馬頭琴日記

交通事故療養中に還暦を迎えた馬頭琴奏者が、馬頭琴に関する知識を書き遺します

魂柱の役割と基本原理 立てる位置の・・・実験方法

2018-05-09 13:59:23 | 馬頭琴工房のお仕事
写真はバイオリンのものだが、馬頭琴の断面を馬頭側から見ると、およそ同じ様な構造になっている。
弦の振動が、駒に伝わり、表板を振動させ、魂柱を伝わり、裏板を振動させ、F時穴から外に音が出る。

で、魂柱の位置の調整に関するお話。本来はプロに任せる作業で、迂闊に手を出すと、楽器を壊します。

馬頭琴の音質・音量・2弦のバランスは、魂柱だけで無く、駒の材料・バスバーの太さ等、要因は複数。
その中で、魂柱だけに焦点を当てて、極めて単純化した話を書くので、誤解の無きようお願いしますね。

馬頭琴の魂柱の、一般的な位置は。ボディに向かって、下駒の1cm下側・下駒の左端から1cm右側だ。
魂柱の位置や素材に関して、あまり考えられて無く、ほとんどの楽器が、この辺りの位置に立っている。


下の図は、魂柱の位置を変えた時に発生する、変化を表している。主な影響は、弓の強さと音質・音量。
右の図では、弓の力が弱くとも、音が出易い。距離が離れると、音が柔らかく・弱くなる傾向が強まる。
左の図は、駒の真下に魂柱が立っている。より強い弓の力が無いと鳴らせないが、鮮烈な強い音が出る。

私の愛機・内モンゴル製の2号、ジャミヤン先生宅で弾かせて頂いた馬頭琴の魂柱は、駒の真下である。
魂柱の位置移動は、リスクが高いので、駒の位置を変える事で、楽器との相性と自分の嗜好を実験する。

現状の位置のままで、音質と音量を確認する。駒を魂柱の真上に移動して、音質と音量を確認する。
ある程度、極端な比較をしないと、判断が難しいだろう。繰り返して、好みの位置関係を割り出す。

位置関係に納得がいったら、正しい位置に駒をセットして、魂柱の位置を移動して、微調整を行う。
場合によって、魂柱の長さが足りず、新作する必要があるかもしれない。だから厄介・・・なのだ。


昨夕から降り始めた雨が、正午を過ぎても未練な霧雨で残っている。肌寒く、気温は10−15℃。

9時半に家を出て、平河町の弁護士事務所で、今後の保険会社との、交渉に関する打ち合わせ。
半蔵門線に乗って、本を読み始めたら集中してしまい、何故か?三軒茶屋までワープしていた。
のんびりと世田谷線に乗り、山下(豪徳寺)で小田急線に乗り換えるという、小旅行となった。

(80−119)
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