家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

サビさびのナタのサヤ

2021-05-19 07:42:21 | Weblog
そろそろナタ自体が出来上がりそうなのでサヤを作ることにした。
ナタの柄は倒れたケヤキの枝だがサヤはというと、やはり倒れた今度は杉の幹を使った。
倒れた場所に行き使う分だけチェーンソーで切り取り、さらに四角く薪割りで割って自宅に持ち込んだ。
自宅ではナタの入る部分を彫刻刀などで掘る。
左右に分かれたサヤの両側を少しずつ削っていく。
チェーンソーも薪割りも使わないので室内でコツコツと行うことができる。
明るいところでTVをつけておいたり音楽を流しながら作業するのはとても楽しい。
「そろそろいいかな」と左右の板を合わせて、その隙間にナタを入れてみる。
「ちょっとまだギクシャクするな」と再び板を左右に分けて削り作業を続ける。
その折、時々コーヒーを味わったりすると疲れ具合が格段と違ってくる。
食事をするテーブルを片付けて、そこに作業台を置き作業を進める。
その台にはストッパーを付けてあるので彫刻刀に少々力を入れ過ぎても作業台ごと動いてしまうことはない。
また作業台の下には布を敷いてあるし、そのまた周りには100円ショップで購入したメッシュ3枚でコの字型に囲いをしてあるので木くずや粉がバラまかれることはない。
具合よくナタの出し入れができるようになったので2枚の板をボンドで貼り合わせた。
少し亀裂があるのでボンドの中におがくずを混ぜ込み、それを亀裂に埋め込んだ。
乾いてからナタを入れてみると少し突っかかるところがある。
棒にペーパーを接着し、それをサヤの中に差し込んで僅かに削った。
2枚の板だった段階で目で確認しながら作業するのとは違って貼り合わせた後では、勘に頼った作業なので今度は少し簡単にナタが出入りすることになってしまった。
それでもまあ自分の思い描いたようにはできた。
木の持っている味は残っているし柿渋も、いきなり良い色に変えてくれた。
だがさらにサヤの表面にミツロウとホホバオイルとを混ぜたものを塗ろうと思っている。
これは私の手の爪に塗っているもので爪に栄養を補給しているものだ。
自分の飼っている二ホンミツバチが与えてくれた宝物だ。
宝物を塗って、もう一つ宝物が出来上がる。


サビさびのナタ

2021-05-17 08:34:31 | Weblog
今年の3月に骨董市でサビたナタを購入した。
柄は付いていないからまるでサビのかたまりだ。
価格は500円。
「もう一つ買う」というと、それは300円だった。
友人が、このところ元気がない。
友人はナタに限らず刃物が好きで、しかもサビているものを好む。
早速彼のもとに持って行って300円の方を置いてきた。
「これ、長く遊べるんだ」と言って喜んだ。
久しぶりに見た彼の笑い顔だ。
翌日偶然彼の所に行った。
グラインダーでサビと金槌で叩いてできた歪みも削ってあった。
その時私は、まだまるで手を付けていなかったが、それを見てやる気が出た。
まずは、金槌で叩いた跡を削り強いサビを削り取った。
あとは地道に研いでいこうと思った。
ところがグラインダーで削った跡がクッキリ浮かび上がってしまった。
砥石ではなくペーパーで研ぐことにした。
時間がかかることは承知していたが、同じ行動を繰り返していると、やはり飽きる。
確実にサビは減り、その代わりピカピカの鉄の輝きが増えてきた。
400番800番1000番と徐々に番手を上げて細かな磨きを続けた。
同時に春野で倒れたケヤキの枝を使って柄を作ることにした。
おあつらえ向きの枝があった。
枝の少し膨らんだ部分を柄の末端に使うことにした。
ケヤキの皮をむきナタをはめ込むための亀裂を作り固定用リングのため先端を細くする。
柄がほぼ完成に近づいたので柄に柿渋を塗った。
自宅と春野の両方で作業するためナタと柄も行ったり来たりを繰り返す。
作業終了が見えてきたのでナタのサヤを作ることにした。
この様子は、また次に。

妻とのクイズ

2021-05-09 09:37:10 | Weblog
私は妻と3食同じものを食す。
春野に私一人で出かけるときには妻が弁当を持たせてくれるので、たぶん妻も同じものを食べていると思われる。
ほんのたまに私と妻が別々の食事を摂ることがある。
そんな時妻にクイズを出す。
私が食堂で出てきた食事を写真に撮り食事後の写真も撮る。
そして食べ終わって空になった食器の写真を妻に送り「何を食べたでしょうか?」と送信する。
今は店を出てから、そのやり取りをすることになる。
しばらくすると妻から返信メールが届く。
妻が忙しく動いていた時には返信自体が無かった時もあった。
今回は割りと早く返事が届き、しかも正解していた。
実は私の写真の中にヒントとなるものを写しこんでおいた。
「なか卯」という店名だ。
食べ終えたどんぶりの中にも店名が書き込んであったが紙ナプキン入れの方が分かりやすいと思ってそちらにした。
また領収書も少し写し拡大して見れば答えが分かる仕掛けだ。
妻は正解して喜ぶし私もヒントを写しこむ楽しみもある。
二人が帰宅した後にも話のネタとなる。
「で、どうだった味は」というふうに妻は言う。
私は「その時偶然同級生を見つけてね」と食事以外の報告もする。
たいてい妻と一緒に行っていない店を選ぶことになる。
まずは私が行ってみて妻と一緒に来てみたい店かどうかを見極める。
グーグルマップを参考にして店を決めたり車で通りかかって記憶に残ったり。
今日の店は券売機が2台あり「クーポンを持っていますか」とか「ペイペイ」で支払うとか現代人には便利なのだろうと思った。
何も声を出さずに食べ終えて店を出ていく人もいれば、そうでない人もいる。
だが、ほとんどの客が「ごちそうさま」と言って帰っていく。
すると従業員が「ありがとうございました。またお待ちしております」などと応える。
私も「ごちそうさまでした」と言って外に出た。
その後に妻との交信があり実は食事前と食事中も妻とのやり取りを考えていることに気が付いた。
胃袋を満たすと同時に脳も満たしている。

