後に連絡があったのはいつなんですか?」

「半年くらい前」


半年間の音信不通。
若者のカップルなら「自然消滅した」と言える時間でも、何十年、辛酸を嘗めてきた大人のカップルには短すぎる時間だろう。
関係に終わりがくるとしたら、死別するときしかあり得ない。
 

死別。
「安否を確認する方法は、ひとつだけあるの」
そのご婦人は言った。

彼の先祖代々のお墓がある場所を知っている。そこに名前が刻まれているかどうか。名前が無ければ、彼はまだ生きているということ。

ご婦人は、勇気を出して見に行ってくるという。

「友達が付いて来てくれるから大丈夫」と強がるその人が、たまらなく健気に見えた。


墓地で、友達と一緒に緊張しながらそっと墓石の名前を確認している彼女を想像する。まるで片思いの先輩の不在を確かめようと、靴箱を覗く女子高生のようだと思った。
でも、墓碑銘と靴では、結果の衝撃が違いすぎる。
その想いが、倫理を否定しているとは、わたしには思えない。


お墓に、彼の名前は無かったそうだ。
彼が生きておられたことと、安堵する彼女に、私もほっとした。

大切な人が、生きている。



時間ばかりがたって、我慢できずに上田市に住む知人に連絡をしてみた。
不安を紛らわそうとそのままシャワーを浴びた。

出てきてスマホを確認すると、「元気にしています」と、連絡が入っていた。

嬉しくて、そのまま返事を入力していると、96歳の紳士から「明後日、退院します」と電話が入った。
私の髪からはまだボタボタと滴がたれている。

どうやら老紳士の検査の結果も良かったみたい。



また雨は降るし、月日は流れる。
不安は絶えないけれど、でも、みんな元気そうだ。





ピアノ

2019-10-14 17:20:33 | 日記
夕方になると、お向かいのマンションからピアノの音が聞こえてくる。
まだまだ下手くそで、練習途中の音色。

私は、うまくないピアノの音になんとなく情緒を感じる。
映画やお芝居でも、生活音として聞こえることがあるから、多くのひとが同じように感じているのかもしれない。

私も子供の頃、ピアノを習っていた。
幼稚園の頃はエレクトーン、小学校に上がってからピアノに変わった。

土曜日の夕方6時か、6時半から、30分間。
高校2年くらいまで続けたけれど、受験でやめた。もともと嫌いでちっとも練習もしなかったし、今は全くといえるほど弾けない。

先生は男性で、有名な音大の先生だと聞いていた。
練習中には、よく手を握られたり、ギュウギュウ抱きつかれたり、頬ずりされた。
小学生の頃は「可愛がられているのかな」と、渋々受け入れていたけれど、思春期になるとさすがにイヤで、思い切って親に言った。
そしたら「ガマンしなさい」と言われた。

なぜだか分からない。
またあきらめて受け入れて、イヤなまま10 年以上ピアノ教室へ通い、結果ピアノと、中年のおじさんが嫌いになった。
そうか。
これを書いていて気づいたけれど、自分の年齢を棚に上げて言わせてもらうと、無意識で嫌悪してしまう中年以上の男性はあの先生に似ている。

ちっとも上手くならないピアノを、なぜ親は高校生まで続けさせたのだろう。
何で私は、何度でも「イヤ」だと言わなかったのだろう。

たぶん今でも「イヤ」と言うのが苦手だ。
少なくとも、自分ではそう思っている。

でも先日、そんな私が「イヤだ」と言い張ったことがあった。
少し実家へ帰ることがあり、家族でご飯を食べるからと急に言われて、「イヤ」だと言った。するとレストランの前で、家族に順番に説得されたり、怒られたりした。
お店への予約も済んでいたそうで、迷惑がかかると言う理由だった。どうしてもイヤだから断ったけど、家族は聞き分けのいい私が「イヤ」だと言い張ることが信じられなかったのかもしれない。
大人気ない話だけど、家族の関係はなかなか変わらない。

