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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

譲渡担保を巡るエトセトラ(11)

2021年11月19日 06時30分52秒 | Weblog
現代日本法へのカタバシス【新版】
 「委任の観点からするならば、Xは何故自分でMNの間を媒介せず、Aのようなものを挟むのか、という問題が立つ。MやNに信用を与えてリスクを取らなければならない立場であるのに、まさにこれを回避したいのであろう。Aの(自分以外の)債権者に損失を押し付けて自分は逃げ切ることができる。ただしもちろん包括的な譲渡担保を自分だけが取っている限りにおいてである。
 ・・・Aは縛られ信用されない分、投げやりになる。包括的な譲渡担保で縛れば縛るほどAには裏切りの動機が発生する。現にYに寝返った。
」(p195)

 こういう取引社会にいると、「ジャイアン/恐竜だらけの街」で暮らしているような錯覚に陥りそうである。
 そういえば、二十年ほど前、ある大商社に勤めている友人に業界事情を聞いたら、こんな説明があった。

 「商社というのは、実は『金貸し』なんだ。例えば、東南アジアのインフラ開発プロジェクトに金を貸し、その際、LIBOR+10%なんていう高い金利を取って稼ぐんだ。信用調査なんて簡単だよ。エクセルでキャッシュフローが回るかどうか計算するだけさ。

 「まさにジャイアンだな」と思っていたところ、しばらくしてこの商社は経営危機に陥った。
 バブル時代の一部の金融機関と同じことをしていたのだから、無理もない話である。
 さて、動産の譲渡担保を見れば、「ジャイアン」や「恐竜」が跋扈する取引社会の惨憺たる状況が明らかになるわけだが、いまだに不動産の譲渡担保もあって、こちらはやや違った様相を呈している。


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