雲一つも無い快晴は
美しいけれども
青空が微塵も見えない
曇天に美しさはない
余白のある書画は
素晴らしいけれど
雑然と線が複雑に
隙間なく埋まっていたりすれば
そこに美しさはない
整然と並んでいて初めて
美しさを覚える
人間も同じ
本来の姿を完全に隠したままでは
美しさはない
余裕がなく
ただ単調に日々を
繰り返しているだけの人に
魅力は生まれない
空しさは
何かを始めるチャンスだ
満潮や満月は
それ以上がない完成系
欠けている今が
高みに行けるチャンスだ
地に足が着いていないことは
まさに
宙に両足が浮いた状態だ
足を大地に着いていなければ
右や左に前に後ろに
揺れる
安定感がなくて
左右前後あちらこちらに
不安ばかりに覆われる
ふらふらしているのは
地に足がついていないから
今いる地点よりも
遠い場所ばかり追いかけて
いるから
地に足が着かない
あれもこれもと
欲張って
二兎追いかけるから
地に足が着かない
今いる地点の足場を
よく見て
一歩一歩確実に
地へ足を運べば
不安もない
安定が得られるだろう
希望とは
叶えられる可能性が
たとえ僅かでもある時に
抱く期待
叶わぬ希望は
ゆめかまぼろし
だが叶えられる可能性に
根拠がなければ
それもまた
ゆめかまぼろし
待ってた時が訪れて
あの手この手の策や
懐に決意を秘(かく)していてたのに
3つの顔を持つ阿修羅
不甲斐無き面
嘲笑わられる面
臆病の面
どの面が正面に向いても
五十歩百歩
まるで失敗をする為に
挑戦しているかのようだ
闇雲に場数を踏んでも
希みは生あるうちに
叶えられない
けれども阿呆な吾は
反省点の的が外れ
闇雲に風車に闘いを挑む
だからまた繰り返すのであろう
まるで希みの内容が
失敗をする事なのかのように
私の悲鳴
「私なんか」
「私なんか」
「私なんか」
誰かに助けを求めることへ
罪悪感の塊に押し潰され
救いを求めることなく
潰されていく
辛辣な体験をする度に
感じる思い
私なんかこれでいい
ケールのような苦味を
3日も経たぬ内に忘れ
同じ過ちを繰り返す
だから私なんかこの先も
悔いの洞窟暮らしを続ければいい