ウブドとお別れ

昨日は私の第二の故郷ウブドを離れて、
サヌールに移動する日。

そんな朝だけど、
凹子と夫とモモはギリギリまでプールに入ってた。
パッキングをしていたら、
レストランのニョマン女史がモモにフルーツをもってきてくれた。
ニョマン女史はモモのことを一年に一回やってくる孫だと思っている。
そして、
パッキングしている私たちをみて、
「今日出発するの？知らなかった！」とショックを受けている。
淋しい。
「午後発つんでしょ？まださよならは言わないわ。
もう一度会うものね」と、ニョマンさん。
淋しい。

初日、空港まで迎えに来てくれたスワさんがやってくる。
私が車にパーカーを忘れていたのを、
車の掃除をしていて発見してくれた。
スワさんは英語堪能で話し上手で、
空港からウブドまで本当に楽しかった。
例の停電情報もスワさんが教えてくれた。
もしかして！もしかして！！
「今日、サヌールへのドライバーはスワさんなの！？」と聞いたら、
「ワヤンだよ」とのこと。
……ああ、やっぱり。
スワさんは、今日のパレスのイベントのために、
夕方5時までサテ（焼き鳥みたいなやつ）の串を刺し続けなければいけないらしい。
ス「ワヤンいいやつだよ」
私「うん、いいやつなのは知ってる」（ただ、英語が厳しいのはいいとして、空気読めないのがサービス業としてどうか…）
ス「無口だけど」
私「うん、安全運転だしね」（無口っていうのかな…あれはいっぱいいっぱいで喋れなくなってるのでは）
ス「そうそう、安全運転だ」
まあいいや。
ワヤンさんの言動を楽しむという余裕も出てきたから。
今日は、一回部屋を出て、
荷物をオフィスに預かってもらって、
お昼を食べてから、
1時半くらいに出発するとスワさんに告げると、
「オフィスに言っておくね」。
その後、オーナーのご主人が癌で亡くなった話とか、
来年はもう一つ棟が建って、
ホテルが大きくなる話とか。
こういう大事な情報をスワさんは教えてくれる。

その後、テラスから外を見ていると、
仲良しのスタッフが居たので手を振ったら、
近くにいたワヤンさんがめざとく私を見つけてやってきた。
ワヤンさんは「今日は何時に出る？」と聞いてきた。
まだスワさんの話が伝わってなかったらしい。
1時半に出ると伝える。
ワ「今日は空港にピックアップの仕事があるから12時に出ます」
私「そうですか。では、他の人に頼みます」
ワ「12時に出ましょう」
私「いやです。ウブドでお昼を食べたいので、1時半に出ます」
ワ「空港に迎えに行くので12時にここをでなければなりません」
私「それはそっちの都合でしょう。私は私でお金を払うのだから、
私の好きな時間に出ます。1時半に出ます。
他のドライバーをさがします」
ワ「12時なら行くことができます」
私「行きません」
ワ「………ボスに聞いてみます」
私「そうしてください」
最後までワヤン節。
ああ！でもこれでワヤン節も終わりだ！
別のドライバーだ！
と思っていたら、
しばらくしてワヤンさんが、ちょっとウキウキした足取りで帰ってくる。
「私がサヌールに送ることになりました！」
……ああ…ああ、そうですか……あああああああああ、そうですか…

グスティにおむつやポカリ粉をやって、
オフィスに荷物を預け、
いったん食事へ。
カフェ・ワヤンの昼間の雰囲気もいいから、
行くことにする。
もう一回、あそこのチキンカレーが食べたい。
モモはスタッフのおじさんにやたら気に入られ、
だっこされたり、バナナもらったり。
停電の時はあまりの人の多さに殺気立ってたけど、
この老舗レストラン、普通はとてもフレンドリー。

そして、最後の最後、
ホテルに戻ると、
スタッフがみんな待っていてくれた。
いつものお別れの儀式だ。
お別れの言葉や写真撮影をして、
「また来年くるから！」と約束して、
ホテルを去る。
淋しい。
最後は、グスティを筆頭にチップを狙った大勢のスタッフが、
大騒ぎで荷物を持って、
車まで大名行列。（そんなに荷物ないのに）

その中に居なかった人が一人。
ワヤンさん。
やっぱり空港に行かされたらしい。
私たちのドライバーはスワさんの奥さんだった。
スワさんと同じく英語堪能。
お話上手で、道中楽しかった。
なんか次、もうワヤンさんがあのホテルにいないような気がして、
長い長いお別れになるのかなぁと思ったら、
それもちょっと淋しい。

サヌールの記事はまた。

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