村上春樹ファンを名乗るなら、むしろ彼の短編を抑えておいた方がいいと思う。彼の作品で何が好きか聞かれて「ノルウェイの森」などと答えようものなら、ホントの春樹ファンはそこでさりげなく話題を変える、心の中で「やれやれ・・・」とつぶやきながら。
で、発売前から増版したという「色彩を持たない・・・ 」がアマゾンで予約していたのでちゃんと12日に届いた、土日が忙しかったのでまだ半分ほどしか読んでないが、なんか、ちょっと変わった?
彼の長編と言えばハルキワールドと言われるくらい、入り込みやすい文章表現と、それにつられて入ると、とてつもなく難解な世界になっていて、そこで読者のイマジネーションを自在にあやつる衒学的な物語が展開されるというのが私の印象なのだが、今回はちょっとちがう気がするのだ。
なんか輪郭がはっきりしているし、はかなさと透明感がないような気がする、いうなれば主人公が大人になって地に足がついているような感じ。
冒頭に書いたように村上春樹については私は短編が素晴らしいと思っているのだが、今回の作品は短編の骨組みに肉付けしたような、まあ最後まで読んでみないとわからないのだがこれはこれで一つの転機となる作品では。
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