厳冬の凍てつく寒さに
呆然と立ち尽くす
心を見透すかしているかのように
澄んだ星の煌(きら)めきを
涙で霞んだ眼差しで見つめる
やがて凍り留まる涙は
溶けることも乾くこともなく
頬から離れることもない
刹那の楽しかった記憶は
吐息のように
一つの形を作ることもなく
手が伸びるいっぱいの場所で
消えていく
手足は悴(かじか)み氷と化して
心の冷えが身体を縛り
自由に身動きすることがてきない
冷たい風のマントに包まれた如く
身体をワナワナと震わせる
子守歌のように優しく降る雪だけが
寒さに慣れた身体には暖かい
深い眠りについたならば
暖炉や太陽の暖かさを
夢の中に感じていけるのだろうか