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Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

2月21日(日) 社総交事業とは何だったのか

2021-02-21 22:59:38 | 地方自治

2日にわけて開かれた財政問題での町民説明会の模様については、先日来の記事で紹介してきましたが、今日の市民タイムスにはその総括記事が掲載されました。取材にあたった記者がこの説明会をどう受け止めたのかが読み取れます。

町の対応は、理事者の引責報酬削減は打ち出したものの、財政危機の原因と現状をどう見ているのかという問題でも、今後財政再建をどう進めるのかという問題でも、町民を納得させる方針は打ち出せていないわけで、他の自治体の状況を見ている記者の目からも池田町の状況が、相当に深刻な状態と受け止められていることがわかります。

この記事でも指摘されていた通り、社会資本総合整備事業の推移をつぶさに調べてみると、町長の説明は「事実と異なる」のです。記者は「再精査の内容こそ検証する必要がある」と書いていましたが、私は「財政白書2020別冊」において、詳細に事業を検証し、町の何が問題であったのかを明らかにしました。

まず、町の財政逼迫がなぜおこったのかについての町長の説明から見てみましょう。

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町の事業はすべて総合計画に位置づけられている。総合計画に組み込まれた段階で、今度は、いつどれくらいの規模でやるのかという実施計画をくんでいく。この段階では予算規模というのが概略の予算であり、これが財政とどう関連していくのか、なかなか読み切れないところがある。このために、いざやってみたら相当費用がかかってしまったという状況を招いて、それを財政調整基金で補って行かざるを得ないことになった。
今回大型事業の社会資本総合整備事業を行ったが、この事業についても当初計画予算と最終的な事業(費)とでは約5億円の差がでた。このことを考えると財政と関連付けることが難しい部分はあるが、検証してみると、これ(財政との関連付け)をしっかりやっていかないと、たとえば変更があった場合に、それがどれだけ財政と関連してくるのかの検証を行っていかなければならなかった。事業を進める点でも、それが財政状況とどう関連するのかというころを検証しなければいけなかった。これが大きな反省点として浮かび上がってきている。
今後はあらゆる事業の導入に当たって、それが将来的に財政にどのような影響を与えていくのか、つねに照合しながら予算を精査していくことが必要になってくる。

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この中には、いくつも事実に反する「言い逃れ」が紛れ込んでいます。

第1。「実施計画が概略だから財政とどう関連するのか読み切れない」という部分。
もしそうだとすれば、これは理事者としての行政能力がないことを告白しているだけです。年間予算を立てる際に、それがどれだけ経常経費や投資的経費を圧迫するのかを把握しないで行政にあたってきたとすれば、こうした事態を招いても不思議はありません。

第2.「いざやってみたら相当費用がかかってしまった」。
これもウソ。費用がかかることは当然予測できることであり、その時点で計画を縮小するか中止する決断をするだけのことです。要は決断ができなかったというだけの問題。

第3。「社総交では計画額と実施額とで5億円の差が出た」という点。
下の検証ファイルを見てもらえると分かりますが、構想を立てて国に申請した額は13億5千万円。甕町政のもとで最終的に実施した額は20億3千万円。5億円の差が出たというのは何を根拠にしているのでしょうか。

第4。社総交では何度も何度もシミュレーションを行い、そのたびに財政に影響を与えないと言い続けてきたのです。なぜ、計画段階でそう言えたのかといえば、予算措置がそれなりにできていたからです。それを大きく上回る規模にしたために、一般財源と起債に頼ることになってしまいました。規模は大きくなっても、社総交それだけでは、公債費には大きな負担をかけることにはなっても、財政全般に過大な影響を与えることはまだなかったのです。従って、社総交をもって、財政と関連付けられなかったと称するのは2重に間違った認識です。
社総交を総括するとすれば、規模が膨れたという額の問題だけではなく、なぜそのようなことが起こったのか問題なのであって。シミュレーションができなかった例としてあげるのは全くもって不適切です。(下のファイルは約6M、PDF)

