B.LET'S 

「滝本Bログ」滝本祥生のブログです。B.LET'SのHP→http://blets.jimdo.com/

動画配信終了と、ひとつ気になること

2020-05-16 17:08:00 | 日記



「エピローグに栞を」、動画配信を5/14で終了しました。
ご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。




今回の配信は、友人の脚本家で映画監督の中澤香織さんがご自身の映画作品「ニナ」を配信されていたことに触発されて、私も何かしたいと企画したことだった。

配信するにあたり、出演者の皆さんそれぞれに承諾してもらい、この世にはもういなくて承諾の取れない深水三章さんの代わりに、所属事務所の社長さんに連絡をしたところ快諾をしてくださり、




すると配信開始がたまたま深水さんのお誕生日(多分73回目の)と重なって、深水さんのファンの方にも喜んでいただき、思いもよらない反応も嬉しかった。


前のブログにも書いたけど、私の父と深水さんが亡くなったのは同じ年(2017年)で、父の方が深水さんより10 歳くらい年上で。

比べるのもおかしいけれど、俳優さんが作品の中で生き続けるっていうのは、本当だなと思った。
父にはこんなに明確に、生きていた記録がない。




知人の70代の方からも、「見たよ」と連絡をくださり、その方は今まで5度の脳梗塞を患われ、6度目の脳梗塞で入院されていたことを知っていたので心配をしていた。

わざわざ連絡をもらったことも、お元気な様子が知れたことも、嬉しかった。
今回の配信をFBで見つけたのは、5ヶ月の入院生活を経て退院されたばかりの時だったという。

コロナ渦で無事に退院できたこと、6度目の脳梗塞でも生還できたことで、今、さらに生きることに前向きだという。
めちゃくちゃカッコいい。

私にも「滝本さんらしい作品だった、がんばって」と言ってもらって。

人は人を励ますのだと、
自分がどんなに大変な時でも。
当たり前のことかもしれないけれど。


でも、人に与えてもらってばかりの私には、とても当たり前のこととは思えない。

感染症が流行する中で、今後の活動やいろいろを逡巡しながら、さまざまな理由をつけてやってみた無料配信だったけど、

お陰で出演者の方に久しぶりに連絡を取ったり、いろんな方から感想をもらったりして、勇気づけられたのは私で。結局得ばかりだった。













あとひとつ、どうしても気になっているのは、今回のYouTube配信を見てもらった方の中に、B.LET'SのYouTubeチャンネルを登録してくださった方が何人かいらして。

とても嬉しいことだけど、作品の配信が終わった今となっては…私が時々アップする、上のよく分からない「ブログを書いている動画」が配信されるだけのチャンネルになってしまい。
申し訳ない気持ちでいっぱいでいます。


…長い目で見ていただけると幸いです。



「エピローグに栞を」動画配信を開始いたしました。

2020-05-05 01:18:00 | 日記
家で過ごす時間がさらに延長される中、この機会に見ていただければと、過去作品の動画無料配信を開始しました。
2016年に上演した「エピローグに栞を」。

上演した会場は古民家でとてもステキな場所。音楽は友人でシンガーソングライターの飯田マキトさんに生演奏で歌も歌ってもらいました。

当時、日々弱っていく父との別れが、その残り時間が迫っていることが辛くて、その思いを書いた作品。
思っていた通り、上演した翌年の春に父が亡くなり、そして、信じられないことに同じ年の年末には出演していただいた深水三章さんが急逝されました。
このあたりの一、二年は思い出しても悲しいことばかりです。

現実は悲しいのですが、この作品の上演と作っていた時間は、今から思い出しても、ただただ楽しくて、幸せな時間でした。
作品を作ることは苦しいことも多いのですが、これに関しては幸せな記憶しかありません。きっと深水さんがいてくれたからですね。

深水さんに出演をお願いした時は、まだ台本もなく、参加を迷っていらしたのは当然で、確認しても生返事しかしてもらえず、「発表していいですか?」と聞いても生返事。なので私は、先に発表をしてから、「ね? もう逃げられないですよ」と笑うと、深水さんは「わかったよ」と苦笑いされていました。なんと強引な引き受けてもらい方…。だけど最終的に気に入って演じてくださり、そして、いつもカッコよかったです。

女子高生役の中村優里さんは、映像作品に出演されることが多い女優さんで、私は彼女の声が好き。そんな声や容姿のかわいらしさだけではなく、セリフを多面的に理解しユーモアを持って表現してもらえるところがとても頼もしく、信頼しています。

ショートカットの永田涼香さんは独特の雰囲気をお持ちで、難しい役所だと思っていたのですが、難なくやってのけたという感じ。深水さんにもたくさん質問して、体いっぱいで学び吸収し成長していかれる様は瑞々しく、感動的でもありました。
で、この女子2人がかわいくて、いつも癒されました。

今回映像を見返し、劇団員の永島さんと大田さんが久しぶりに演技をされているところを見て、最近はリーディングが続いていたこともあり、素直に嬉しくなりました。

この公演は古民家の居間で上演しましたので、お客様には狭い板の間に座布団を重ねてギュウギュウに詰めて座っていただきました。
今となっては考えられない状況。奇跡みたいな出来事だったのだなと思います。

そう思うと、観客と一緒に空間と時間を作る「演劇」という表現で、体験は、非効率でアナログで、それでも人が集まる理由はひとことではとても説明が難しく、その本番のひとつひとつが奇跡の連続だったのだと、こうなった今、改めて思います。
この機会にこの配信を見ていただくこともキセキみたいなものですし。
お友達からも「見たよ」と感想をもらって、私の方が嬉しくて。
何か少しでも、皆さまのお役に立てていたらと思います。

先のことは分かりませんが、時代と共に変わりながら、粘り強く変わらずに、楽しんでいただける作品を作っていきたいと今は漠然と考えています。
配信は14日まで。この機会にご覧いただけましたら幸いです。

B.LET'S16回公演

「エピローグに栞を」(2016) 

作・演出/滝本祥生

出演/

永島広美

大田康太郎(以上B.LET'S

中村優里

永田涼香


深水三章


音楽・演奏・歌/飯田マキト

挿入歌「狭い庭」

https://youtu.be/D5PpAuYXJ-M