Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

数百年の闇

2021年05月21日 06時30分31秒 | Weblog
木庭顕『ローマ法案内──現代の法律家のために』
 「人文主義を可能とする基礎、端的に言えば古典語の能力、が完全に失われた以上、法律家に多くを望みえない状況であり、この状況は数百年は続くと見られる。これは初めてのことではなく、ローマ帝国末期以降や人文主義後を彷彿とさせる。
 「ギリシャ・ローマの遺産も人文主義も共に、現実を鋭く見つめることと問題への根底的な接近、道具概念の根本的な革新、を指示する。伝統芸能を守るが如きは基本に反する。現に、時代錯誤は軽侮の念をひたすら増長させるばかりである。」(p229)

 政治や法が成立しない、あるいは成立しても崩壊してしまうという現状にどう対処すべきかということは、少なくとも法律家にとっては必ず考えるべき問題だろう。
 そこで、政治と法の発生の条件を追求しようとするのであれば、古代ギリシャとローマの文献に当たるしかないというのが、おそらく常識的な考え方だろう。
 だが、「現実を鋭く見つめる」実務家が、「古典語の能力」を有しているというのは、極めて稀だろう。
 実際、私はそのような人を見たことがない。
 「数百年の闇」というのは、悲しいながら現実のものになりそうである。

 
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狙い撃ち

2021年05月20日 06時30分15秒 | Weblog
「東京都は緊急事態ではない」 グローバルダイニング、東京都の休業命令に従わないと発表
 「和食店やイタリアンレストランなどを展開するグローバルダイニングは5月18日、東京都が酒類の提供を続ける飲食店33店舗に出した休業命令で、このうち23店舗が同社が運営する施設だと発表した。あわせて通常営業を継続する姿勢を明らかにした。
東京都を提訴したグローバルダイニングに、飲食店オーナーたちは何を思ったか
 「このことについて改めてグローバルダイニング社の訴訟の経緯を調べてみると、そもそも同社は飲食業界の問題だけとは捉えていないようだ。東京都から緊急事態措置に応じない旨を強く発信していることを理由に措置命令書が出されたことは表現の自由の侵害に当たるのではないのかということ、「措置命令書」が出された27店舗中26店舗がグローバルダイニング社の経営する店舗だったことは、法の下の平等と照らし合わせても納得できないことなど、日本における民主主義を改めて問い直すことを目的としている。

 主張の当否について論じるつもりはないが、東京都がグローバルダイニング社に狙い撃ち的に休業命令を出したところは、やはりフェアではないと感じる。
 夜の街を歩いていると、結構な数の店が20時以降も営業していて酒類を提供しているのに、これらについてはお咎めなしという理由がよく分からない。
 「口封じ」の狙い(立証は難しいだろうが)が込められているとすれば、裁量権濫用という判断も成り立つだろう。
 
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帰ってくる

2021年05月19日 06時30分46秒 | Weblog
「トップガン」が帰ってくる、T・クルーズがマーヴェリック役を再演
 「もちろんマーヴェリック役でトム・クルーズが主演する。

 これだけしか情報がないので、ベルリンが音楽で復活するかまでは分からない。
 少し驚いたが、解散せず今も活動を続けているらしい。
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一人三役

2021年05月18日 06時25分55秒 | Weblog
 「ニーベルングの指環」ハイライト特別演奏会は、終演後もしばらく拍手が鳴りやまない大盛況のうちに幕を閉じた。
 私が特に注目したのは、トマス・コニエチュニー(バス・バリトン)で、アルベリヒ、ヴォータン、グンターの三役を見事に演じた。
 2017年の「東京春音楽祭」で、「アルベリヒ役はこれが最後」と宣言していたので、意外に思ったのだが、従前のような声の出し方(高音を絞り出すような感じ)はしておらず、その言葉は本当だった。
 それにしても、やはり音楽は、人間の「日常生活に必要不可欠なもの」だと思うのである。
 
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ぶっとんでる

2021年05月17日 06時30分15秒 | Weblog
Shohei Ohtani Unleashed(ニューヨーク・タイムズ)

 ニューヨーク・タイムズは、大谷翔平選手のことをエンジェルスの“super freak”と呼んでいる。
 さて、“super freak”をどう訳したらよいかだが、普通の辞書には載っていないと思う。
 だが、音楽好きの人ならば、リック・ジェームスの同名の曲を知っているだろうから、これがヒントになる。
 日本語にどう訳すかだが、この方(今日の1曲♪ 〔Super Freak/Rick James〕)が訳したように、「ぶっとんでる」が一番しっくりくるようだ。
 彼は、従来の野球選手のイメージを超越しているのである。
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新たな身分制

2021年05月16日 06時30分09秒 | Weblog
日本人の国家生活 石井紫郎
 「一般的に言って、近世日本にはいわゆる業績主義・能力主義と身分(筋目)主義とが併存し、微妙にバランスをとっている。後者から前者へ、あるいはその逆に前者から後者へ、とこの両者の関係について歴史学上いろいろ論議があるが、どちらにせよこうした推移をはっきりと跡づけることは困難であって、事実として存在する後者の大枠を前提にしつつ、そのなかで前者のもつ利点が説かれ、現実にも相当程度それが実行されている、というのが近世を通じての実態であったように思われる。」(p186)