「財政白書2020別冊」から、「社総交を検証する」部分のみ


2月11日(木) 町への質問状提出 新聞報道

2021-02-11 21:20:23 | 地方自治

2月9日に町に質問状を提出したことは先日書きましたが、次はその日の提出時の模様を取材した各社の記事です。

大糸タイムス

市民タイムス

信濃毎日新聞


2月9日(火) 池田町財政についての質問状を町長に提出

2021-02-09 17:33:39 | 地方自治

朝まで雪模様でしたが、昼前からきれいに晴れて比較的暖かい天気になりました。
しかし、日光浴をするひまもなく、朝から午後4時ごろまであちこち駆け回って、ちょっと話し疲れてしまいました。

まず、10時から役場で町長に会い、「池田町財政再建を考える会」および「池田町の未来を考える会」の両団体共同の「来年度予算編成についての質問状」を町長に提出。続いて、「小田切副町長の発言等に関する質問状」を町長に提出しました。

「来年度予算編成についての質問状」は、いまだに町が明確にしない財政問題についての論点を絞って再質問したものです。

第1は、町長・副町長の責任問題。町長はそれなりに歳費削減に踏み込んだ考えを示していましたが、役場内部での調整に手間取り、どれだけ減額し、どのように責任をとるのかについて一向に明確にしてきませんでした。

本来、これが一丁目一番地。責任を痛感するのであれば、何よりも先に町民に謝罪し、その上で、解決の見通しを示すということがスジでしょうに、これができないのですから、この町の運営は極めて危うい状態にあるといってもおかしくありません。

第2は、財政再建の方向を示す基本方針の提示。これがなければ予算編成方針が立てられるはずがないのです。
ところが、驚いたことに、第1の歳費削減も、予算編成の方針も、18日、19日の町民説明会で示すので、今は言えないの一点張り。
まるで順序がさかさまです。まるで道路を逆走しているような有様です。

第3は、来年度早々に発足させるとしている「行革委員会」の設置問題。設置条例は相当前に作られていて、あることはあるのですが、これはあくまで行革を前提としたもので、ただ設置できるとしているだけ。財政問題も議論できる実効性のある委員会にできる保障は全くありません。にもかかわらず、構成メンバーだけをいじろうとしているのですから、これも問題意識が極めて薄弱。こうなれば、議員提案で条例化する他ないのではないでしょうか。

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2つ目の「小田切副町長の発言等に関する質問状」は行政に重要な職責をもつ副町長の過去の言動に重大な疑義が生じているので、それらをまとめ、あえて質問として提出したものです。
中には、地方自治法に抵触するような発言もあるので、事実関係とその真意とを質し、町民の前に明らかにしたいと考えました。個人攻撃とは一切無縁であり、あくまで今後の行財政運営の正常化のためのものです。

従来こうした問題は、池田町のような町では、うやむやにされてとくに問題として浮上することはありません。それゆえ役場内での規律がゆるみ、理事者には逆らえない、意見が言えないというような雰囲気が作られてきました。そうした状況を打開しない限り、行財政改革も進められないということです。

これらは本来議会で追及すべき問題ですが、議会もまたそこまでの問題意識と力量に欠ける点がありました。この質問状の提出で、議会でも追及しやすくなったのではないのでしょうか。

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予算編成についての質問には、資料集「甕町政の5年間をふりかえって=あらためて町長・副町長の責任を問う=」を添付しました。
これは、財政危機をもたらした理事者の責任がどれほど重いのかを具体的な資料で明確にしたもので、これまで「財政白書」などで収録してきた資料をもとに、総括的にまとめたものです。


10月20日(火) 第3者財政検証委設置案否決 ローカル3紙の報道

2020-10-20 15:31:47 | 地方自治

今日のローカル3紙の報道です。いずれも大きく報道されました。

この記事で気になる点がふたつ。
ひとつは、「否決された根拠がわからない部分がある」「議会の真意がわからない」と各紙で伝えられる町長発言。自分の都合のいいことだけを見てれば、議会や町民が何を考え何を求めているの分からなくなるのは当然でしょう。

過去の大型事業の実施で財政がここまで大変なことになっているのに、その責任を棚上げして「みんなの責任」的な対応をしている限り、分かるはずもありません。
自ら過去の財政のあり方、自分が最終査定をした状況をしっかり思い出して、総括するところにしか問題解決の糸口はありません。

