世界文学を読みほどく—スタンダールからピンチョンまで—
トップバッターはスタンダールの「パルムの僧院」である。
池澤氏は、この小説の大きな特徴は、登場人物(及び作者・読者)の「幸福感」と、舞台としての「政治」及び主人公らの「魅力」であるという。
だが、「幸福感」と「魅力」とはおそらく不可分のものだろう。というのも、「幸福感」は、ファブリスとジーナという「魅力」にあふれた(逆にいえば「魅力」以外の駆動力を持たない)登場人物が、思いのままに行動することによって生じるものだからである。この2人は、「情熱」だけで不倫をしたり殺人を行ったりするのである。
トップバッターはスタンダールの「パルムの僧院」である。
池澤氏は、この小説の大きな特徴は、登場人物(及び作者・読者)の「幸福感」と、舞台としての「政治」及び主人公らの「魅力」であるという。
だが、「幸福感」と「魅力」とはおそらく不可分のものだろう。というのも、「幸福感」は、ファブリスとジーナという「魅力」にあふれた(逆にいえば「魅力」以外の駆動力を持たない)登場人物が、思いのままに行動することによって生じるものだからである。この2人は、「情熱」だけで不倫をしたり殺人を行ったりするのである。