父が遺してくれたもの

先日お父様を亡くされた方が今日事務所に見えた。

「先日はありがとうございました」
とお通夜のお礼を丁寧に述べられた後、こんな話を聞かせていただいた。

亡くなられた後の整理や支払いなどをしているうちに、いろいろなことが分かってきたらしい。
それは、父がすでに死を覚悟しており、家族に迷惑をかけないようにあらゆるところで準備していたということ。

ガソリンスタンドで父の車のオイル交換をした際には、スタンドの店員さんから、
「代金は頂けません、お父さんから３年分の料金を預かっております」
と言われた。
他にも支払いという支払いは、自分がいなくなった後家族に迷惑がかからないように、自分で済ませていたという。

再入院が決まった時は、散髪をしてから病院に向かった父。

弔問に訪れた人達のありがたい言葉。
あの人の為ならと葬儀に携わってくれた方、駆けつけてくれた人、人、人。

「親父の偉大さが分かりました」とお客様。

「すごいお父さんでしたね」と私。

父が遺した遺産はとても大きくそして尊い。

「訪れた人の涙で、父が見え」