家族を置いてレストランから帰る途中、6歳の姪に「イヤだということも大事なんだよ」と話して聞かせた。
話しながら、これは自分自身に言っているのだと気づいた。
その時の私の心は罪悪感でいっぱいだったし、姪はすでに「イヤ」と言える子に成長していた。
「おねえちゃんが行かないならわたしも帰る」と、私の兄である親と対決してくれたのだから。
私よりずっと強く、愛しい人だ。






小学校の時、ピアノを終えて帰って来ると、だいたい夕飯が用意されていて。
家が商売をやっていたから家族揃ってご飯を食べることはなかったけど、ピアノの時間が終わったことへの開放感と、翌日が日曜日だという嬉しさからか、とても安心した気持ちになった。

下手くそなピアノを聴くと、その時の感覚を思い出すのかもしれない。

向かいのマンションから聞こえるピアノは「カントリーロード」で、昨日はお父さんらしき男の人が、演奏に合わせて歌っていた。上手くはないけど、気持ちよさそうだった。
演奏している、たぶん子供らしき演奏者は、いつかこのことを思い出すのだろうか。それは彼女(彼)を、どんな気持ちにさせるだろう。

「カントリーロード」は、日に日に上手になっている。








美しい名前

2019-10-13 09:36:00 | 日記
あれはとても特別な時間だったんだと、思い出している。

今年の春に初めての旅公演で、上田の町へはじめて行った。

長野県にある静かな町だった。
人々もあたたかな方ばかりで大好きになった。

公演は朗読劇で、いろいろハプニングはあったものの、盛況に終わった。
毎公演後に、生演奏でピアノを弾いてもらっていたMahsaさんが、自身のオリジナル曲を歌ってくれた。
ある曲の、作詞の一部を替えて「この美しい千曲よ」と歌われたのが印象的だった。
聞いた時にハッとしたことを覚えているからだ。

「千曲川(ちくまがわ)」
社会の授業などで聞いたことのある川の名前を、なんて美しい響きなんだろうって、急に思った。
メロディーに乗って聞こえたからだろうか。

どんな川なのか。
昔から、川を時々、無性に見たくなる。京都の川の多い町なかに育ったからだろうか。
だけど住んでいる東京には川が少ない。
少なくとも私の家の近所には。

上田に滞在していた3日間は忙しくて、それがどんな川か確かめることはできなかった。

夏にイベントで、また上田の町へ行く機会があった。
この時も忙しくて、1週間近くもいたのに、とても観光などできる余裕はなかった。

だけど最終日、「今日こそは」と早起きして、あの時「美しい名前」だと思った川を見に行った。

ようやく確かめられた、ちくまがわは、前日に降った雨のせいか、ずいぶん濁っていた。
それでも真夏の陽射しを反射して、なみなみと、おおらかに、水を湛えていた。

川を見ながら、私はいくつかの考えごとをして、答えを探した。

この夏の、印象に残ったある朝の思い出だ。








ラジオドラマとNTL

2019-10-09 01:04:00 | 日記
いまさらなのですが、ラジオドラマを聴いていただいた皆さまありがとうございました。

SNSやメールでも、このブログでも感想をいただいて、とてもとても嬉しかったです。

いろんな場所で、無料で、自分のセリフを聞いていただけることに、改めて喜びを感じました。

また聴いていただけるように、見ていただけるように、次に向かって頑張ります。




これは、最近見たナショナル・シアター・ライブ(NTL)の「みんな我が子」、アーサーミラー作。アーサーミラーの作品は、恥ずかしながら見たことがなくて、初めて見ました。
とてもよかったです。
よくいう「伏線と回収」、それが素晴らしくて。
NTLは好きでたまに見に行くのですが、この「みんな我が子」は、今までで一番面白いとおもいました。
っていうか、今まででみた演劇の中でも好きな本で、感心してしばらく動けずにいました。

アーサーミラーの他の作品も見たくて、すぐにをTSUTAYAで探しましたがどこにもありませんでした。

10/10までなので、間もなく終了しますが、日本橋のTOHOシネマズで上映しています。