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家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

クモとハチ

2008-09-22 08:15:35 | Weblog
ハチとクモが踊っているように見えた。

だがその後すぐにクモは動かなくなった。

ハチの毒が回ったのだろうか。

そして小さなハチが自分よりも3倍もあろうかという大きなクモを運んでいった。

土に開けた穴の中にクモを運び込もうとしていたのだ。

坂の途中に作られた穴の中に大きなクモを運び込むのはたいへんだ。

何度も何度も一緒に転がり落ちた。

でもせっせと繰り返し持ち上げて行った。

クモを穴に入れたあとハチはお尻から穴に入り頭を出した。

その頭が小刻みに揺れていた。

「産卵だ」と分かった。

その後穴の入り口を土で塞いでしまった。

もう何の痕跡もない。

卵から孵ったハチは目の前にあるクモというエサを食い自力を付けてから地上に出てくる。

この完全犯罪のような行動は子孫のためのものだったのだ。

クモの巣にかかってしまったハチは無力だがエサを探す母親バチとすれば巣にいるクモは狙い易いのかもしれない。

いつ逆転するか分からない自然。

「ハチとクモのどちらが強いの」という子供じみた疑問は母親という大きな要素を入れ忘れたことに気付いた。

健気だけれども残酷のような気もする自然。