北朝鮮をめぐるアメリカの詭弁作戦(田中宇)
「北朝鮮の核問題には、この手の真偽の判断が難しい話がいくつもあるが、日本では「アメリカがウソを言うはずがない」「アメリカを疑う者は北朝鮮シンパである」といった短絡的な見方が多い。北朝鮮の核問題は、日本の安全や将来に影響する重要な問題なのだから、もっと冷静に思考されるべきである。
真偽の判断が難しい「灰色」の話がたくさん報じられ、それがいつの間にか「黒」(確定的な証拠)にされていく過程は、すでにイラク戦争前に経験したことだ。ニューヨークタイムスは、イラクをめぐっても怪しい報道を展開し、ジュディス・ミラーという国防総省に近い記者が、今ごろになって責任追及されている。おそらく、サンジャーやミラーが記者個人として怪しい報道をしたのではなく、ニューヨークタイムスはトップの経営判断として米上層部のプロパガンダ戦略に協力したのだろう。」
13年前(2004年6月11日)のメルマガだが、今読むと滋味鞠すべきものがある。
北朝鮮は、核を持っているか持っていないかわからないような「灰色」の状態を保つことによって、アメリカによる軍事攻撃を避けるとともに、日韓からの経済援助を引き出してきたわけである。
ところが、大々的に水爆実験をやってしまい、この均衡が破れた。
プロレスでいえば、シナリオを逸脱してしまったのである。
「北朝鮮の核問題には、この手の真偽の判断が難しい話がいくつもあるが、日本では「アメリカがウソを言うはずがない」「アメリカを疑う者は北朝鮮シンパである」といった短絡的な見方が多い。北朝鮮の核問題は、日本の安全や将来に影響する重要な問題なのだから、もっと冷静に思考されるべきである。
真偽の判断が難しい「灰色」の話がたくさん報じられ、それがいつの間にか「黒」(確定的な証拠)にされていく過程は、すでにイラク戦争前に経験したことだ。ニューヨークタイムスは、イラクをめぐっても怪しい報道を展開し、ジュディス・ミラーという国防総省に近い記者が、今ごろになって責任追及されている。おそらく、サンジャーやミラーが記者個人として怪しい報道をしたのではなく、ニューヨークタイムスはトップの経営判断として米上層部のプロパガンダ戦略に協力したのだろう。」
13年前(2004年6月11日)のメルマガだが、今読むと滋味鞠すべきものがある。
北朝鮮は、核を持っているか持っていないかわからないような「灰色」の状態を保つことによって、アメリカによる軍事攻撃を避けるとともに、日韓からの経済援助を引き出してきたわけである。
ところが、大々的に水爆実験をやってしまい、この均衡が破れた。
プロレスでいえば、シナリオを逸脱してしまったのである。