とうとう私にとっての最後のMCCvol.2になったのである。
毎日毎日ケーヤン(の指)と会っていたのに、
これでもう今年は最後なのである。
そう思うとライブ前から切なくて、
ああ、もう今日はやばいなと思っていたのである。
会場の様子を下見しようとお隣さんと開場一時間ほど前に到着。
じっと見ていたら、中から男性が電話しながら出てくる。
さっきMOD'SのHPでみた店長さんだ…と見ていたら、
店長さんから今日のライブみにきたの?と話しかけてくる。
それからしばらく話をした。
福岡から来たのだと言ったら、
店長さんが来週30数年ぶりに福岡に行くのだということ。
しかも、
どうも私の知り合いを紹介される予定らしい。
なんというマジチェン!
店長さん、その人はどんな人?と聞くので、
私がその知り合いと一緒に撮った写真など見せた。
そして、一階のダーツバーの店長は元福岡のライブハウスの店長だよ!と、
なんか連れて行ってくれた。
…福岡ってだけで会わせてもらえるのか…と思ったら、
その人はよくその知り合いをご存じで盛り上がった。
恐ろしいのは…その知り合いですけどね。
来週その人のイベントがあるので店長さんも行くらしい。
イベントのとき会いましょうということになった。
軽く食べようかと思っていたけど、
結局開場ギリギリまで店長さんと話して入場。
なんかおいしそうなところだから中で食べることにした。
結果的に一番入場になったので、
またもやケーヤン(指)ガン見ポジションを確保。
ビールを一気飲みしたり、
おいしい肉巻きおにぎり(店長の実家で作られていたもので牛肉巻き 極上!)と食べていたりしたら、また店長現る。
開演ギリギリまでおしゃべり。
趣味のいいオールディーズのSEは誰がかけてるのか聞いたら、
店長の息子さん(DJ兼SE兼照明)だった。
店長さんと話ししててよかった。
なんかもう、
今日で終わりだと思うと、
寂しくて切なくて辛くてしかたがなかったから。
丸い作りの低くて広いステージの奥にテレキャスが佇んでいた。
ああ、今日で今年は見納めだ。
アンプ真っ正面、モニター真ん前、
これならスピーカーよりつっこんでても音を拾える。
客電落ち、しばらくしてケーヤンとリクオさん登場。
ケーヤンはスマイル柄のラグランT(昨日からちゃんと白いテンガロンですよ)、今日も私の大好きなダメージ系デニム。
リクオさんは細かなチェックのシャツに、同じようなチェックの帽子。
マジカル・チェイン・ツアーから始まった。
ここで聴くのが全部「最後」になるのだと思うと、
一曲一曲がありがたく大切で、
噛みしめるように聴いた。
ケーヤンのストロークは今日も優しく、
ケーヤンの指は正しい音を決定していた。
まじめで優しいギターだ。
そして、ケーヤンは声がきれいだった。
音響のせいだろうかと思ったけど、
ケーヤンの声はまっすぐ高く高くライブハウスの天井を抜けるような声だった。
びっくりした。
昨日までとは別人みたいだ。
いったい何があったんだろう。
ケーヤンの声は高ければ高いほど伸びる。
だから言ったじゃないか(いや、言ってはないのだけど)、ケーヤンの声はケーヤンが思ってるよりずっと高くて、
高音域でものすごいパワーが出るんだ。
セトリ出たドン!
