京大植物園TODAY

京都市左京区の京都大学北部キャンパス内にひっそり佇む現代の杜、京都大学理学研究科附属植物園の日々の風景を紹介します。

第45回 京大植物園観察会のお知らせ(2006年12月)

2006年11月23日 18時41分23秒 | Weblog
京大植物園を考える会の皆さんより、12月の植物園観察会の案内を頂きましたので、ご紹介します。

> 第45回 京大植物園観察会のお知らせ
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> テーマ:『 ドングリから探る、植物の分散戦略 』
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> 日時:2006年12月7日(木)12:05~12:55
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> ガイド: 西田佐知子さん(名古屋大学博物館)
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> 場所: 京都大学理学部附属植物園
>(今出川通より京大農学部表門を入ってすぐ右側京大植物園入
> り口に集合ください。)
> 参加費:無料。
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> 主催: 京大植物園を考える会
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> (本活動は、平成18年度京都市京エコロジーセンター環境保全
> 活動支援事業による助成を受けて実施しています。)  

草刈り区と非草刈り区。(パリ:フランス国立自然史博物館付属植物園)

2006年11月22日 06時00分08秒 | Weblog
パリの自然史博物館の生態園には、1ha以下の面積の中にブドウ畑区もあれば、草本区もあります。とくに、定期的に草刈りが行われている区「草刈り区」についての説明です。かつてイルードフランスで盛んだった家畜飼養に伴うグレイジングの効果を想定した実験区であるようです。以下、説明の原文(アクサン記号略)とカッパによる日本語訳です。

《 LA PRAIRIE DE FAUCHE…FAUCHE 》

"La pratique du fauchage dans la gestion des milieux herbaces permet le maintien d’une flore specifique, le fromental (Arrhenatherum elatius L.), la sainfoin (Onobrychis viciifolia Scop.), la marguerite (Leucanthemum vulgare Lam.), l’achillee mille feuilles (Achillea millefolium L.)… L’abandon du fauchage conduit a la transformation rapide en fourres arbustifs. Actuellement ces plantes manecees par le recul de l’elevage dans le mode d’exploitation agricole en ile-de-France, trouvent refuge sur bord des routes."

《 草刈り区における草刈りの意味について 》

『草本環境の管理では、刈り取り作業の実施が、フロメンタル(Arrhenatherum elatius L.)、サニフォワン(Onobrychis viciifolia Scop.)、マルグリット(Leucanthemum vulgare Lam.)、アキレス・ミルフィーユ(Achillea millefolium L.)などなど、特定の植物相の維持を可能にしています。一方、潅木の茂みでは、在来環境への速やかな変換を図るために、草刈り作業は行われていません。実際イルードフランスでは、農業的土地利用法としての家畜飼養が衰退した結果、生存の危機に晒されることになった植物たちは、道路の路肩など僅かな場所に避難することになったのでした。』

生態園の風景-その2。(パリ:フランス国立自然史博物館付属植物園)

2006年11月22日 05時51分30秒 | Weblog
幸いにも、茂みの中からでてきた、園丁《jardinier》さんの一人、バレ・フィリップさんとお話しすることができました。

フランス国立自然史博物館の生態植物園の面積は、8200㎡(0.82ha)。1936年に、Pierre Allorge博士が創設。1960年から、研究のために全ての訪問客に原則入園禁止にしている(撹乱を防ぐため)。園の管理は、園丁2人が、多分野の研究者と協力しながら行っている。顕花植物の研究者のほか、主たる研究利用は昆虫学者と鳥類学者によるものが多いとのことでした。環境問題としての生物多様性への関心が高まる中で、植物園における生態園の重要性は増してきている、とのことでした。

「生態植物園」としては、京大植物園の方が13年ほど早く生まれたようですね。

生態園の解説:その2…林床部の役割。(パリ:国立自然史博物館)

2006年11月22日 01時02分02秒 | Weblog
生態園、とくにその主たる構成要素である林床部についての解説パネルです。同じく原文(アクサン記号省略)とカッパによる日本語訳です。

《 LE JARDIN ECOLOGIQUE 》
"Des milieux forestiers y sont presentes depuis sa creation en 1937. Aujourd’hui des milieux 《 ouvert 》y ont ete ajoutes. L’objectif de ces presentations est de faire decouvrir aux visiteurs la diversite et la fragilite des milieux et des especes vegetales qui poussent naturallement (spontanees) dans le Bassin parisien. Ces groupements vegetaux abritent de nombreuses especes, certaines sont rares ou meme en voie de disparition."

【生態園とは(林床部の役割)】

『林床部は、1937年の生態園の創設時から存在しています。今日に至るまでに、そこに「開かれた」環境がそこに加えられました。これらの展示の目的は、訪れる方に環境の多様性と脆さ、そして、パリ盆地を自然なままにしておくとどのような植物種が勝手に生えてくるのか、を見て頂くことにあります。この林床部は、数多くの植物種を保護する役目を果たしており、それらのうち幾らかは、希少であるか、消滅への過程にあるものです。』

生態園の解説:その1。(パリ:国立自然史博物館)

2006年11月22日 00時51分43秒 | Weblog
生態園は、フェンスで囲まれており、解説のパネルがぶら下げられています。なぜ、生態園がどういう目的で設けられているのか分かり易く解説されているので、原文(アクサン記号は略)とカッパによる拙い日本語訳をご紹介しようと思います。

《LE JARDIN ECOLOGIQUE》

"Le jardin ecologique illustre la diversite des milieux ou 《 diversite ecologique 》. Il est constitue d’evocations de milieux naturels ou lies aux activites humaines dans notre region, l’ile-de-France. Ce 《 jardin de la biodiversite ecologique 》est amenage en etroite collaboration entre le Departement des jardins botaniques et zoologiques et le Conservatoire botanique national du Bassin parisien."

【生態園とは】

『生態園では、環境の多様性、あるいは《 生態学的多様性 》を展示しています。それは、私たちの地域であるイルードフランスの在来の自然環境、そして様々な人間活動に結びついた種々の環境要素により構成されています。この《 生態学的生物多様性園 》は、フランス国立植物園に属する動物学・植物学の各分野、および国立パリ盆地植物保全学院(le Conservatoire Botanique National du Bassin parisien)の間の緊密な協同のもとで維持管理されています。』

整然とした園内。(パリ:フランス国立自然史博物館付属植物園)

2006年11月22日 00時17分58秒 | Weblog
植物園見学(あるいは単なる散歩?)に来ていた子供たち。

大きな植物園の敷地の中には、いくつかに区分けされた植物園(栽培植物園、学習園、温室、動物園、生態園(!?)、図書館)があり、さらに自然史博物館本館(進化の大展示館;遠景)のほか、比較解剖学・古生物学展示館、鉱物学・古植物学展示館、図書館などの建物があります。