60秒の再会

先日のキャストの皆さんでもう一度集まる機会があった。借りてたものを返したり、
清算やなんやかやで、いつも最後にもう一度集まることにしている。

集まったと言っても、4/28から本番の「夏の夜の夢」に向けて現在稽古中の土田さんは
約束の時間より随分遅れ、次の予定があったヤオ君は早々に席を立った。
全員が集まれたのはほんの一分程度。
土田さんの到着を待って、ヤオくんは次の約束へと向かった。
「待って待って」と、一枚だけ写真を撮った。

この顔触れでご飯を食べたのは、顔合わせの日以来だった。
真面目な我々はほぼ毎日この顔触れで集まり、ほぼ毎日まっすぐ家へ帰った。
「性暴力被害」というテーマを扱っていただけに、
「ワイワイご飯でも食べて帰ろう」なんて気分にはならなかったのかもしれない。

芝居を見に来てくれたチラシデザイン担当の若松早百合さんが、
「ああいう感情を抱え、毎日過ごしていた役者さんたちの気持ちは計り知れない」
と神妙な面持ちで話していた。
そのことを役者さんに伝えると、
「私たちは芝居が終われば終わるけど、
終わりのない感情を抱え過ごしている方々の気持ちを思うと想像を絶する」
と目の前のテーブルに目を落とした。
終わりのない感情を抱えている方々にそのことを伝え、気持ちを確かめることは私には出来ない……。

役者さんの一人が、
「演じていて、絶対に理解してもらえないし、されないと感じることが一番辛かった」と話していた。

全て終わって私が感じたことは、結局は誰も理解し合うことはできないということだった。
どんなに親しい人の気持ちもそのままを感じることはどうしたって出来ないし不可能なこと
……そんなのは当り前なのに、考えの甘い私はそのことをつい忘れ、無意識に期待してしまう。
演出をしていたってそうで、
いくら泣いて喚いて伝えても役者さんに伝わるのは「機嫌が悪そう…」程度のことだろうし、
観客が涙を流していても役者は「今のうまく行かなかったな」なんて考えながら演技していたりする。
理解し合えないなんてことは全部の大前提なのに。


重要なのは「それでも」理解したいと思う気持ち、「それでも」理解されたいと思う気持ちじゃないかと思う。
この「それでも」が少し人の気持ちに何か伝え、少しだけ何か動かすんじゃないかと、
考えの甘い私はそれでも期待してしまう。
それは結局ひとりよがりでしかないのかもしれないけれど、
「それでも」が伝わった「少し」が貯まると、「もしかして」に変わるんじゃないかと、
時々、本気でバカみたいに考えてしまったりする。

そんなことを話すと役者さんの一人は「若いねー」と言っていた。
私は笑っていただけだけど、心の中では「それでも」ってやっぱり無意識に思っていた。

その後

更新してなくてなんだかすみません。

公演が終了してからは、毎日会っていた前回公演の役者さんたちとも会わなくなり、
何もなかったように翌日から仕事開始、
そろそろ後片付けも一段落、
ぼちぼちと次回公演のへ向けての打ち合わせや読み合わせを開始している。

一人で台本を書いているときは、台本にも自分にも疑心暗鬼でいっぱいだけど、
役者さんに読んでもらうと不思議と解決策が見えて来るもので。
公演終了したばかりで疲れていたはずなのに、
読み合わせをしたら次の公演が楽しみになってきた。

とにかく一つずつ、
今年の残りは芝居だけじゃなく他のことも書きたいので、
稽古が始まるまでに計画を立てねば……
と思いながら映画や本を借りてきてはそれを見ているばかりですが。

稽古が始まったら何も出来なくなるので、
歯医者へも行ったり、本を読んだり、台本を書いたり、
ここに特記するようなことは特にない毎日だけど、
それらの些細なことも含めて、とにかく一つ一つです。

ありがとうございました。

更新が遅れて申し訳ありません。
先日、無事に全公演が終了しました。

一ヵ月半一緒に稽古したキャスト・スタッフの皆さんは
打ち上げの席で慌ててメアドを交換。


「今さら～？！」と、驚いてしまいました。

今回一緒にお芝居作りをした皆さんは真面目で丁寧な方ばかりで、
最初からそういう波長が合っていたのではないかと思います。
本当に皆さんには言いつくせない感謝の気持ちでいっぱいです。