メッシュでケモノ避け

2021-05-07 09:07:02 | Weblog
去年もクワの木の実を食べられた。
辛うじて食べ残った数個を私と妻が食べた。
今年はすでに葉まで食べられた。
網の目10センチ四方のワイヤーメッシュで囲ってあるので、その鉄枠から入れる大きさの動物であることは明らかだ。
たぶんウサギかハクビシンあたりだと考えている。
「それなら」ということで網の目5センチ四方のワイヤーメッシュを購入してきた。
ワイヤーメッシュは1メートル×2メートルの大きさだ。
クワの木は、まだ小さいからワイヤーメッシュの1メートル側を半分に折り曲げて50センチ角のL型を作る。
それを2個作り組み合わせて1辺が50センチ×2メートルの塔を作り、その中にクワの木をスッポリ収めようというわけだ。
外側に使っているワイヤーメッシュは網の目10センチ枠で太さは5㎜だが今回のは5センチ枠で太さは3.2㎜だ。
細い分加工しやすい。
といっても2メートルのワイヤーメッシュを幅50センチに折り曲げることは大変だった。
さて現場で組み立てながらタイラップで留めていく。
そのままでは風で倒れそうなので地面に杭を打ち込みワイヤーメッシュに留めた。
中に入ったクワの木は少し窮屈そうに感じるが葉を食べられると成長しにくいから、しかたないことだと分かってくれるに違いない。
日も当たるし風も当たるし雨も当たる。
2か所で4本のクワの木を囲った。
下のクワの木は、まだ葉を食べられていないので優先的に進めた。
次に上のクワの木を囲った。
こちらは葉が食べられているので作業は簡単だと思われたが地面の凹凸が激しいし地面の高低差もあって手間はかかった。
塔を作る前に杭と留めておく必要があった。
「ウサギまたはハクビシンもしくはそれ以外のケモノよ。この植物には手を出すな」
警告ではなく、お願い程度の行為だ。
ワイヤーメッシュを登り上から中に侵入するということも考えられるので近いうちに上を閉じる工作をしないといけない。
今年はクワの実を食べられますように。

カマドの火の流れ

2021-05-02 17:18:06 | Weblog
この時期はタケノコを茹でる機会が多かった。
春野に行く途中でJAに寄り朝採りのタケノコを購入していく。
イソライト二連式カマドの両方の炉を掃除する。
炉は左側が大で右側が中だ。
釜輪というリングを設置していけば次第に小さな羽釜まで利用できる。
3個ある内の一番大きな羽釜をセットするには大の炉の内側にあるカマドを狭くする装置を取り外さなくてはいけない。
装置といっても同じくイソライトで作られた取り外し可能の物だ。
羽釜には、その大きさに合わせて、なるべく狭い炉で最大の火力を与えるための装置だ。
炉が広すぎると、やはり火力の無駄が多いのだろう。
羽釜をセットする前に、むき出しの炉に枯れた杉の葉を投入し点火する。
すると炎は煙突にかなりの量吸い込まれていく。
立ち上がる炎はいつも通りモヤモヤと真上に上がるのだが煙突に入っていく炎は、かなりの勢いを持つ。
カマドの二つの炉は穴でつながっていて片方の火力を両方に生かせる作りになっている。
今回は隣の炉にも羽釜をセットするので炎を煙突吸いに取られてしまうと効率が悪い。
で、煙突の前に開いている穴(ダンパーというらしい)に仕切り板を入れることにした。
といっても、その日はもう間に合わないので薪の使用量が増えた。
後日最後のタケノコを茹でる機会があり片方のみの羽釜で火を使うことになった。
その時煙突仕切り板を使用してみた。
仕切り板は100均のステンレストレイを切って作った。
タケノコの入っていない羽釜には水のみを入れておいた。
いつものように点火するが煙突に炎が吸い込まれることはない。
真上に上がる炎は確実に羽釜に当たり効率よく熱していく。
そして両方の炉を繋げる穴からの火力も水のみ入れてある羽釜のフタを空けてみて分かった。
かなりの火力を、こちらの炉にも伝えることができていた。
昔の人は偉かったなぁと実感した。
燃している炉のみの火力調整だけでなく隣の炉の火力も承知していたのだ。
さらに薪の位置を適度にずらして、どの位置に炎を持ってくるのがベストなのかも知っていた。
最小の薪で最大の火力を引き出し二つの羽釜を利用したのだろう。
更に空気の調整も上手に利用したに違いない。
果ては灰の利用もしたし。
一石何鳥の仕事をこなしたのだろう。