今日までの半生
私はいったい何をしてきたのだろうか
願い続けた
夢の
欠片一つが今ようやく
指の先に触れているぐらいで
何もない
今日までの半生
本当に何をしてきたのだろうか
掌の上の素材を
今からでも
的確に組み立てていけば
完成図は理想に
近づいているのであろうか
決して大きく無謀な夢を
抱いていない
そんな夢は
どこかに置いてきた
今日までの半生を
無駄と嘆くのは
まだ焦燥だ
いくつになっても
まだ先があるのだ
少しずつ
少しずつ
雛鳥を孵化させる親鳥のように
温めてきたけれど
なかなか割れない卵
何も変わらない
何も生まれない
ただ時が過ぎるだけ
悠久な時が
大地の形を変えるように
永い時があれば
割れるだろうか
けれど
時は限りある
焦って
渾身の力で大きく振りかざしたら
空振りするか
粉砕してしまうだろう
もう少し見守ろうか