植物園の桜は気づきにくい。ひしめきあった樹上の上に咲くからだ。このエドヒガンも濃緑のツバキゾーンの奥にあり見上げないと分からない。そこで一句。
木々の間を くれないに染め エドヒガン (ムカイノ・カッパ)
木々の間を くれないに染め エドヒガン (ムカイノ・カッパ)
湯川記念館の中庭といった感じで、東側にある。ノーベル賞受賞の記念樹がこの「ベニシダレ」だそうだ。受賞が1949年だから58年の樹齢ということになる。植物園から見ると温室の影になって分かりにくい。いまが満開。
3月22日に第48回観察会「春の雑草」が行われた。ガイドは農学部の三浦励一さん。50名近い参加者があった。雑草は身近といえば身近な存在。興味の対象にはなる。みんなが歩いた後にムラサキサギゴケの小さなピンクの花が咲いていた。
農学部の南側の入り口の所にマルメロがある。樹皮はカリンとよく似ている。カリンの実の表面には毛がないが、マルメロの実には一面に綿毛が生えているそうだ。考えてみれば、余りマルメロの実は見ていない。木が若いのかも知れない。
農学部の門の分離帯にカリンが植えられている。植えられて10年位になるだろうか。秋にはたわわの実をつける。知らない内に実はどこかに消えて行く。家庭の「カリン酒」にでもなっているのだろう。ただ、危惧する。もっと木が大きくなってあの実が上から落ちてきたら人ならば脳挫傷、車ならば天井がへっこむのは請け合いだ。いくら考えても、門の分離帯にはまずいのではないかと考える。ただ、カリンには責任がない。
高知県のみに自生するのでトサミズキ。理学部2号館の前に植栽されている。ちょっと不思議な花だ。幾重にも花が重なっている。細い裸木の先に黄色い花がぶら下がっているという感じ。植物園の中にも2本あった。日当たりの関係か、花は疎らだ。
前に岩倉のマツタケ十字軍運動を紹介した。今回は地域の子供たちとの交流を紹介したい。総勢72名、ヤマがはちきれそうな数だ。「マツタケ探し」をしたり竹トンボを作ったり、餅つきをしたりと子供たちは多いに遊んだ。吉村さんは「今日は、気がついたら始まり、気がついたら終わっていた感じである」と表現している。子供の存在は、矢張り大きい。
池の水面がゆれた。何もいない。なぜだろう、と目を凝らして見るとメダカがいた。ムカイノ・カッパが近づいたので動揺し水面に波紋を残したのだろう。メダカは絶滅危惧種になっている。これも半分は人間の都合だ。メダカはおうように池のなかを泳いでいる。
第48回京大植物園観察会のテーマは「春の雑草」。ガイドは農学部の三浦励一さん。枯野になった植物園も春の陽気に誘われて、雑草が逞しく芽吹いている。雑草で括ってしまいそうな彼等にもそれぞれ名前がある。野草として捉え直す必要があるのではないだろうか。
トラツグミがガラス窓に激突してなくなったのが1月10日。今度はイカルが犠牲になった。奈良の法隆寺周辺を「斑鳩の里」という。この斑鳩(いかるが)が訛って「イカル」という名前になったそうだ。黒い羽根の風切部分に白い模様が入っている。綺麗な鳥だ。斑鳩の里はこの鳥が沢山飛び交っていたのだろう。