一部
1.マジカル・チェイン・ツアー
2.ロックンロールの真っ最中
3.恋の行方
4.ミュージック
5.I Love You
6.明日を行く
7.大きな川のそば(ケイスケsolo)
8.スウィート・リトル・ロックンローラー(ケイスケsolo)
9.クレイジー(ケイスケsolo)
二部
10.二人のワンダフルワールド(リクオsolo)
11.雨上がり(リクオsolo)
12.パラダイス(リクオsolo)
13.Happy & Sad Song(with Pすけ)
14.モンキーマン(with Pすけ)
15.Bye Bye Johnny(with Pすけ)
16.胸が痛いよ(with Pすけ)
17.君にささげよう(with Pすけ)
18.アンパンマンマーチ(with Pすけ)
19.ミラクルマン(with Pすけ)
20.アイノウタ(with Pすけ)
-EN-
1.イマジン
2.夢じゃない
3.まいどハッピー(EN with Pすけ)
ロックンロールの真っ最中のギターソロ、
ギューンと前に出てきてくれた。
生真面目なカッティングが好きだ。
どうしてこの人は私の好きな音を出せるんだろう。
激しくピッキングされて震える5弦6弦が妙にスローに見えた。
リクオさんの高い鍵盤を弾く軽快なピアノが重なって、
私はそれが音なのか映像なのかわからなくなった。
ケーヤンソロタイム。
沖縄シリーズが始まって、
大きな川のそばが急にグッとくるようになった。
この曲を聴くとケイスケ青年が淀川に辛いことを流している情景が目に浮かぶ。
ケーヤンが今、FACE TO FACEを大事にできていることのかけがえのなさ、
それが大事だと思い続けられたことの強さ、
昔と今、時を繋いでいる、辛いことを飲み込んでくれた大きな川、
そういう場面や時間や感情などがいっぺんに襲いかかるようになった。
この川の流れは、今、ミュージックに辿り着いてるんじゃないかと思う。
スィート・リトル・ロックンローラーでは、
また「ソロ!」と一人で弾いてるのにギターソロを弾くという技。
ケーヤンのギターソロはいくらでもいただけますのでですね。
いただきました。
それからクレイジーがかかった。
イクツニナッテモかと思ったら。
なんとも気恥ずかしい恋の歌。
ケーヤンのソロが終わると第一部終了。
食べ物やトイレタイム。
ビールを持ったリクオさん登場。
リクオさんのソロタイム。
客席がみえへん!と客席の照明を上げてもらった。
これは…私にとってはよくなかった。
きっともう今日は決壊してしまう私の涙腺。
それは暗闇の中にしまっておきたかった。
あまりリクオさんのことを書いてないけど、
本当に凄いピアノマンだと思う。
ボーカル力が半端ない。
あんなに「歌詞の意味がわかるように」心に入っていく人は、
私には少ない。
私は本当はあまりリリック聞きじゃなくて、音聴きなので、
音がずっと好きだと思って聴いていて、
しばらくたってから「こんなことを歌っていたのか!」と思うことがしばしば。
(そういう意味ではインストやソロ部がいくらでも聴けるのだ)
でも、
リクオさんの歌はとてもわかりやすく私にいろんなことを説明する。
夜明け前を聴いていて、
私の涙腺はもう決壊寸前だった。
リクオさんのソロが終わると、
「茶色い水」を持ったケーヤンが再び登場。
TシャツはAC/DC(そういえば昨日はラモーンズだったな)。
パーカッションのPちゃんが今夜も登場。
HAPPY&SAD SONGから再開。
なんかもう私は涙腺がゆるむんじゃないかと思って、
目頭抑えたり、鼻つまんだり忙しかった。
モンキーマンでは、
恒例のケーヤンのトリ笛合いの手&小さいトリ笛うち捨てパフォーマンス。
今日もステージに捨てられてまして、
最後までステージに転がってました。
もう立ち上がりたいのだけど、
今日は大人の雰囲気のライブハウスなので、
ググッと我慢して椅子揺らして騒いでました。
胸がいたいよのリクオさんのボーカル、
どんどん私の胸もいたくなって、
こりゃもう私は今夜はダメだと覚悟したんですよ。
そしたら、
涙のやつが「あ、そうですか!出てもいいですか!」と出そうになるので、
待った待ったしてました。
この辺で、
チャックベリーのカバーを一つ。
SEに刺激されたようでした。
偉いぞ、店長のご子息!
※Bye Bye Johnnyであった!
