息苦しさ

息苦しい

閉じ込められたり

狭い空間にいるわけでもないのに



息苦しい

何をやっても

思い通りにならない事ばかり



息苦しい

何もする意欲が涌かなくて

のらりくらり悶（もだ）える




息苦しい

ただだだ息苦しい

息苦しくて息苦しい

自分の吐いた息に蔽（おお）われて

方位磁石

真宵の住人の戯言に

傾耳傾聴して

大地から足を離さず



ただ多岐に別れる一つの順路



普遍に伝わる先人の智慧を尋ねれば

摂理の一辺が雲の隙間より

照らし出される

桜の幹

一年かけて鮮やかに

雅やかに咲く桜

春風と小鳥と戯れ

刹那に散り行く



その仄かな優しい色合いを

誰もが恋をし

淡き純粋な色合いは

全てを魅了する


それなのに実体の幹には

誰も目もくれない



花が咲き誇る時だけが

桜じゃないのにね


一年中ずっと

同じ場所にいるのに



華やかさに人は憧れ集い

色褪せれば存在すら忘れらるる



私も独り桜の幹の如く

砂漠に優しさが枯渇したとき

誰かに優しくしてもらいたいならば

誰よりも可哀想になればいい



人は自分より上と畏れる相手には

その差が少しならば僻み妬み

大差ならば羨む



自分より可哀想ならば

同情する

同情は優しさを引き出す沸点

本当の優しさは

宛（あたか）も同情から

産まれるかのように

身の丈に合わす

苦しみを味わいたくないならば

知を得ないことだ


身の丈以上の知を得ようとするから

過呼吸になるんだ


今を生きるのに必要なことだけ

知ればいい


知らないことは幸せ