そして会場に足をお運びくださった皆さま、
本当に本当にありがとうございました。

今も様々なことが頭に廻りますし、これからも考えて行こうと思います。

次のことはまだ具体的ではありませんが、これからも活動して行きますので、どうぞよろしくお願い致します。

楽日

昨日は前回公演にも出演してくれた永島広美さんがお手伝いに来てくれた。

前々回公演に出演してくれた正木佐和ちゃんはお客様として見に来てくれたし、
関係者の皆様や友人方が見に来てくださり、
お忙しい中お集まりくださったお客様に支えられて
公演を行っていることを実感しています。

それも今日一日。

いいのか悪いのかわからないけど、
泣きながらお芝居を作ったことは今までありませんでした。
稽古場でやってきたことをそのまま、お客様にお届けできるように
あと2回、力を合わせてがんばります。

幸か不幸か、本日分のお席はまだまだございます！
ゼヒゼヒ会場まで足をお運びくださいませ！

「春の遭難者」空席状況
4/4㈰ 13:00◎　17:00◎

※開演の１時間前より当日券発売します！
お問合わせ（０９０－１９０７－８０３４まで～）

来客

私は喋るのは得意な方ではないと思っている。
思った通りのことを思った通りに伝えられない。

言いたいことと真逆のことを話していたりするし、
鈍いので、腹が立つのも感謝するのも家に帰ってからだ。
だからお芝居を書くのだと思う。

言いたくて言いたかった一つのことを、
二時間近くかけてお客様に伝えるのだから、ここに間違いがあって欲しくない。
演劇は嘘の世界だけど本当でないといけない。

公演も半ば、言いたくて言えないことがたくさんあって、
ここにもお客様にも役者さんにも伝えきれない言葉がたくさんあって、
ああどうしようどうしようと言葉を選んでいたら、
半年ぶりに、突然、「オマエ」が帰ってきた！


……とにかく本番。
自分たちを信じて頑張ろう。


今夜19:00公演は残席わずか、
その他の日程はお席はまだまだございます。
是非ご来場くださいませ！

「春の遭難者」空席状況

4/3㈯ 14:00◎　19:00△
4/4㈰ 13:00◎　17:00◎
開演の１時間前より当日券発売します！


↑帰ってきた「オマエ」。

初日。

本日、無事に初日が明けました。
ご来場くださった皆さま、ありがとうございました。

今回もまた、朝から会場に大きな花束が届き、
お客様が来てくださり、
個人的には京都からやってきた両親と再会、
公演のたび、一緒に稽古してきた役者さんが、
自分自身が、多くの人々に支えられていることを実感します。
これはとても幸せなことです。

あと数日となりますが、
何よりお芝居の好きな役者さん達と一緒に作品作りが出来ることも、
幸せなことだと思います。

自分たちが感じていることをまっすぐ伝えられるように、
そのままの気持ちを、お客様に受け取ってもらえるように、
謙虚な気持ちで、一回一回上演していきたいと思います。

皆さまのご来場をお待ちしております。

「春の遭難者」空席状況
4/2㈮ 19:30△
4/3㈯ 14:00◎　19:00○
4/4㈰ 13:00◎　17:00◎
開演の１時間前より当日券発売！

稽古…日目

劇場へ入ると舞台芸術家を目指す大学生たちが
黙々と舞台を立てこんでくれていて……これまた女の子たちばかりです。


日大芸術学部舞台芸術学科の学生さんたち。
どうもありがとうございます。

お陰で少しゆっくりと劇場入り出来た役者さんは
チラシの折り込みのお手伝い。

一ヶ月半いっしょにすごした一体感で、
テキパキ作業をこなしたのでした。

あっという間に明日から本番です。
「本番」という興奮に自分たちのやるべきことを見失わない様に、
いままでやってきたそのままを、お客様へお届け出来る様に頑張ります。

明日は当日券の発売も予定しておりますし、
その後の回は前売り券も発売中。
皆さまのご来場をお待ちしております。