京大植物園TODAY

京都市左京区の京都大学北部キャンパス内にひっそり佇む現代の杜、京都大学理学研究科附属植物園の日々の風景を紹介します。

2008年6月30日: ゆくのき通信第4号発行。

2008年06月30日 15時57分01秒 | Weblog
京大植物園の交流誌“ゆくのき通信”第4号が発行されました(発行日:2008年6月30日)。

目次は以下の通りです。(同通信より抜粋):

理学部植物園―1990年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・清水 勇 (1)

北部構内の森・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松生 歩 (3)

夢の大学実験植物園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・湯本貴和 (7)

『古事記のフローラ』と植物園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大月 健 (12)

「京大植物園 花・樹・実の地図作り」に取り組んで・・・・・・坂本三和 (14)

「京大植物園 花・樹・実の地図」2007年春・秋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(15)

「地図をつくろう」反省記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西田佐知子 (16)

生態植物園探訪(1)
フランス国立自然史博物館付属パリ植物園生態園・・・・・・大石高典 (17)

第4回 「京大植物園便り」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中島和秀 (20)


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表紙画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寺田晶英
シンボルイラスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かじわられいこ

発行:2008年6月30日 京大植物園を考える会

#「ゆくのき通信」ご希望の方は、京大植物園を考える会(kyotoubg [at] hotmail.com)まで連絡をお願いします。



カナヘビを釣る

2008年06月20日 17時03分30秒 | Weblog
63回観察会は雨上がりの曇天。「小さな竜」は天気がいい方がよく動くそうだ。探してもなかなかいない。とその時、誰かが居たと小声でささやいた。ソテツの頭頂部にカナヘビがいる。大渕さんが餌をつけた竿をだす。釣れた瞬間がこの画像だ。喝采をあびた。(ムカイノカッパ)

63回観察会「小さな竜をさがそう」

2008年06月20日 16時28分42秒 | Weblog
63回観察会のテーマは「小さな竜をさがそう」。ガイドは理学研究科の大渕さんと片山さん。にこにこしながら話す片山さんの手にはシマヘビ。ちょっと腰がひける。何故だろう。田舎ではヘビのことを「口縄」といった。縄に口があるから理不尽で、きっと腰がひけるのだろう。(ムカイノカッパ)

第63回 京大植物園観察会のお知らせ(2008年6月)

2008年06月19日 12時05分13秒 | Weblog
京大植物園を考える会より、2008年6月の植物園観察会の案内を頂きましたので、以下にご案内します。

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★ 第63回 京大植物園観察会のお知らせ ★ 

日時:2008年6月19日(木)12:05~12:55 

テーマ:『小さな竜を探そう』

案内人:大渕希郷さん(京都大学理学研究科動物系統学研究室

場所:京都大学北部構内理学部植物園前に集合してください。

主催・問い合わせ先:京大植物園を考える会

植物趣味の「三徳」。(牧野富太郎[1981]、『植物知識』より。)

2008年06月12日 14時49分49秒 | Weblog
引き続き、牧野博士の本からの引用です。植物と仲良くなると、世界が広がる。その素晴らしさを「三徳」にまとめられています。

『私は世人が植物に趣味を持てば次の三徳があることを主張する。すなわち、第一に、人間の本性が良くなる。野に山にわれらの周囲に咲き誇る草花を見れば、何人もあの優しい自然の美に打たれて、和やかな心にならぬものはあるまい。氷が春風に融けるごとくに、怒りもさっそくに解けるであろう。またあわせて心が詩的にもなり美的にもなる。

第二に、健康になる。植物に興味を持って山野に草や木をさがし求むれば、自然に戸外の運動が足るようになる。あわせて日光浴ができ、紫外線に触れ、したがって知らず識らずの間に健康が増進せられる。

第三に、人生に寂獏を感じない。もしも世界中の人間がわれに背くとも、あえて悲観するには及ばぬ、わが周囲にある草木は永遠の恋人としてわれに優しく笑みかけるのであろう。惟うに、私はようこそ生まれつき植物に愛を持ってきたものだと、またと得がたいその幸福を天に感謝している次第である。』

(牧野富太郎「植物知識」(1981;講談社) p.104.)

「自然の宗教!その本尊は植物。」(牧野富太郎[1981]、『植物知識』より。)

2008年06月12日 14時43分29秒 | Weblog
牧野植物図鑑で有名な牧野富太郎博士(1862-1957)は、日本における近代的植物分類学の草分けであると同時に、自然観察会などの場で一般に植物と触れ合うことの楽しさを伝える達人でもあったと言う。牧野博士は植物世界への思いを、著書「植物知識」(1981;講談社)のあとがきで以下のように述べておられる。

『翠色(すいしょく)滴る草木の葉のみを望んでも、だれもその美と爽快とに打たれないものはあるまい。これが一年中われらの周囲の景致(けいち)である。またその上に植物には紅白紫黄、色とりどりの花が咲き、吾人の眼を楽しませることひととおりでない。だれもこの天から授かった花を愛せぬものはあるまい。そしてそれが人間の心境に影響すれば、悪人も善人になるであろう。荒(すさ)んだ人も雅な人となるであろう。罪人もその過去を悔悟するであろう。そんなことなど思いめぐらしてみると、この微妙な植物は一の宗教である、とは言えないことはあるまい。

自然の宗教!その本尊は植物。なんら儒教、仏教と異なるところはない。今日私は飽くまでもこの自然宗教にひたりながら日々を愉快に過ごしていて、なんら不平の気持ちはなく、心はいつも平平坦坦である。』
(牧野富太郎「植物知識」(1981;講談社) p.101.)