深紅の悲鳴 2016年01月22日 22時50分00秒 | ポエム 締めの甘い 緩んだ蛇口から落つる 雫のように 一体私は今何をしているんだろ そんな思いが一定の感覚で 私の心を衝く 灯りのない薄暗い部屋で 雫が弾けて ステンレスの震える音が 室内に汎(ひろ)がる 歎息に塗(まみ)れた心に 目を逸らして 何でも無いように装って 心の悲鳴が聴こえないように 両耳を塞いで 今日もまた日常に没頭する
感涙-kanrui- 2016年01月22日 20時04分00秒 | ポエム 感動的な映画を観たり 共感できる歌を聴いたり 感動して涙流している誰かを見ると 涙がこみ上げてくるのは 日々の辛さをじっと堪えて 何でも無いかのように 装っているからなんだ 本当はその場で泣きじゃくりたいのに 誰かに泣いてるところを見られて 笑われるかもって 恰好悪い 一人でいる時だって何より 自分が見ていて泣きそうな自分を 嗤(わら)っちゃうんだ どんなことも許せる毅(つよ)さや 他人を心から思いやる慈愛なんて 持っていないくせして 一人前にプライドだけが身に付けた 涙を流せ 涙が明日の莞爾の力になるから
小火(ボヤ)の成れの果て 2016年01月22日 00時33分00秒 | ポエム 小火(ボヤ)の後の 燃えカス そよ風や落ち葉が 少し触れるだけで粉々になる ささやかでも その瞬間は 無我夢中を連ね 想(こころ)燃やしていた 今や僅かな火では 再燃することはない 天に昇華した煙が雲になり 雨を降らす 新しい希みが生まれる時まで 降り続けるのだろう
思(こころ)の蟲(むし) 2016年01月21日 21時48分00秒 | ポエム 思(こころ)を蝕む 蟲(むし)孤(ひと)り 月のように盈(み)ちる事も無く 孤(ひと)りは決して嫌いじゃないけれど ただ旱(ひでり)続きの砂漠のように 渇ききった思(こころ)が 幽(かす)かでも潤いを冀(こいねが)う 愉しさを感じた 今や遺蹟のような思い出が 思(こころ)を巣食う蟲(むし)を 蔓延(はびこ)らせる 笑い方を忘れる前に この谷底から這い上がりたい
共有 2016年01月21日 21時40分00秒 | ポエム 泣いた日も 笑った日も 寂しくて心鎖した日も はしゃいだ日も 親しき友と別れた日も 新しき仲間に巡り合った日も 忙しく時に追われた日も 退屈で時を持て余した日も 雨に溶けて泥々してた日も 月の奏でに共鳴した日も 巷の悲しいニュースをみた日も 笑声が零れるような番組をみた日も 誰かの心ない言葉に苛苛した日も 見知らぬ誰かにに褒められた日も くよくよして眠れなく夜更しした日も いつの間にか寝落ちてしまってた日も 多くの時をいつの間にか共有したね もっとたくさん共有したかったのに 友よ もう会えないのかな
極寒のコート 2016年01月13日 02時02分59秒 | ポエム 毛布に包まれているような 逃避の時空の中を 抜けだすと 極寒が強襲してくる いつまでも毛布の中にいたいけれど 朝が必ず来て夢から醒めるように いつまでもそこにいられない 同じ場所に立ち尽くしていても 時間が止まることなく 明日はやってくる 未知な空には不安の雲が 果てしなく広がる 雲を消し去るには 知らないことを減らせばいい それが自信への裏付けになって 極寒を耐えぬくコートとなる
ナマケモノの進化 2016年01月02日 21時03分59秒 | ポエム 何もしないナマケモノのように ただ木にぶら下がっているだけでは 心も力も伸びない ただ身体が肥大していくのみ わかっていても こたつの中から抜け出せないように アクションを起こせず 取り掛かっても継続しない 犬が芸を覚える時に 褒めたり餌をあげたりするのが 効果的なように 自分にご褒美を与えないから 決意が揺ぐのかな 決意の先にどんな幸せが起きるのか 具体的なイメージを描くこと 緻密な線で描くほど 成就の道は途切れにくい 苦行の先に悟りが在るように