池が大きくみえる。葦刈りが行われたようだ。奥の方に残してあるのは研究用なのだろう。枯れ葦の茎のなかに虫が入っている。その虫を研究対象にしている院生がいるそうだ。何が必要で何が不要なのか分からない、それが京大植物園の摩訶不思議さなのだ。そこで一句
葦刈りや 水面の切っ先 キラリとす (ムカイノ・カッパ)
葦刈りや 水面の切っ先 キラリとす (ムカイノ・カッパ)
イヌビワの実は小さい。形態はイチジクに似ている。イヌビワコバチの雌が先の口から卵管を伸ばして中に卵を産む。そして、成長したコバチがここから出てくる時に花粉を身につけ、イヌビワの受精を助ける。共生関係の妙。
第47回観察会は「イヌビワについて」。ガイドは自然観察指導員の小吹和男さん。イヌビワは雌雄異株で、現在実がなっているのは雄株。中でイヌビワコバチを育てるそうだ。イヌビワは小さい。そこに出入りするイヌビワコバチは本当に小さなハチなのだろう。植物園でも現認したのは2個だけだ。
理学部2号館(生物系)の南側に、メタセコイアがポツンと一本立っている。巨木とはいえない。しかし、高さは2号館と同じだから大きな木であることは確かだ。2号館建設時に一時移植され、建物が出来たあと何らかの意図を持って植栽されたものだと考える。そのメタセコイアが「伐採反対」のハチマキをしている。なにかきな臭い話があるのだろう。植栽されて年月は余りたっていない。無計画にも程がある。
オオニジは八重椿。椿は赤い花だがなんとなく地味だ。オオニジは別。大柄で派手な装いは他を圧倒している。ブログの主オイケノ・カッパから連絡が届いた。カメルーンでモエビと手長エビを食べて何とか生きているという。仕事の方も多少は進展しているらしい。
日陰にあるサラサボケはまだツボミだが、日向にあるヒボケは可愛い花を付けている。梅と桜との間に咲くということで蔑称のボケになったという説もあるらしい。原色に近い色合いが日本人には会わなかったのかも知れない。
園内の建物の入口のガラスにバードセイバーが貼られている。これは「フクロウ」だ。反対側のガラス窓には「ハイタカ」が貼られている。現在はこの二種類らしい。思ったより小さい。《トラツグミの悲劇》を繰り返さないために鳥類学者の梶田学さんが提供してくれた。
第47回観察会が2月22日の昼に行われます。ガイドは日本自然保護協会の指導員小吹和男さんです。イヌビワの葉はカワニナの好物で、カワニナが生息する所にホタルが繁殖すると聞きます。「哲学の小径」の疎水にはホタルがいます。同じ水系の植物園の池の周辺にもホタルが飛んでいるかも知れません。
梅の便りを聞く時期になった。植物園の梅はどうだろうと探した。塀沿いに入り、縄文時代の古墳に分岐する角に梅があった。南にナナメノキの巨木があり日が当たらない。すぐ隣にはナンキンハゼの巨木がある。夏はこの木の木陰になるだろう。ひょろりと伸びた枝も精彩がない。植物園の梅便りは当分さきになりそうだ。
サラサボケの芽生え。ボケの中で紅白の花が混在するのがサラサボケ。周辺の木々はまだその兆候を見せていない。今年は暖冬のせいか、枝の先に緑の葉がついている。先だけにしか葉がついていないというのも、ちょっと奇異な感じがする。