もうひとつは、信濃毎日新聞が「(町に対して)住民団体などから検証機関の設置を求める要望があった」とする記事。

私も参加する住民団体は町への質問書で「今日の事態を招いた要因を客観的に分析し、今日の財政危機を招いた責任を明確にすることが、今後の財政運営を考えるに当たり不可欠であると考えます」として、「各課に削減を指示する前に、理事者が財政逼迫の要因解明と責任の明確化を前提に基本方針を示」すことを求めており、第3者機関などということは一言も述べていません。

議会に対しての要望書では、「議会もまた、これまでの甕町政のもとで町の提案を認めてきた責任の一端があります。みずから問題点を明らかにした上で、町に対しても深い分析と検証を求める責務がある」「過去の財政のあり方の検証、問題点の洗い出しを行って、それを町民に率直に示すことは責任の取り方の第Ⅰ歩です」とのべて、町自らが自己分析、自己検証をすすめることが問題解決の第1歩であることを強調しています。
 しかし、これは議会に対しての要望であって、ここでも第3者委員会などという言葉は一切でてきません。
さて、そうすると、どんな住民団体が、このような要望をしたのでしょう。
このことも今後明らかにしなければならない重大問題ですね。


9月25日(金) 池田町の行財政の現状は「どん底」

2020-09-25 17:20:30 | 地方自治

町は議会への説明資料で、「ここ数年、社総交(社会資本総合整備事業)等の大型事業が重なったことも起因し、多額の財政調整基金(財調)繰入が続いています。そのため・・・(財調は)令和2年度6月補正時点で1億円を切りました」と書き、「このような状況下では今年度と同額の予算を組むことができません」として、7月以降役場内で進めてきた「3億円削減プロジェクト」の概要を示しました。

財源調整および不測の事態対処を目的とする財政調整基金に手をつけるという事態は異例のことであり、しかも、2017(H29)年度から連続して多額の取り崩しを当初予算で計上し、2018年度からは2億円を超える取り崩しを実際に続け、今年度にはついに3億円を超える取り崩しを見込まざるを得ず、財調がほぼ枯渇するという異常事態に突入してしまったのです。
町は、私も参加する「池田町の未来を考える会」との懇談の席上で、この事態を「財政危機」とようやく認めるに至りました。

新型コロナ感染症の影響で、次年度の予算のうち地方税収入が減少することが予想されるために、役場では各課に削減目標を提示して、何をどのように削減するのかを出させ、一覧にしたものをこの9月議会に提出。それが認められれば、それをもとに次年度の予算編成の作業にとりかかるというもくろみなのです。

しかし、この町のやり方には根本的な問題がいくつもあります。

第1は、このような財政危機は「ひとりでにいつの間にか」起こったわけではなく、現町長のもとでの行政の舵取りの結果として引き起こされたということです。従って、このような事態を招いた行政の責任が厳しく問われます。

第2は、この財政危機の要因を「大型事業が重なった」ことに求めていますが、重なったのではなく重ねたのであり、事業計画の甘さや企画段階でのシミュレーションが全く不十分で合ったことを浮き彫りにするものです。従って、この大型事業の計画から実施までの検証なしに先には進めません。

第3は、削減策をまとめる場合でも、本来なら町長がリーダーシップを発揮し、どのような方針で財政再建に当たるのかを示し、削減策・再建策のガイドラインを示すのが普通です。
ところが、池田町ではそれが全くなく、各課に削減を丸投げ、ただそこから出された細々とした削減策をまとめただけのものになっています(それでも3億円に届いていない)。従って、池田町の財政を今後どうするのかという方向も描かれない結果となっていることです。

第4は、以上のようなやり方のために、町の削減策の中には、町民の福祉や医療に関する項目がいくつも含まれているということです。これらは、過去の町政の中で町民の生活や福祉・教育などを守るために少しずつ蓄積してきた成果です。安易に削減することは許されるものではありません。

我が住む町の実態ですから、一人の町民として出来るだけのことはしなければならないでしょうが、それにしても何という行政の体たらくでしょう。
今後は、この問題について、ここで書ける限りのことを書いていくつもりです。また、資料なども随時掲載します。