開演前SEと混じってあれ、Johnny B. Goodeだったっけ???とか思っていたですよ。
Johnnyしか合ってないし。
ああ、それにしてもケーヤンのストロークは何であんなに優しいんだろう。
自由自在に音を出すのだろう。
あんなに音が出たら気持ちいいだろうな。
バレーコードがやっぱり好きだな。
バレーコードをずっとスライドさせて小指ピコピコもいいけど、
ローコードから急に人差し指がネックに絡まってハイコードになったりすると、
ビクッとする。美しい。
あのボディの端ギリギリでジャギジャギと、
どんなに優しくてもやっぱテレキャスだよな!って音出すのがいい。
チョーキングが優しい…かと思えば、
曲終わりにネックを掲げてネックを鳴らすなんて乱暴なことをやったりして。
ギターを翻弄している。
ケーヤンのプレイが全部好き。
君にささげようは、
そんな大げさなものくれたら困るわ…と思っていたけど、
なんか今日は素直に聴けた。
もしもケーヤンがとても大事に培ってきたものがあって、
それが大きな川のそばで始まったもので、
今、やりたいことをやりたいだけやって、
こういうすばらしいライブというものになっているのだとしたら、
私はそれを素直に受け取りたい。
それを全部ささげられたい。
自分勝手で失礼で差し出がましく口の悪い私は、
ささげられる価値があるんだろうか。
なんかやっぱりどこか気が重い曲だ。
エレクトリックアンパンマンからミラクルマンで最高潮に盛り上がり、
わぁ!立ちたい!と思ったけど、
一生懸命我慢の子だったのだ。
何度も言いますが、
ケーヤンのエレクトリックアンパンマン一見の価値あり。
そしてアイノウタでシャララと本編終了。
ああ、アンコール…私はもうやばいんじゃないかと思ってた。
でもそういう気持ちがかえって悪いんじゃないか…気を強く持たなければ……
アンコール。
やっぱりのイマジン。
ケーヤンのギターがもの言いたげにハーモニクス。
もうごめん、私、無理ですわ。
涙だけならぬぐえばいいが、
鼻水はどうしてもすすってしまう。
感動と、涙が気づかれないかで頭の中がグルグルする。
それから、
ケーヤンがタイトルをつけた新曲「夢じゃない」。
今日で3日目の曲。
すっかりなじんで、曲として入ってくる。
私はリリックをすぐにちゃんと聞き取る力がない。
ただ思うのは、
夢のようなライブだけど、今、目の前にケーヤンとリクオさんとPちゃんがいて、
奇跡みたいな音を繰り出しているのは夢じゃなくて現実だと思った。
そして今、あの曲を思い出すと、
やっぱりここにステージ上の人たちの音がいる。
ケーヤンのギターとリクオさんのピアノ、
リクオさんのボーカルとケーヤンのきれいなコーラスが耳に張り付いている。
Pちゃんのキラキラした音が華を添えている。
もう、涙がでないわけがなく…そして次はあの決定的に弱い曲が来るわけだ。
最後にまいどハッピー。
言わずもがなの号泣です。
あがらない雨はない。
空には晴れ間が見える。
何かを具体的に思ったんじゃなくて、
私はなんかとてもしんどいのだと感じた。
いつまでこのしんどさが続くのだろうと思うと、
途方に暮れそうになる。
だけど、
もしかしたらこれは終わるのかもしれないと思った。
誰かを思ったりせず、
自分と重ねてしっくりいった。
まずは自分だ。
こんな感じで、腰が抜けてしまって終了。
ライブ終了後も放心状態だった。
ああ、終わっちゃったんだな。
物販でまたサインをいただく。
今日こそ何かを伝えたい。
泣いていたのはばれていたのだろうか…自分で言ってしまった方が気が楽だ。
素直に感動したことを言いたい。
泣くほど感動したこと。
「毎日、前の日を超えたライブになりますね」と言ったら、
リクオさんが「うまいねー!」とちょっとはにかんだ。
リクオさんに「こんなにリリックが心に入る人はリクオさんと……」あ、また余計なこといいそうと思って、
ケーヤンにいいわけがましく「他の人出したらよくないですかね?」
ケーヤンは笑っていた。
私「リクオさんと鈴木けいすけだけです」
リ「……フラカン?」
ケ「そうそう」
リ「本当はどこの人?」
私「福岡です」
なんだこの会話。
今日で最後だというと、
ケーヤンは「また1月!」と笑った。
その後おなかがすいていたので、
そのままライブハウスで食事。
ケーヤンの片付けなどを見ていた。
ケーヤンは自分で片付けて、自分で機材を持って行った。
今回のツアーも全部リクオさんと二人でブッキングからした。
これがケーヤンのやりたかったことだ。
大きな川のそばに戻ったケーヤンは生き生きしていて、
このまま楽しく音楽を続けてほしいと思った。
私はそれをささげられたい。
最後にケーヤンに「よいお年を!」と言った。
ケーヤンは右手を挙げて笑った。
終了後、
またまた店長さんと日付が変わるまで長話。
私が泣いていたのは店長さんにもわかっていた。
来週福岡で会いましょうと約束した。
こういうわけで、
今年のケーヤン祭りはこれにてしまい!
お祭り騒ぎは終わりが来るから最高なんだよなぁぁぁぁぁ!!なあ、けいすけ!(←鈴木のほう)