言の葉収集

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伝える記憶

2007-01-13 18:57:50 | 出来事
今日の中日新聞に「阪神大震災から12年」「伝える記憶・生かす教訓」と題された特集記事が1面を使って掲載されていた。

その阪神大震災をテーマにした映画「ありがとう」で、赤井英和演ずる主人公のモデルとなったプロゴルファーの古市忠夫さん(66)のインタビューが印象深かった。

体験から問われる防災とは何ですか。という問いに、

「自主防災組織をつくる所が多いけど、今考えると、形だけで私達の地域ではあまり役に立たなかった。『日ごろ地域で遊んでおきなさい』と言いたい。盆踊り一つできないコミニュティーに、防災組織なんて存在しない。教訓ですよ。」

同感だ。私も地域の役員をしている際、防災訓練に対して疑問を持ったことがある。確かに三角巾の作り方や、毛布で作る担架など、知っておいて損なことはなく、災害時には実際役に立つことが多々あると思う。
ただそれよりも、優先すべき問題があるのではないかと話し合ったことがある。
それは普段からの近所付き合いや、情報のやりとりだ。
やれあそこの家はおばあちゃんが一人暮らしで2階にいるとか、あそこのご主人は寝たきりで動けない状態であるとか、都会では不可能な事かもしれないが、こんな小さな町では把握できる範囲である。それを活かせると思うのだ。
現に阪神大震災の時も、淡路島の死亡者数が少なかったのはそういう助け合いがあったからだと聞いたことがある。
田舎は田舎の強みがある。人と人とのつながりは災害時に凄い威力を発揮するのだ。それがこの地域コミュニティーの魅力なのだ。

最近ではこんな田舎でも人間関係が希薄になったと言われる。
でも古市さんの記事を見て、改めて人と人とのつながりがとても大事だと言うことを教えられた。