 読んでいてぎょっとした。
 「近世」という言葉を「現代」に置き換えれば、そのまま通用してしまうからである。
 「身分」というのが、血筋(職業・企業の世襲)を指すのか、労働契約上の地位(正社員、非正規社員等)を指すのかという問題はあるが、現代でも「身分」の問題は根強く残っている。
 現代に救いがあるとすれば、身分の「上昇」(ランクアップ)があり得ることで、これについては、専門職から上級職に鞍替えし、外務事務次官まで昇りつめた薮中三十二氏のことが思い起こされる。
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営業再開

2021年05月15日 06時30分41秒 | Weblog
高島屋は都内の大半の売り場再開、三越伊勢丹は一部のみ…「宣言」対応に百貨店苦慮
 「高島屋は都内の4店舗で、玩具や宝飾品、ゴルフ用品などを除き、衣料品や靴などほとんどの売り場を再開する。営業時間も多くの店舗で延長し、通常に近づける。

 東京では、今週からデパートでの法律相談が再開している。
 デパートの法律相談コーナーは、だいたい催事スペースなどがあるフロアにあるので、これはデパートの営業がほぼ全面再開したことを意味している。
 各社によって対応が分かれているようだが、高島屋をはじめとするデパートに加え、JR東日本グループの駅ビル商業施設もほぼ全面的に営業を再開している。
 このように、どう見ても、休業要請に応じているとは言えない状況である。 
 デパート・商業施設側も、今回ばかりは我慢の限界だったかと思われるし、怒りのようなものを感じる。
 無理もないことである。
 デパート等が休業中、都内では、80代以上に限定しても毎週100人前後、「施設等」での感染が発生していた(最新のモニタリング項目の分析・総括コメントについて:①-5の箇所)。
 常識で考えれば、「施設等」でのクラスター発生防止が最優先のはずであり、そこを徹底させないまま、デパートなどに休業要請しても納得がゆかないというのは理解できるところである。
 やはり、合理的な根拠をもった政策でなければ、実効性は乏しいということなのだろう。
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ワーグナー様がいない春(2)

2021年05月14日 06時45分30秒 | Weblog
【重要】5月弊団主催公演 開催のお知らせ
 「5月に開催を予定しております下記の2公演につきまして、先日の国および都の緊急事態宣言下でのイベント開催制限等についての発表を受けまして、公演開催会場と協議の結果、感染防止対策を徹底の上で予定通り開催いたします。

 R.ワーグナー 「ニーベルングの指環」ハイライト特別演奏会 ~飯守泰次郎 傘寿記念~の開催が決定した。
 これで、何事もなければ、2年ぶりにワーグナー様が上野の森に降臨なさるということになる。
 ちなみに、チケットは完売だそうである。
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単身赴任ハラスメント(2)

2021年05月13日 06時29分55秒 | Weblog
Book:女性と戦後司法〜裁判官、女性がおわかりですか?
 「女性につきましては、これは私どもの方で取扱いを特に異にすることはございませんが、しかしながら第一線の所長さん方からはあまり喜ばれないというようなこともあるものでございますから、そういうような一つの空気はあるわけでございます。」(昭和45年、矢口洪一人事局長の国会答弁)
 「年長者、身体障害者、女性についてはあまり歓迎しない。(中略)一筋縄でいかぬ職員組合の猛者を押さえる必要があるから女性には気の毒だ。夫婦とも裁判官の場合、任地の調整が大変で妻が夫の足を引っ張る結果となる」(同年、矢口洪一の修習生任官説明会)」

 すごい時代もあったものだ。
 だが、ここで分かるのは、裁判所は、(所長クラス以上は別として、)単身赴任を強いるような異動はさせないということである。
 つまり、裁判所において単身赴任ハラスメントは昔からタブーとされてきたのであるが、これは強調しておいてよいことである。
 なぜなら、一般の企業においては、ゴリゴリ証券(【恐怖】人事が教えるリストラの裏技3選 2:02付近から)のように、単身赴任を余儀なくさせて社員をリストラしようとする会社は、いまだに絶えないからである。
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割れる対応

2021年05月12日 06時30分19秒 | Weblog
都内でも“国立”は再開 緊急事態宣言の対応割れた博物館、美術館
 「東京国立近代美術館も12日から再開した上、12日から16日は午後8時までの夜間開館も実施する。告知は「文化庁の方針により」としており、官公庁間の認識のズレが浮き彫りになった。

 なるほど。
 同じ美術館でも都立だと休館、国立だと開館という矛盾は、やはり政治的な背景を考えれば分かりやすいかもしれない。
 例えば、「文化庁」というのを、「文教族」と読み替えてみるとどうだろう?
 都知事と犬猿の仲と言われるあの方の姿が浮かんでくるのではないだろうか?
 まあ、私見ではあるけれど。
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